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駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

小海線と八ヶ岳

小海線と八ヶ岳とは長い付き合いになった
列車を待つ時間には様々な思い出が過る

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2019年11月 小海線

学生時代に八ヶ岳によく登った。春、夏、冬の休みにしか、北アルプスや南アルプスの高嶺を踏むことは出来なかった。週休1日の時代に何とか手が届いたのが、夜行日帰り圏の八ヶ岳や谷川岳だった。八ヶ岳には小海線の最終列車をよく利用した。土曜の晩に、甲斐小泉、甲斐大泉、清里、野辺山といった登山口の駅に向かい、夜明までに稜線に達するという強行軍だ。そこで夜明けから昼前くらいまで撮影して下山を開始する。その日のうちに、何とか普通列車で東京に戻ることが出来た。

しかし、そんな夜間登山が出来るのは、しっかりとした登山道がある真教寺尾根や県界尾根などの尾根筋となる。写真左のちょっとした岩場がある天狗尾根や、その向こうの八ヶ岳きっての悪沢といわれる権現沢などへは、取っ付きで夜明けを待つ。鉄道写真の場合は、天候に拘らず撮り続けることにしているが、山岳写真ではそうはいかない。常に天候悪化に備えて逃げ道を考えておかなければならない。誤った判断は即生命の危険につながるので、常に五感を研ぎ澄ませておく必要もある。

そんな時代の小海線の各駅は鄙びた木造駅舎ばかりだった。甲斐小泉も今のようなオオムラサキをかたどった独創的な駅舎ではなく、風情のある木造駅舎だった。高原のポニーは去っていたが、2エンジンの国鉄色のキハ52やキハ58が急勾配に喘いでいた。偶に、奮発して、といっても300円だったと思うが、急行券を買って165系のアルプスに乗ることもあった。C56の野菜列車を追いかけた時代、八ヶ岳登山の時代、そして今につながるが、何とも八ヶ岳と小海線にはご縁があるというものだ。


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  1. 2019/12/09(月) 00:00:00|
  2. 小海線
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八ヶ岳 晩秋

夕空に八ヶ岳の晩秋の稜線が浮かぶ
高原野菜の一年が終わろうとしていた

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2019年11月 小海線

2019年もそろそろ年末が見えて来た。八ヶ岳の高原野菜の畑も一年の作業を終えようとしている。寒くなったり暖かくなったり大雨が降ったりと、今年もおかしな陽気が続いているが、八ヶ岳連峰の稜線もようやく白くなり始め冬本番が近い。畑ではマルチが剥がされ、季節に追われるように、来る年のための土作りが行われている。大地が凍てつき出せば、来春までこの高原は静寂に包まれる。ちょうど紅葉も終わろうとしているこの時期の日暮れ時の色彩は、ミレーの「晩鐘」を連想させる。鮮やかさを失った地味なトーンの風景は、かえって祈りを誘うような厳かな眺めだ。


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  1. 2019/11/25(月) 00:00:00|
  2. 小海線
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千曲川橋梁の秋

台風豪雨でこの橋梁も危なかった
そんな千曲川にも錦秋の秋が訪れた

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2019年11月 小海線

先日の台風19号の大雨では、長野県の千曲川では大規模な氾濫が起きてしまった。北陸新幹線の車両基地の水没はニュースで大きく取り上げられた。小海線には7つの千曲川橋梁が存在する。支流を含めるとさらにその数は増える。千曲川の流れは、埼玉県・山梨県・長野県の県境に位置する奥秩父山塊の甲武信ヶ岳に始まるが、今回の豪雨では、その長野県と埼玉県・群馬県の県境周辺の山塊で記録的な雨量となった。

小海線沿線の上流部では大きな氾濫とはならなかったが、至る所で護岸が崩れ危機一髪の状況ではあった。幸いにも小海線の千曲川橋梁は全て無事だったが、支流の滑川橋梁は一時不通に追い込まれた。小海線は復旧したが、八高線、水郡線、吾妻線は今もって不通が続いている。水郡線の久慈川第六橋梁の状況は、只見線の只見川橋梁群の惨事を連想させる痛ましいものだ。復旧にはそれなりの時間が掛かるだろう。

これだけの大雨が降るようになると、何処にいても不安は拭えないだろう。こあらまの住む集落でも土石流の危険のため避難準備をしていた。何時しか集落が地図から消える日が来るかもしれない。

そんな千曲川橋梁にも錦秋の秋が訪れた。こちらも温暖化の影響か、紅葉は例年より2週間以上は遅れた。美しく染め上がったカラマツ林の傍では、何台もの復旧工事の大型重機が唸りを上げている。


