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駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

雪雲と暗雲

南アルプスに雪雲が流れる
社会に流れる暗雲は何処に

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2021年2月 小海線

2月になり、大分日差しに勢いが出てきた。日も長くなり、春が近いことを感じられるようになってきた。寒さの合間の暖かい日も増えてきた。しかし、まだまだ一年の寒さの底に在ることも確かだ。冬型の寒気で流れ込んでいた雪雲が、夕方になってやっと途切れ始めた。南アルプスの峰々に陽が入り始めたが、山稜は寒風が吹き荒れているはずだ。何とも神々しい冬の甲斐駒の姿だ。日没前の南アを横目に、小海線のキハが八ヶ岳山麓へと登って行くが、残念ながら乗客はほんの数人だった。こちらにも、早く春が来ることを祈りたい。

そう言えば、コロナで開催が危ぶまれている今年の東京オリンピック・パラリンピックに、別の暗雲が立ち込めている。組織委会長の女性蔑視発言だ。謝罪会見で逆切れの醜態まで晒して、ジェンダー・ギャップ指数121位の実力を世界に見せつけてしまった。

こあらまはドイツのグローバル企業で働いてきたが、「全ての個人の尊重」と「Diversity」は、何者も犯してはならない聖域だ。不思議なもので、長年の教育と訓練で、そういう考えと行動が染み付いていくものだ。女性蔑視発言など発覚しようものなら、管理職であれば即刻解雇される。もし、経営の中枢であれば、その企業は間違えなく社会から猛烈な制裁を受けることになる。市民も黙ってはいない。そこまでの認識は日本にはないだろうが、世界相手の組織委の会長ともなれば、当然体得しておく掟だろう。多分、このままポストに居座ったら、参加をボイコットする選手、いや国が現れることになる。それ程、悍ましい発言であり、上辺で謝って済むことでないことを、日本人も認識しておくべきだろう。

ついでに、「Diversity」にも触れておこう。多様性という英語だが、ビジネス的には、性別、人種、国籍、年齢、職歴などの多様性を尊重し、経営資源とする姿勢をいう。特に、グローバル企業においては、人種や国籍の偏見は、何としても乗り越えなければならない最重要課題だ。年齢というのもあるが、年功序列を基本としてきた国には厳しい項目だ。日本のスポーツ界でよく耳にするが、当たり前のように、公共の電波で後輩選手を呼び捨てにしたり、君付けにしたりしている。これもダイバーシティに反する行為とされる。何故なら、その反対が許されないからだ。こあらまのいた会社では、全て「さん付け」という決まりがあった。役職名や呼び捨ては禁止されていた。社長であっても名前+さんで呼ぶ。これは慣れると意外と心地良いもので、何の支障もないことに気付く。かつて後輩を呼び捨てにしていたことが恥ずかしくなったくらいだ。

何が最良かは誰にも分らないが、最も進んだ民主主義とされる北欧国家を中心に、こういう社会規範が広がっていることは知っておくべきだろう。少なくとも、男女平等くらいは日本人にも共通の価値観で在って欲しい。この問題が、この先どう展開していくか注視したいが、もし、東京オリンピック・パラリンピックを無理やり開催しようというのであれば、「日本のDiversity元年」くらいのレガシーは打ち立ててもらいたい。箱物のレガシーなど無駄遣いにしかならない。


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  1. 2021/02/10(水) 00:00:00|
  2. 小海線
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悲しみの棒線化

片肺になってしまった千鳥ホーム
灯火の消えた暗い構内に雪が降る

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2021年1月 小海線

この駅は当ブログによく出てくる小海線の小駅だ。千鳥ホームの2面2線の交換駅だったが、昨年10月20日に棒線化された。当所4月20日と掲示されていたが、半年遅れで現実のものとなった。棒線化されて3ヵ月が経ったが、設備はそのままで、レールも錆びてはいない。何故か使われなくなった旧下り線のホームにも灯りがともっている。しかし、上下の出発信号やポイント標識の灯火は消えている。閉鎖された構内踏切の警報機が作動することはない。灯火の落ちた構内がこうも寂しくなるものなのか。別の駅になってしまったような錯覚に陥る。


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久しぶりに雪が降ったので、お気に入りの場所から駅の様子を眺めてみた。小淵沢から登って来た下り列車が向かって左側の旧上り1番線に入るのを初めて見た。何年か前までは、この駅で定期列車が交換していた。その後は、観光列車同士の交換だけになったが、それも見られなくなってしまうことになる。この一年、観光列車もコロナで低調だ。観光路線から観光客がいなくなった時、残された選択肢は合理化ということなのだろう。


