FC2ブログ

駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

最北のキューロク

最北のキューロクがオホーツクの町々を巡る
早春の猿払を吹く風は、まだまだ冷たかった

04625F16.jpg
1973年3月 天北線 鬼志別

天北線1791レが鬼志別に到着した。停車時間は30分程で、給水や火床整理などが行われる。機関車周りの雪が炭殻で汚れているのはそのせいだ。機関助士はテンダーに登り石炭を掻き寄せている。強風に暴れる煙と、機関士の被る目出し帽が、否応なしに北辺の雰囲気を醸し出す。最北の稚内機関区の受持ちは、宗谷本線北部、天北線、興浜北線の3路線だった。利尻の絶景を背景にC55の走る宗谷本線の陰で、天北線は地味な存在だったが、オホーツクの海岸に連なる町々は、宗谷本線とは異なる趣がある。この鬼志別は猿払村の中心駅で、急行「天北」の停車駅でもあった。

当時、音威子府・浜頓別間に区間貨物が1往復あったが、天北線全線を走り抜ける貨物列車は、1791レ・1792レの1往復のみで、浜頓別以北は撮影効率の頗る悪い場所だった。下りの1791レは、全線148.9kmを7時間程の時間を掛けて、貨物取扱駅の一つ一つに停車していくが、貨物も含めて上り列車との交換は6回あるが、追い抜いてゆく列車はない。つまり、この列車とのご対面は、どんなに頑張っても一日一回限りとなってしまう。今なら、追っかけで何度となく撮れそうなものだが、当時は30分の停車時間を利用して、駅の両側と停車風景を撮るのが精一杯だった。


スポンサーサイト

テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2017/11/23(木) 00:00:00|
  2. 天北線
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6

珠文岳夕景

日が傾き、浜頓別から眺める珠文岳の頂が朱を帯びてきた
その山懐を目指して、チップを満載したキューロク貨物が登って往く

10205F16.jpg
1975年3月 天北線 浜頓別

日本は山国のため、多くの地域に「故郷の山」と言えるような頂きがある。ここ浜頓別の故郷の山は珠文岳だろう。写真奥の右の頂だ。浜頓別の町中からは、何所からでも眺められる標高761mの山だが、さすがは宗谷の山だけあって、頂上付近にはハイマツ帯があり、ピークには遮るものは何もないとのことだ。ただ、過熱気味の昨今の登山ブームも、ここまではその熱は伝わってこないようで、山には登山道はなく、原始のままだという。

浜頓別は、宗谷地方枝幸郡にある漁業、酪農の町だ。町名の由来は、アイヌ語の「トー・ウン・ペッ」(湖から出る川)だが、その言葉のとおり、クッチャロ湖と湖からオホーツクに注ぐ川に挟まれた湿地帯に町がある。稚内への宗谷本線は、当初この浜頓別経由で建設されたが、後に距離が短い幌延経由の天塩線が延伸され宗谷本線となった。浜頓別経由は北見線という呼称を経て天北線と呼ばれるようになった。浜頓別廻りが先に造られたのは、オホーツク側の政治力の方が強かったためと言われている。

大分日が傾いてきた午後4時前、札幌からのキハ56の急行「天北」が浜頓別に到着し、鬼志別へと去って行った。入れ替わりにキューロクの貨物列車が音威子府を目指し、夕日に輝く珠文岳の麓の中頓別へと登って往く。当時の人口は6,800と現在の4,000より多かったが、小さい町には変わりはない。駅を出発した列車は直ぐに原野へと分け入ってゆくことになる。こうした原野を延々148.9kmも走る天北線は、国鉄最長の特定地方交通線だった。続く長距離路線の名寄本線、池北線とともに存続が検討されたが、1989年5月1日、敢え無く廃線となった。


テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2016/03/13(日) 01:46:45|
  2. 天北線
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4

プロフィール

こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

著作権について

拙ブログに掲載する写真、記事に関する著作権は放棄しておりませんので、無断使用、転載等はお控えください。

なお、拙ブログへのリンクは自由です。

最新記事

最新コメント

カテゴリ

小海線 (138)
飯山線 (29)
宗谷本線 (24)
天北線 (2)
興浜北線 (2)
深名線 (2)
石北本線 (10)
渚滑線 (2)
湧網線 (2)
相生線 (3)
釧網本線 (7)
根室本線 (8)
池北線 (1)
士幌線 (1)
広尾線 (2)
富良野線 (5)
留萌本線 (9)
札沼線 (3)
函館本線 (44)
室蘭本線 (9)
千歳線 (1)
石勝線 (1)
夕張線 (3)
日高本線 (4)
江差線 (11)
函館市電 (1)
大湊線 (8)
津軽線 (1)
津軽鉄道 (3)
五能線 (16)
八戸線 (8)
花輪線 (2)
三陸鉄道 (3)
釜石線 (8)
北上線 (6)
男鹿線 (3)
秋田内陸縦貫鉄道 (5)
由利高原鉄道 (2)
陸羽東線 (1)
陸羽西線 (3)
長井線 (2)
米坂線 (7)
羽越本線 (5)
磐越西線 (4)
日中線 (4)
只見線 (59)
真岡鐡道 (14)
東北本線 (1)
上越本線 (3)
しなの鉄道 (1)
総武本線 (1)
中央東線 (9)
東海道本線 (2)
八高線 (11)
秩父鉄道 (8)
東京都電車 (4)
西武鉄道 (2)
小田急電鉄 (2)
江ノ島電鉄 (11)
箱根登山鉄道 (3)
御殿場線 (2)
岳南電車 (6)
中央西線 (2)
関西本線 (3)
小浜線 (1)
宮津線 (1)
山陰本線 (34)
播但線 (2)
姫新線 (4)
若桜鉄道 (1)
因美線 (3)
津山線 (1)
芸備線 (8)
木次線 (4)
福塩線 (1)
境線 (1)
一畑電車 (1)
三江線 (4)
山口線 (5)
鹿児島本線 (2)
日豊本線 (16)
筑豊本線 (9)
日田彦山線 (4)
伊田線 (2)
後藤寺線 (2)
田川線 (2)
唐津線 (3)
松浦線 (3)
佐世保線 (1)
大村線 (2)
長崎本線 (2)
島原鉄道 (1)
久大本線 (6)
豊肥本線 (4)
高森線 (2)
肥薩線 (21)
くま川鉄道 (2)
吉都線 (1)
日南線 (3)
宮之城線 (1)
指宿枕崎線 (3)
鉄道展示館 (1)
写真集・書籍 (4)
鉄道模型 (1)
ご挨拶 (0)
はじめまして (3)
未分類 (0)
太平洋石炭販売輸送臨港線 (1)
石巻線 (1)

月別アーカイブ

最新トラックバック

リンク

写真に写った方々へ

鉄道は人を運び、人に見送られ、人に支えられています。時として人が主役になります。

撮影の際には、なるべくご了解を頂くようにはしておりますが、そうできない場合もあります。写った方々と見る方々が不快に思われないようなものに限っていますが、ご本人やそのご関係者の方で、掲載に不都合がある場合には、メールでご連絡ください。 また、登場する鉄道員の方をご存知でしたら、差し支えがなければご紹介ください。

こあらまへのメール

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム

ご来場者累計

RSSリンクの表示

QRコード

QR