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駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

野を越え山を越え

町並みをあとにまた次の町へ
野を越え山を越えて列車が往く

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2020年3月 飯山線

河岸段丘が町と田舎を分かつように立ちはだかっている。少し春めいて来て、霞掛かった風景が広がっている。今年の春もそこまで来ている。木々の冬芽も膨らみだした。あとひと月もすれば桜の季節になる。昨年の桜の季節は既にコロナ禍だった。コロナ、コロナと云って、あっという間に一年が過ぎてしまった。今年の花見の宴会はどうなるのだろうか。ワクチンが効いて一件落着となればよいのだが、そのワクチン接種も順調に行っても暫くは終わらないようだ。ウレタンマスク警察が現れたかと思えば、電車に向かってエールを送る人たちも出てきた。こういう苦しい時に、その人の素性が見えてくるのだろうか。コロナが治まって、みんなで励まし合って、それはそれでよかったよねと言える時が来ればいいのだが。


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  1. 2021/02/20(土) 00:00:00|
  2. 飯山線
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兎追いし彼の山

唱歌故郷はこの地で生まれた
ただしその名歌も世につれだ

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2020年3月 飯山線

「兎追いし彼の山 小鮒釣りし彼の川」で始まる文部省唱歌「故郷」は、日本人であれば誰もが知っている馴染みの歌詞でありメロディーだ。当初、作詞作曲家は不明だったが、後に作詞は現在の長野県中野市が出身地の高野辰之と特定されている。つまり、「故郷」に歌われる山河は、飯山線近縁の地がモチーフになっているようだ。日本の故郷を往く飯山線のイメージとも大いに合致する。地元の名歌と言わんばかりに、北陸新幹線の飯山駅のホームでは「故郷」の発車メロディーが流れる。

話はかなり安っぽくなるが、真偽のほどは知らないが、故郷の歌い出しの「兎追いし」を「兎美味し」だと思っている方々が大勢いるとかいないとかの噂がある。世界中にウサギを食する文化は普通にあり、日本でも毛皮と食肉目当ての狩猟の対象であることは確かなので、そう思い込むのも無理もない話だ。こあらま的には、「追いし」→「捕獲」→「料理」→「美味し」という公式で、結局は「美味し」となる。小鮒の方はやっぱり甘露煮か。何れにしても、食い意地が勝っているということだ。

名歌だけのことはあって、テレビCMにもよく登場する。2019年の土屋太鳳のプリマハムでは、故郷の父母への贈り物という設定で、王道的な使い方がされている。一方、2015年の金沢の菓子処の金澤福うさぎのCMでは「うさぎ おいし かなざわ」と謳われているが、まあ、先の噂を裏付けるような罪のない駄洒落の範疇だろう。ちなみに、作曲家の岡野貞一の故郷の鳥取の銘菓に「因幡の白うさぎ」があるが、こちらは名歌を使った形跡はない。「兎美味し」では洒落にならない因幡の白兎だ。

理解に苦しむのが、2014年のキョンキョンの明治安田生命で、小泉が歌う「兎追いし」に、子供達が「うさぎって美味しいの?」と問う。小泉の答えは「信頼できるってこと」。こうなると何が何だか分からない。さらには、ここに登場する兎は「ウサギとカメ」のウサギで、まさに意味不明の極みだ。安定感と堅実性のイメージに重きを置くものばかりと思っていた生命保険会社のCMとしてはなかなかの迷走ぶりだ。ウサギの思い上がりと油断で、最後に勝つのはカメだと知ってのことだろうか。

文部省唱歌にあっても時代の荒波に翻弄されるものだ。作詞家の高野辰之は豪農の生まれで、後に国文学者となった人物だ。格調高き「故郷」の中に、「兎美味し」などという歌詞が在ろうはずもないが、今は自然の動物と戯れる機会も少なくなった。まさに、「歌は世につれ世は歌につれ」なのだろう。そのうち、飯山線沿線の何処かで、観光客相手に兎の丸焼きなんかが登場して、名物になっているやもしれない。もちろん、その店先には「故郷」が流れ、「兎美味し」を連発していることだろう。


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  1. 2021/01/27(水) 00:00:00|
  2. 飯山線
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千曲川滔々

日本の風景は水の風景だ
春の雪解水が滔滔と流れる

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2020年3月 飯山線

千曲川もこの辺りでは豊富な水量で、日本最長河川の貫禄がある。河岸段丘に沿って道が延び民家が建ち並ぶ。後釜の鉄道はその少し上の民家裏を走ることになる。日本全国、山間部を流れる大河を遡る鉄道風景だ。千曲川は、この先信濃川と名を変えて日本海を目指す。本来であれば、さらに立派な流れとなるはずだが、その水量目当ての水力発電所が連なるので、取水によって流量は激減する。脱炭素が叫ばれる現代社会にとって水力発電は頼もしい味方だが、自然環境への侵襲が無いわけではない。只見川のように、堰き止めダムが連続する大河では、ダム湖のプールによって広大な水面が出現し、美しい水の風景を醸し出しているところもあるが、信濃川のように、取水導管による発電では逆に川から水が失われ、巨大導管を有する発電所が下流の河岸に出現する。また、黒部川のように巨大ダムで水を制する場合もある。どれも力技で水を操ることになるが、過ぎたるは及ばざるがごとしだ。自然からのしっぺ返しを食らわないようにしないといけない。気象激化の時代に安全神話などない。


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  1. 2021/01/19(火) 00:00:00|
  2. 飯山線
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夜へ

今日もまた夜の帳が降りてくる
鬱蒼とした山間に灯りがひとつ

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2017年10月 飯山線

一日の半分は昼で残りの半分は夜だ
毎日必ず日暮れが訪れ夜がやって来る
田舎暮らしをしていると気付くことがある
人の屋外での活動は日出から日没までだ
誰が教えるでなく暗くなったら家から出ない
闇世界は夜を愛する獣たちのためにある
ところが不夜城と化した街に闇夜はない
それを文化というなら随分と忙しい話だ
傍らの暗がりには見えない闇をつくった
さて夜を駆けるその行き着く先は
今日もまた夜へ


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  1. 2020/08/30(日) 00:00:00|
  2. 飯山線
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秋の六地蔵

集落の一年を六地蔵が見守る
日本の故郷の原風景のひとつだ

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2015年10月 飯山線

地蔵菩薩は六道の全ての世界で衆生を救う菩薩とされる。その六道輪廻の思想から地蔵菩薩像を6体並べて祀ったのが六地蔵というわけだ。また、日本では子供の守護尊ともされ、小僧姿のお地蔵さんも多い。そんなこともあり、お地蔵さんは優しい面持ちの像が殆どと思っていたが、ここの六地蔵様はなかなか苦しそうなご様子だ。人の苦難の身代わりとなって受け救うとされるので、こんな面持ちになってしまったのかもしれない。

そんな地蔵菩薩だが、各地の路傍で過ごすうちに、次第に仏教の教義から離れ、地域独自の民間信仰的な存在になって行った。いつしか、冬の雪は寒かろうと帽子まで被るようになった。集落の人々に願を掛けられながら、地域の守り神として過ごして来た。秋の好日に、周りでは稲束が天日干しされている。その光景を六地蔵はずっと見守って来たはずだ。これからも、集落の人々の身代わりの傍らで飯山線も見守ってやって欲しい。


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  1. 2020/08/24(月) 00:00:00|
  2. 飯山線
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プロフィール

こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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