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時を同じくして、小海線に新しい閉塞方式が導入されている。「無線式列車制御システム」だそうだが、地上設備のスリム化と指令からの運行管理が可能になるという。交換設備の停止は、甲斐小泉、佐久海ノ口、八千穂、臼田の4駅で、併せて合理化が進められている。この先設備が剥ぎ取られて、棒線化の線形だけが残ることになるのか。身近な小海線の合理化は、身につまされるものがある。小海線も立派な赤字ローカル線だということに気付かされる。設備が温存されているところを見ると、暫し様子見なのだろうか。コロナが早く収束しないと、この駅の交換設備の復活もないのだろう。


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  1. 2021/01/13(水) 00:00:00|
  2. 小海線
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師走の山並み

師走の南アに日が落ちた
冬の単行が高原へと向かう

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2019年12月 小海線

今年もあと僅かとなった。もうひとつ記事を考えれば、今年の駅舎の灯も終わりだ。思えば、子供の頃は、年末大晦日から正月三が日に掛けてはワクワクしたものだった。これと云った娯楽の無かった時代、年末年始は非日常的な特別な時間だった。その感動はだんだん薄れて、60回以上も年越しをしてくると、感動は後悔へと変わって行く。大したことも出来ずに一年が終わってしまう罪悪感のようなものもあれば、年老いていく不安感のようなものもある。前を見ていれば良かった若かりし頃から、年と共に歩んだ人生を振り返るようになる。それが年をとるということだろうし、それだけの道程を歩いてきたことになる。そうして人間も丸くなっていくが、決して悪いことではあるまい。

さて、今年はと云うと、世の中はコロナに明け暮れた記憶に残る年だった。コロナを言い訳にしたくはなるが、またしても馬齢を重ねてしまったという後悔の念は否めない。そういう後ろめたさが在るだけマシだと、訳の分からぬ自己弁護が頭を過る2020年の年末だ。


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  1. 2020/12/28(月) 00:00:00|
  2. 小海線
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季節は廻る

晩秋の日に最後の彩が映える
次に待ち受けるのは厳しい冬だ

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2019年11月 小海線

このところ緑系の写真が続いてしまったので、ここらで色味の違うものを並べておこう。紅葉の季節を前に、台風14号は列島を狙い撃ちかと思いきや、何を思ったのか、また太平洋上に戻っていった。昨年のようなことにならなくて本当に良かった。コロナに加えて九州では大雨水害を被り、これで関東が台風で水浸しになったりすれば、容赦のない弱り目に祟り目だった。そのコロナは収まるでもなく、不気味に社会の中で燻っている。GO TO何とかで、人の動きが出てきた割には、不思議と何とかなっている。この何とも不安定な均衡状態が、コロナと生きる時代というものなのか。それでも、人の行動性向を少なからず変えてしまったことは確かで、その経済的な影響が多くの失業者を生んでいる。新たなコロナ共棲社会に落ち着くまでには、まだまだ時間が掛かるだろうし、経済問題が深刻化するのはこれからだろう。その荒波に日本の財政が持ち堪えられるかが最大の問題だ。ふと、イソップ寓話の「アリとキリギリス」が頭に浮かんだ。夏を遊んで暮らしたキリギリスは、冬になってアリに食べ物を乞うが、アリに断られてキリギリスは死んでしまう。その後、尾ひれがついた話も出回るが、洋の東西を問わず、童話の原話は恐ろしいほど現実思考のシリアスなものだ。瀕死のキリギリスに、どこかのアリが食べ物を恵んでくれればいいのだが。


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  1. 2020/10/11(日) 00:00:00|
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収穫の秋

白菜の収穫準備は万端に整った
ただ作業の人手が少々覚束ない

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2020年9月 小海線

猛暑で明けた今年の9月だが、月末は冬を思わせるような寒い朝となった。最寄りの山梨県大泉の最低気温は6.0℃まで下がった。小海線続きのお隣の長野県野辺山では何と-0.3℃まで急降下し、夏と冬が同居するような一日となった。余りに空が青いので、長野県の川上村に行ってみたが、高原野菜の収穫の真っ最中で、無数の大型トラクターが村内を駆け回っていた。この時期の出荷のメインは白菜で、平地よりも一足も二足も早くから収穫できる地の利がある。一方、高原野菜の代表格のレタスは、冷涼な気候を好むものの霜害などの低温障害を起こしやすく、今年の収穫は概ね終わっている。新型コロナの影響で、東南アジアからの出稼ぎ者、いや農業研修生の来日が儘ならなくなっているので、どうも収穫作業が捗っていないようだ。代わりに日本人のアルバイトを募集しているが時給は1000円程度。さて、東南アジアの方々にはどのくらいの賃金が払われているのだろうか。こういうまやかしの制度はどう考えてもよろしくない。東南アジアの国々と末永くお付き合いするつもりなら、もう少し真面目に考えた方がいい。


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  1. 2020/10/01(木) 00:00:00|
  2. 小海線
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プロフィール

こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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