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こちらは千曲川最上流の川上村の道路橋になる。小海線撮影のためによく渡る橋だ。橋桁が沈み込んでご覧の状態だ。道路橋は自らの重量で流れに耐えているようだ。周辺には何本かの橋があるので、少し遠回りすることで済んではいる。ニュースには流れない、こんな被害があちこちに見られる。


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  1. 2019/11/21(木) 00:00:00|
  2. 小海線
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霜月

良くしたもので霜月に入ると初霜となる
高原野菜の畑も霜ですっかり茶色になった

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2017年11月 小海線

例年であれば、11月に入れば初霜が降りて、一気に枯野となるはずだが、今年はどうも様子が違う。朝晩大分冷え込むようにはなってきたが、日中の気温は平年値をかなり上回り、初霜はまだ観測されていない。そのため、野原にはまだまだ緑が残っているし、落葉松もやっと黄色くなり出したばかりだ。台風などの度重なる大雨の影響なのか、紅葉はどうも精彩がなく、大して色付かずに散り始めた。今年は天候に泣かされ一年だった。さて、この先はどんな冬になるのだろうか。このところ雪の少ない冬が続いている。大雪に備えて強化した除雪道具も出番がなく、物置の肥やしになっている。それでも冬の寒さは相変わらずだ。11月に入り早速薪の準備をした。あとは霜が来るのを待つばかりだ。


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  1. 2019/11/05(火) 00:00:00|
  2. 小海線
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小海線近況

ローカル線の最大の敵は天災だ
小海線も災害による一部運休が続く

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2019年10月 小海線

先日の台風19号の豪雨は、関東甲信越を中心に甚大な水害を引き起こし、鉄道も深刻な被害を被った。28日にやっと中央本線が完全復旧し、山梨・長野に特急「あずさ」が戻って来た。「あずさ」の走らない中央本線がこんなにも寂しいもかと思い知らされた。小海線についても、被災箇所が複数に及び全面運休に追い込まれたが、滑津川橋梁が渡れるようになり小諸-中込間が復旧した。現時点の運休は野辺山-小海間に狭まったが、海尻-松原湖間の千曲川の瀬戸で道床が流失する事態になっている。28日のJR東の発表では11月1日の全通の計画と云う。11月9日からは、小海線の「HIGH RAIL 1375」、飯山線の「おいこっと」、大糸線の「リゾートビューふるさと」がそれぞれ運転を再開するそうだ。

写真は現在の小海線の災害時暫定ダイヤだ。近頃の閑散ローカル線の時刻表を連想する。朝夕に各2往復、昼間に申し訳程度の1往復の計5往復。現在のJR東の限界ダイヤとも云える5往復だ。もし、小海線が観光路線でなかったら、盲腸線になってしまったら、こんなダイヤになってしまうのかと身震いした。決して小さな災害ではなかったが、小海線も飯山線も復旧の運びとなってよかった。


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被災した時に小淵沢寄りに来ていたのは、このキハ111/112固定の1編成で、小淵沢-野辺山間を往復している。塒の中込には帰れないので、小淵沢で臨時の給油を受けているのだろうか。16:27発が野辺山に向かうが、明らかに何時もよりも乗客は少ない。調度山並みに日が沈んだばかりで、空が焼けるのはこの30~40分後になる。冬を待つばかりの刈田と相まって、大カーブを往く列車も寂しげに見えるのは気のせいだろうか。


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このところ、ここでは酒蔵「七賢」の山梨銘醸の契約米を栽培していることが多いが、今年は稲架木が現れた。多分自家米を天日干ししているのだろう。台風災害で品薄になっているブルーシートが少々味気ないが、時流なので致し方ない。よく見ると支柱も鉄管のようだ。


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返しの17:31も狙ってみたが、こちらは夕焼けは終わってしまっている。おまけに10分遅れで現れたので露出は限界だ。この時間帯の10分は致命的だ。暫定ダイヤを見てみると、野辺山での折り返しの時間はたったの2分だ。これでは遅れが出て当然だ。こんな時に文句を言うもんじゃない。走っていることだけでも良しとしなくては。

毎年、災害がどんどん甚大化していくのだろうか。近頃のローカル線の最大の敵は天災だ。町の存続すら危なくなってくるような洪水が頻発するようでは、ローカル鉄道云々どころではないのだが。


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  1. 2019/10/30(水) 00:00:00|
  2. 小海線
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プロフィール

こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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