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駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

上境 青田のころ

暑い日差しを受けてコトコトと列車がやって来た
青田を遮る木々の緑が瑞穂の国に迫りくる

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2018年7月 飯山線

この場所も気が付いてみれば、随分と木々が成長したものだ。元は一面の田圃だったようだが、耕作されなくなった田に木が生えて、こんな立派な林に成長してしまった。田圃と云うのは、一旦草を生やしてしまうと簡単には田には戻らない。ましてや、林になってしまえば畑にすることもままならない。つまり、多くは耕作されずに野に帰って行く。今の日本で、農業で生計を立てていくことは難しい。特に穀物は一部の大規模農家を除けば殆どが兼業だ。多くは、先祖伝来の田圃を守るために、家族と親戚の米を細々と作っているのが現状で、兼業とも言えない有り様だ。

瑞穂の国の象徴である青田の風景も、絶滅危惧種入りする日も近いかもしれない。中山間地では、既に後継者が殆どいない状況を考えると、今の世代で最後になってしまうかもしれない。この抜けにしても、5年先、10年先にどうなっているかは楽観できない。田圃の緑に負けじと成長する木々の緑が、視界の半分位にはなってしまった。新たに草の生えだした田もあるような。田圃が無くなるのが先か。木々に覆われてしまうのが先か。それとも、このか細い鉄路が消えてしまうのが先か。年々抜けが小さくなっていくこの風景を眺めていて、ふとそんなことが頭を過った。


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テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2018/08/13(月) 00:00:00|
  2. 飯山線
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駅舎の灯 森宮野原 18時16分

雪の細道を辿るキハがこの駅で擦れ違う
県境の駅に一時の動の時間が流れる

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2018年3月 飯山線

この場所で、何回夜明けを迎えたことだろうか。幾度となく夕暮れも待った。鉄道写真をやっていて、本当に良かったと思える瞬間がある。森宮野原の交換風景は、そんな至福の時間を与えてくれる眺めであり、「駅舎の灯」の永遠のテーマの一つだ。そこには、幹線を往く優等列車の華やかさもなければ、駅の雑踏や賑わいもない。あるのは、1、2両の短い気動車が1日6回、小さな島式ホームで密やかに交換することだけだ。雪の夜、キハのエンジン音は深い雪に吸収されて、至って静かな列車の擦れ違いになる。雪国のローカル線が健気に働き続けるさまがとても好きだ。撮影時の積雪深は2m程だったが、構内には1945年に観測された7.85mを指すJR日本最高積雪地点の標が立つ。2階家の屋根まで埋める8m近い積雪とは、一体どのようなものなのだろうか。標の高さまで雪に覆われたら、どうやって生活するのだろうか。


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  1. 2018/03/24(土) 00:00:00|
  2. 飯山線
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日溜りの集落

明るさを増してきた日差しに雪解けが進む
間もなく雪国の集落が冬の眠りから覚める

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2018年3月 飯山線

千曲川北岸の日当たりの良い南斜面に、その小さな集落はある。明るさを増して来た春の日差しに雪も大分解けて、間もなく畑仕事が始まる季節を迎える。集落の人々は、これまで棚田で米作りをして生活を繋いできたのだろうか。昨秋訪れた時には、棚田が綺麗な黄金色に色付き、稲刈りが盛んに進められていた。家も田も、決して緩くはない傾斜面に僅かな平地を削り出して設けられ、家々が重なり合うように寄り添っている。冬ともなれば、深い雪にも覆われ、集落はじっと春を待つことになる。今の時代に、これだけの田畑で生計を立てて行くことは難しい。多くの家が兼業農家で、毎日街に働きに出ていることだろう。この辺りの飯山線では、朝に長野に向かう列車は通勤通学の人たちで結構混雑する。そのことが、この雪国のローカル線が残された理由の一つでもある。こんな昔話にでも出てきそうな日本の故郷のような景色を今も眺められるのは、ひょっとすると飯山線のお蔭かもしれない。


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  1. 2018/03/14(水) 00:00:00|
  2. 飯山線
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VOITURE AMITIÉ 友情の列車

雪国の日差しもめっきり春めいてきた
リバイバル色が雪景色の中を駆けて往く

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2018年3月 飯山線

昨年の2017年7~9月に開催された全国大型観光キャンペーン「信州デスティネーションキャンペーン」に合わせて「飯山線色」が復刻され、2019年3月まで走っているそうだ。JRが発足して4年後の1991年、当時飯山線を走っていたキハ52、キハ58、キハ40が飯山線色に衣替えした。この車体塗装はキハ110が投入された1997年まで続けられた。全国均一色の国鉄時代が終わり、各地に様々な地方色が現れた。しかしながら、国鉄色を凌ぐ優れものが生まれたかといえば難しいところだ。この飯山線色にしても、沿線の純日本的な農村風景にマッチしていたかは些か懐疑的だ。ただ、今回、雪の中でリバイバル色の2連を撮ってみて、雪景色にはまずまずかと見直した次第だ。車体側面には当時と同じように「VOITURE AMITIÉ」というフランス語が表示されている。「ヴワテュール アミニティエ」と読み、「友情の列車」という意味だそうだが、表示するに至った経緯については、残念ながら全く記憶に残っていない。


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  1. 2018/03/08(木) 00:00:00|
  2. 飯山線
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津南雪暦

吹く風にも温もりが感じられるようになった
眩しさが溢れる雪野を雪国のキハが往く

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2017年3月 飯山線

雪野原に映える日差しが眩しい季節になってきた。雪国を往くキハも、白いものを纏う日が少なくなってきた。冬の間ずっと凍えていた道床が顔を出し始め、春が近いことを告げる。春を迎える雪国の移ろいには、目を見張るものがある。白い世界に閉ざされた厳しい冬を乗り越えたものだけが味わえる輝きの季節だ。まだまだ深いこの雪の下では、しっかりと春の準備が進んでいる。雪が解けると、直ぐに春が弾けるように仕込まれている。毎年営々と繰り返される春への衣替えも、雪が深かった年ほど素晴らしい。今年はいい春になりそうだ。


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  1. 2018/02/26(月) 00:00:00|
  2. 飯山線
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プロフィール

こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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