駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

サロマ湖の見える丘

その昔、能取湖とサロマ湖を巡るローカル線があった
結氷した湖と流氷のオホーツク海、何とも贅沢な車窓であった

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1975年3月 湧網線 計呂地-浜床丹

先日北海道から帰ってきたが、今年の北の大地は冬の到来が早く、既に各地で積雪を記録している。紅葉と新雪が同居する、秋から冬への季節の変化を楽しめる時期でもあるが、思わぬトラブルもあるので要注意だ。車で渡道したため、早々に引き上げることになったが、本当はこれから始まるであろう風雪の季節に、後ろ髪を引かれる思いだった。何度か吹雪にも見舞われ、期せずして冬の訪れを味わうことができたが、余計に銀世界への思いを掻き立てられる結果になった。準備をし直して、とびっきりの厳冬期にでも、また渡道してやろうと企んでいる次第だ。

ということで、今回は冬の到来に誘われて白い北海道でいってみたい。このサロマ湖の見える丘は、当時キューロクを求めて北海道を徘徊していた方々には、忘れ得ぬ懐かしい場所だろう。「計呂地」とは勿論アイヌ語が起源の当て字だが、記憶に残る面白い地名だ。計呂地の駅と中心部は、さらに右手になるが、結氷したサロマ湖岸に計呂地の漁業集落が見えている。後ろの円錐状の山が丸山で、その周辺部では、原生林が開かれ牧場となっている。当のこの立ち位置も牧場の丘の上からだ。遥か彼方には、湖と海とを隔てる砂嘴と湖口を確認することができる。

現在、計呂地駅は旧駅舎を保存した鉄道公園になっており、何故かキューロクではなく、晩年を道東で過ごし北見で廃車となったC58139が、旧客とともに保存されている。客車と元保線区詰所が、ライダーに人気の宿泊施設ということだ。能取湖、サロマ湖、オホーツク海と、四季を通して屈指の沿線風景が眺められた湧網線は、もう一度撮ってみたい路線の筆頭格だ。今や観光路線化がローカル線の生きる道となった。そういう意味では、唯一無二な路線であったことは確かで、本当に悔やまれる。この全長89.8kmの風光明媚な名路線は、惜しくも1987年3月20に営業を終えている。


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  1. 2016/11/07(月) 00:30:00|
  2. 湧網線
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プロフィール

こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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