駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

立野の危機

立野にはスイッチバックや大白川橋梁などの鉄道名所が多い
その険しい地形が仇となって、今彼の地が危機に曝されている

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1971年7月 豊肥本線 立野

このところ、ずっとキハが続いているので、ここらで煙分補給のため、オーソドックスな現役蒸気画をお送りしたい。豊肥本線は立野のスイッチバックだ。九州には、この立野の他に肥薩線の大畑と真幸にスイッチバックがあるが、やはり立野のものが群を抜いた規模だ。現役蒸気末期はキューロクの貨物列車がこの坂道を越えていた。その後は、ハチロクの「SLあそBOY」が独力で登っていたが、それが祟ったのか、大病をして、今は肥薩線川線で余生を送っている。最近は、「ななつ星 in 九州」のルートに加えられていた。

今回の熊本地震で、立野地区には大きな被害がでている。交通網の遮断により孤立してしまったために、村外への避難を余儀なくされている。豊肥本線は肥後大津-豊後萩間、南阿蘇鉄道高森線は全線で不通が続き、国道57号線、325号線は至る所で分断されているという。高森線は、あの立野橋梁、第一大白川橋梁も被災し、復旧には最低でも30億円が必要と見積もられている。高森線と結ばれるはずだった高千穂線(オールドファンにはC12の日之影線だろうか)を引き継いだ高千穂鉄道が、2005年の台風被害で廃線となってしまったことが思い出される。被害の大きさから、鉄道ばかりか、立野の集落自体が存亡の危機に立たされている。

さて、一枚目の画は、その国道57号線の陸橋から。立野に登って来るキューロク貨物を撮ったものだ。キューロクの煙の向こうに、微かにスイッチバックの折り返し地点が見える。この日は運よく、高森線のC12が、熊本からぶら下がりで有火回送されてきた。そのC12が、どういうわけか、先頭をゆくキューロクを思ってか、ファンサービスなのか、威勢よくプッシュしている。思わぬ力走プッシュブル運転と相成った。この列車は、立野でC12を切り離し、バック運転の推進でスイッチバックに入り、折り返して赤水に向かう。二枚目の画は、スイッチバック後に赤水に向かうシーンだ。ということで、1本の列車を3回撮れる美味しい場所だった。この数々の鉄道名所のある立野は、今後どうなってしまうのだろうか。被害が大きいだけに先行きが心配だ。


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  1. 2016/05/22(日) 00:32:06|
  2. 豊肥本線
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僕らの国鉄時代の旅

車が少なかった時代、町を出るのも、帰ってくるのも駅からだ
町の玄関である駅には、その日もお見送りの人の姿があった

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1973年8月 豊肥本線 肥後大津

高森線を撮り終えて、東京行きの急行「桜島」に乗るべく、立野から熊本行きの列車に乗った。立野から2つ目の肥後大津で交換となった。急行の表示がないので、「火の山」ではなさそうだ。
車中から乗り出して撮った一枚だが、とても懐かしい画となった。下見板張りの駅舎とハエタタキ、全盛時代のキハ58系、鉄板の蓋のあるホーム間の踏切、通過列車が無いのかホーム中央の渦巻き型のタブレット受器、どこを眺めても「国鉄時代」だ。
現在、豊肥本線は熊本-肥後大津間が電化されており、この駅で電車とディーゼルがそれぞれ折り返し運転を行っている。一日の乗降客が4000人近い立派な駅で、この頃の面影は殆どない。


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しかし、一番目を引くのはやはりホーム上の人々だ。良く見えるようにトリミングしてみた。懐かしい制服の二人の駅員が下り列車の出発を見守っている。列車の乗降は終わっており、ホーム上の方々は見送りだ。どちらの列車にもお見送りがいる。何とも時代を思わせる服装の懐かしい光景だ。
ただ、今だって、お盆が終わるころ、子供と孫を見送る親の別れのシーンが、新幹線のホームで見られる。新幹線ホームの別れといえば、山下達郎のクリスマスイブ流れるコマーシャルシーンもあった。かなり古いが、転勤先に向かうサラリーマンの同僚のお見送りなんていうのもあった。
今も昔も、駅は変わることのない人との出会いと別れの場所だ。


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  1. 2015/10/12(月) 02:01:23|
  2. 豊肥本線
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プロフィール

こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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