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駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

町が先か鉄道が先か

西条の瓦屋根の家並を列車が横切る
鉄道好きには良い眺めだがその功罪は

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2016年4月 芸備線 備後西条

列車が西条の町中を横切って行く。町並みが先か、それとも鉄道が先なのか。西条は少なくとも南北朝時代からの歴史があり、戦国時代には宮氏の大富山城の城下町だった。庄原線が備後西城まで延伸されたのが1934年、備後落合に達したのは翌1935年だ。つまり、町並みの方が遥かに長い歴史があり、そこに鉄道が割り込んできたことになる。しかし、家並の建築年代は大正、昭和というから、鉄道開通の前後だ。鉄道とともに町並みもリニューアルされたということになる。そこには、鉄道開通への期待があったのかもしれない。しかし、かつての賑わいを取り戻すことなく現在に至っている。

日本は懲りることのない土木屋国家であり、何時だって建設第一で、景観は二の次だ。日本橋を覆うように首都高が走るなど狂気の沙汰だが、オリンピックの大義名分の前には、日本橋とてただの橋でしかない。大枚を叩いて景観を取り戻そうという計画があるが、土木屋にとっては二度おいしいということになりかねない。さて、ここ西条がどうだったかは分からないが、なかなか微妙な景観だ。鉄道好きにとっては一度は訪れてみたい場所だが、古い町並みという観点からは、鉄道が大胆に横切るのは如何なものだろう。一日数往復の鄙びたローカル線だからと云うのは、撮り鉄の勝手な言い分か。


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  1. 2019/04/17(水) 00:00:00|
  2. 芸備線
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雪の朝

小鳥原は季節外れの春の雪化粧となった
ゆっくりとゆっくりと道後山への坂道を登る

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2018年4月 芸備線 備後落合

備後落合を出発した芸備線の上り列車は、すぐに道後山への登りに取り掛かる。芸備線のサミットである道後山の標高は612mで、備後落合から6.8kmの距離で160mの標高差を稼がなくてはならない。平均勾配は23.5‰にもなり、最大勾配を25‰に抑えるには、一時も勾配を緩めるわけには行かない。そのため、線路は小鳥原川沿いの集落を見下ろすようにして、トンネルと橋梁の繰り返しで標高を上げて行く。その圧巻が高さ30mの第一小鳥原川橋梁で、この橋梁の1936年の竣工をもって、現在の芸備線のルートが全通している。

備後落合周辺の芸備線と木次線は、常時徐行区間になっている。列車本数が極端に少ない険しい山間部にあり、線路規格も脆弱で保線も限定的なため、速度を落とすことによって安全を確保しようという寸法だ。列車は小鳥原川支流の橋梁をゆっくりと渡り、間もなく第一小鳥原川橋梁に達しようとしている。季節外れの雪の朝、一瞬の雪の止み間に青空が開け、朝日が小鳥原の民家を見下ろす橋梁を照らした。残念ながら、始発列車の車内に、乗客の人影は見つけられない。再びこの区間に列車が現れるのは、7時間半後の午後2時過ぎだ。


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  1. 2019/03/06(水) 00:00:00|
  2. 芸備線
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芸備線 第一三篠川橋梁 流失

またしても大雨がローカル線を襲った
芸備線の橋梁が消えてしまった

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2016年4月 芸備線 狩留家-白木山 第一三篠川橋梁

7日未明、折からの豪雨で、芸備線の狩留家-白木山間に架かる三篠川橋梁が、流失しているのが見つかった。また流木が引き金らしい。つい最近の拙ブログ記事で、「ローカル線に神のご加護あれ」と祈った矢先に、また惨事が繰り返されてしまった。今回の西日本の大雨の被害状況は、まだまだはっきりしていない。四国では高速道路の崩落なども確認されている。時を追うごとに、被害の全容が明らかになっていくだろうが、恐ろしいほどに甚大なものになっているかもしれない。

これで、当分の間、芸備線は区間運転を強いられ、弱体化するかもしれない。これが三次以東の閑散区間であったなら、廃線と云う選択肢も出ていたかもしれない。写真のように、三篠川は普段は穏やかに流れる里山の清流だ。しかし、一旦記録的な大雨でも降れば、牙を剥いて襲い掛かって来る。水と云うのは本当に恐ろしいものだ。決して侮ってはいけない。一度災害が起きてしまえば、無かったことにすることはできない。せめて、次の危険に備えて、身を守る教訓としなくてはなるまい。

勿論、物的な被害も、被った方には死活問題ともなるが、まずは人命が優先だ。今も、多数の行方不明者がおられる。一人でも多くの方が生存されていることを祈るばかりだ。


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  1. 2018/07/08(日) 00:00:00|
  2. 芸備線
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春の雪景小鳥原川

耳を傾けるとC58のブラストが聞こえてきそうだ
深い山懐の小鳥原川に季節外れの雪が降り続く

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2018年4月 芸備線 道後山

現在、芸備線の東城-備後落合間は、1日3往復のキハ120の単行が走るのみの超過疎線区になり果てている。平均通過人員はどうやら一桁になっているようだ。先日、三江線が終焉を迎えたが、次は備後落合界隈との憶測が尤もらしく噂されている。現役蒸気ファンの方々なら、この第一小鳥原川橋梁を備後落合から道後山に向けて驀進するC58の雄姿を、雑誌などで見掛けたことがおありだろう。1970年10月改正のSLダイヤ情報を見ると、日中12時間だけでも、客貨23本もの列車が道後山を発着、通過している。しかも、そのうち3本は急行列車だ。往時を知るものにしてみれば、信じられないような凋落ぶりだが、それが陰陽連絡線としての役目を終えて、中国山地の山懐に取り残されたローカル鉄道の厳しい現実だ。

さて、今回の写真だが、もう春だというのに雪景色はないだろうと言わないでほしい。この写真は、ほんの2週間前に撮ったものだ。雪を被ってしまっているが、三分咲きの桜が数多く写っていることになっている。気動車の前面は、春の淡雪と言うには、少々厳し過ぎる顔付になっていた。着雪しやすい湿った雪で、思いがけない銀世界となった。このところ、暖かいを通り越して各地で夏日が続いているが、春の麗らかな日和は、いったい何処に行ってしまったのだろうか。冬かと思えば夏がやって来る。降れば大雨。吹けば暴風。気象の激化は留まることを知らない。半世紀ほどの時の流れで、芸備線の備後落合は目を疑いたくなるような凋落ぶりだが、気象の方も大きく様変わりしてしまった。何事も変化の速さには危ういものを感じる。


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  1. 2018/04/21(土) 00:00:00|
  2. 芸備線
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新緑の頃

春の穏やかな日の列車待ちは夢見心地だ
淡い緑が目に優しく、そよ風がふと眠気を誘う

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2016年4月 芸備線 吉田口

淡い緑のグラデーションは、直ぐに終わってしまう。移りゆく季節と共に巡るローカル線の旅は、そんな一瞬一瞬を刻んでゆく旅だ。

★只今、予約更新で写真を主とした短文記事でお送りしています。


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  1. 2017/04/21(金) 00:30:00|
  2. 芸備線
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プロフィール

こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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