駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

給水塔のある風景

道東の森林原野を往く盲腸線にも隔日で貨物列車が通っていた
そこには蒸気運行を支える素朴な給水給炭設備があった

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1974年8月 相生線 北見相生

前回の北見相生の記事では人力転車台をお送りしたが、今回は給炭台・給水塔をご紹介する。この時は石炭は見当たらなかったが、小型の給炭台として造られたものだろう。北海道のような積雪地帯では給炭台には屋根が付く。同じような造りの木造給炭台を道内で結構目にしたが、給水塔とこれだけ上手く組み合わされたものは、北見相生以外には見当たらない。画の右端に給炭台の後ろの建屋が少し見えるが、これが職員の詰所となる。こちらも風情があり、給炭台・給水塔・詰所の融合が絶妙なとびっきりの逸品だ。

これだけの眺めを鉄道模型趣味人が見逃すはずはなく、実物は見ていないが、日本鉄道模型ショー2013でそのジオラマが展示されたということだ。この建屋を幾つかのアングルから撮っているので、不完全ながら図面も引けるだろう。どこまで作り込めるかは分らないが、このシーンだけでも、北見のキューロクともども、何時かHOか16番辺りで模型化してみたいものだ。寄る年波には勝てず、老眼鏡だの拡大鏡だのが離せなくなったが、このゲージなら何とかなるかもしれないと考えるのはあまりにも安易だろうか。

相生線は第1次特定地方交通線に指定され、60年余りの営業を終え1985年4月1日に廃線になったが、旧駅構内は相生交通公園として整備され、駅舎とホームがキハ22やスハフ42などの車輌とともに保存されている。相生は人口減少の著しい津別町の片隅の集落で、偶々ここで工事が凍結されたための終着駅だった。現在は国道240号線の道の駅が鉄道公園に併設されているが、代替バスも疾うに通わなくなり、公共交通の届かない場所に戻っている。画の左端に小さく見えるのが保存されている駅舎とホームだが、残念ながら転車台や給水塔などは廃線前に取り壊されている。

会津線の会津田島での給水塔風景はこちらからご覧頂けます。


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  1. 2016/10/06(木) 00:30:00|
  2. 相生線
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人力転車台

北見相生は木造のストラクチャーがいい雰囲気だった
そこには人力の転車台があり、仕事を楽しむ男たちの姿があった

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1974年8月 相生線 北見相生

かつて北海道には多くの盲腸線が存在した。その殆どは、隆盛を誇った炭鉱会社か経営する石炭輸送のものか、日本中を網羅する鉄道網を目指した時の政治家の、つわものどもが夢のあとだった。この相生線も当初は美幌―釧路間を結ぶ「釧美線」として計画されたが、その夢は北見相生に至った時点で、道半ばにして潰え、1985年に廃線となった。この相生線が延伸、接続するはずだった雄別鉄道雄別本線も、石炭産業の斜陽化と、炭鉱事故によって、一足早く尺別鉄道線とともに1970年に姿を消している。こうして、北海道の盲腸線の殆どが消え去り、夢のあとはその遺構だけとなってしまった。

そんな北海道の盲腸線の多くでは、キューロクが不定期に通い、貨物輸送を行っていた。バック運転が得意でないキューロクのために、終着駅には転車台が設けられていた。その日は、不定期貨物を北見区のトラ塗りキューロクが引いてきた。早速、転車の作業となるが、どこからともなく4人の男たちが現れた。機関車の停止が確認されると、転車台を固定していたラッチが外される。男たちが二人一組になった力仕事が始まる。左端のお若いのはやる気満々だ。まるで、メリーゴーランドではしゃぐ子供たちのようだ。仕事は楽しいに越したことはない。

この駅の様子は、鉄道模型趣味の方、それもレイアウト作家に見て頂きたいところだ。この駅のストラクチャーは殆どが風情ある木製だ。転車台の向こうに見える機関庫は、如何にも木造りといったいい感じだ。転車台自体は鋼製だが、その周りには、足が踏ん張れるように、枕木が放射線状に埋め込んである。次回は、西部劇にでも出てきそうな木製の給水塔、給炭台でもアップしたい。自分に工作技術と時間があれば、フルスクラッチと行きたいところだが、それは永久に実現しそうにない。一方、画のキューロク「29657」だが、1976年に廃車になり、只見線沿線の当時の新潟県北魚沼郡守門村の村営「守門温泉SLランド」のSLホテルで、オロネとともに利用されているのを見たことがある。当時のSL人気に便乗した商売だったが、そのSLホテルも廃業になり、現在は見るに堪えない姿で、荒れるに任せているようだ。


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  1. 2016/06/17(金) 01:37:21|
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プロフィール

こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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