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駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

下北を渡る風

陸奥湾の砂丘が秋色になった
ススキの穂が湾を渡る風に戦ぐ

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2018年10月 大湊線 吹越

下北とは、何とも寒冷荒涼としたイメージを抱かせる地域名だが、その語源はちょっとニュアンスが異なる。青森県では、藩政の時代の名残で、県西部を津軽地方、東部を南部地方と呼ぶ。その南部地方は、北から下北地域、上北地域、三八地域の三つに分かれる。この辺りの天気予報やニュースを見聞きしていれば、頻繁に登場するので、旅好きな方ならよくご存じのことだろう。つまり、下北は上北とセットになった地域名で、かつてここには北郡という大きな郡が存在したことを意味する。色々な意味での中心地から遠い側が下北ということになった。一方、三八は三戸と八戸の頭文字を結合させたものであることは周知の通りだ。

陸奥湾を臨む砂丘地帯も秋色になった。ススキの穂が湾を渡る風に戦ぐ。間もなく訪れる厳しい季節を前に、一時の安息の時間が流れる。ご覧の通りの吹きっ晒しだ。冬には低気圧の東風をまともに食らうことになる。強風や吹雪、さらには倒木などによる運休やトラブルも頻繁だ。そんな時には、並行する国道を往く路線バスのご厄介にはなるが、平常時の大湊線の高速運行による時間的優位は揺ぎ無く、何とか廃線が噂されない程度の輸送密度を維持している。JR路線でありながらJR鉄道網から隔絶されてしまった大湊線だが、下北での孤軍奮闘は今日も続く。


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  1. 2019/09/24(火) 00:00:00|
  2. 大湊線
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大湊線恐山二景

台風一過の風に白雲が流れる
恐山がすっくと陸奥湾に浮かぶ

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2018年10月 大湊線 下北

正確には恐山という名前の山はない。カルデラ湖の宇曽利山湖を囲う外輪山群と火山の総称だ。多量の火山性ガスの噴出により、独特の荒涼感のある風景が形成されている。古来よりこのような場所は地獄と呼ばれ、信仰の対象になってきた。恐山にも、延命地蔵尊を本尊とする恐山菩提寺が開かれ、日本三大霊場の一つになっている。この霊場は、死者が集まる山とされ、死者が巫女に憑依するイタコの口寄せが知られている。死者の憑依を信じるか信じないかは個人の自由だが、故人の言葉を借りて、何らかの道を諭しているということなら、それはそれで縋ろうとする人がいるのも分からなくもない。このイタコという職は寺院とは全く関係のない北東北地方の習俗だ。南方の沖縄や奄美群島にも、ユタという霊能力者とされる職がある。現代の町の手相占いもこの類のものだろうか。

この大湊線と付き合いも長くなった。その訳は北海道への道筋にあるためだ。津軽海峡を函館へと渡るフェリーは、青森と大間の2ルートがある。今回は、大間から函館に渡り、帰りは青森便を利用した。そうやって、行き帰りに北東北の路線も垣間見ようというわけだ。大間ルートでは八戸線が面白かったが、ヨンマルが終って当分は対象外路線になりそうだ。2001年までは、下北から大畑線が分岐していたが、こちらは敢え無く廃止になった。横浜の道の駅に車中泊し、午前中はのんびり大湊線を撮って、下北の老舗で南部煎餅を仕入れて、午後の便に乗るべく大間に向かうというのが恒例だ。これまで何度となく大湊線を撮っているが、これだけ恐山がくっきり見えるのは珍しい。直前に通過した台風24号の風が残っていたせいだろうか。大間からの船旅は少々揺れることになったのだが。


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2018年10月 大湊線 有畑


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  1. 2018/11/21(水) 00:00:00|
  2. 大湊線
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海の見える踏切

陸奥湾越しに津軽が見える
列車は下北の浜を駆けてゆく

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2017年10月 大湊線 吹越 

この踏切に何度立ったことだろう。何時の日か、自然の織り成す劇的な海原に出会えることを期待して。

★只今、自動更新で「東北の秋 2017」をお送りしています。


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  1. 2018/10/14(日) 00:00:00|
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下北雨情

下北に冬を思わせる冷たい雨が降り頻る
鉛色に煙る海原が秋の終わりを告げる

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2016年10月 大湊線 有戸

天気が良ければ陸奥湾バックの有名ポイントだが、この日に見えたのは白い波濤だけだった。

★只今、予約更新で写真を主とした「東北の秋」をお送りしています。


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  1. 2017/10/24(火) 00:00:00|
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下北の夏

起伏の少ない丘陵がどこまでも続いている
穏やかな夏の陸奥湾を横目に単行キハが走り抜ける

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2016年7月 大湊線 吹越

平坦線でカーブも勾配も少なく、駅間距離も長い大湊線の列車は頗る速い。特に有戸-吹越間では駅間13.4kmを12分程で走り抜け、最高速度は85km/hに達する。快速は全線58.4kmを51分で走破し、表定速度は68.7km/hにもなる。ローカル線には似つかわしくない速さだ。短尺のキハ100系でも330PSの機関を積んでおり、キハ20系やキハ40系の時代の走行性能とは比べものにならない。それでも、陸奥湾を望む長いストレートを走り切るには、それなりの時間が掛かる。前照灯を確認してから、テールライトが視界から消えるまで、ファインダー越しに、じっくりと高速キハの走りが観察できる。DMH17エンジンには強い郷愁を覚えるが、これがJR東日本のローカル線の今の姿だ。ただ、早いものでキハ100/110系が登場して27年となった。つまり、キハ20系が絶滅危惧種になってから、既にこれだけの時間が流れたということだ。


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  1. 2017/08/15(火) 00:30:00|
  2. 大湊線
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プロフィール

こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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