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駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

夏の黒煙

南国九州の明るい日差しが眩しい
ハチロクの黒い煙が盛夏を伝える

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1971年7月 松浦線 江迎

2020年の長い梅雨がやっと明けたが、今度は連日の猛暑が続いている。長雨と新型コロナの感染拡大で、すっかりお宅生活が板についてしまって、気が付けば早くも「ハチロクの日」だ。今年のハチロクは松浦線の第一江迎川橋梁を選んでみた。49年前の九州の夏も暑かったが、当時は熱中症の認知度は低く、日射病がよく使われていた。より暑さが厳しくなったということだろう。眩しい南国の日差しを浴びてハチロクの黒煙が夏を思わせる。それでも江迎川を渡る風は爽やかだったことを覚えている。

2017年に、この場所を46年ぶりに訪れてみた。国鉄松浦線は三セクの松浦鉄道西九州線になり、江迎駅は鹿町江迎駅に改称されていた。以前、ここの駅の今昔の記事をお送りしたことがあるが、今回は第一江迎川橋梁の今昔となる。橋梁は保線通路等が整備されているが、本体は昔のままだ。しかし、背景は一変している。昔は鹿町側には住宅は殆どなかったが、今は住宅地化している。白い尖塔の建物は市営シーサイド鹿町と云う賃貸住宅になる。駅周辺がこれだけ開けても、駅利用者は減少の一途だ

8月6日は「原爆の日」でもある。今年で75回目となる。アメリカ世論は原爆投下の正当性を圧倒的に支持してきたが、最近の若者は不当とする割合が次第に増えてきているという。そして、核兵器は必要ないという考えが大多数になっている。不毛の戦いとなったベトナム戦争の悍ましい記憶が大きく作用しているのだろうが、日本が発信し続けている原爆の悲惨さと世界平和のアピールが実を結んでいるのかもしれない。世界平和は人類共通の普遍的なテーマでありながら、先の見えない難問でもある。

戦争の悲惨さをアピールするだけでは戦争は無くならない。何故なら、戦争を画策する人間は、決して戦場には行かないからだ。戦争で馬鹿を見るのは、何時だって一般ピープルと決まっている。それも若者だ。つまり、時の指導者が変な気を起こさないように常に監視する必要がある。先日、時の政権党から「敵基地攻撃」に関する提言がなされた。「ミサイル攻撃」の提言で、首相は速やかに実行する旨の会見を行った。もし、これが国民の総意に依らないものなら、原爆の日なんかやってる場合じゃない。


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2017年4月 松浦鉄道 西九州線 鹿町江迎


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  1. 2020/08/06(木) 00:00:00|
  2. 松浦線
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江迎駅今昔

ハチロクが行き交った江迎は鹿町にあった
駅名が改称されたのはいいが草が伸び放題だ

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2017年4月 松浦鉄道西九州線 江迎鹿町

国鉄時代にこの駅を訪れたことのある方々には、ここの駅名は江迎と記憶されているはずだ。しかし、現在そんなことを言うと鹿町町民に怒られてしまうかもしれない。江迎湾に繋がる江迎川が江迎町と鹿町の境になっている。並行する国道204号線と同じように、鉄道も江迎川を渡らず、江迎の中心地を抜けていれば、江迎町の江迎駅になっていたはずだ。用地の関係と思われるが、駅が対岸になってしまい、鹿町にある江迎駅というややこしいことになってしまった。ちなみに、両町は平成の大合併でともに2010年に佐賀市に編入合併している。

たとえ鹿町にあろうとも、勢力の優勢な江迎の中心地へのアクセスのための駅だったので、開業以来駅名はずっと江迎で通されて来た。時代の移ろいで、徐々に鉄道利用客が減少し、とうとう駅から徒歩10分の鹿町にある在校生450名ほどの長崎県立鹿町工業高校の専用駅のようになってしまった。300人弱の1日乗車人員の殆どはその高校生が占め、昼間の乗降客は極僅かだ。1988年の第三セクター化の際に、無人化されるとともに、駅名が江迎鹿町に改称されている。どうせなら、鹿町工業高校前とでもした方が、より的を得ていたかもしれない。

上の写真が現在の松浦鉄道西九州線の江迎鹿町、下が48年前の国鉄時代の江迎だ。昔の写真の写りが劣悪なのをお詫びしたい。向かって左側に駅舎があり、その前が江迎川で、深江大橋を渡れば江迎町になる。つまり、駅は江迎に向いている。構内中央の特徴的な島式ホームとその屋根は幸いにも変わらずだ。ただ、その両脇に在った側線は破断され、駅舎の一部も取り壊された。勿論、貨物はとうに廃止され、ハチロクはパンダ顔のMR-600形に入れ替わった。そして、一番の違いは構内の草だ。哀しいかな、それだけ鉄道が衰退したということだ。


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1971年7月 松浦線 江迎


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  1. 2019/05/09(木) 00:00:00|
  2. 松浦線
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桜の日に 浦ノ崎

既に散っているはずの桜が見頃を迎えていた
多くの写真愛好家に見送られて桜の名所を後にする

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2017年4月 松浦鉄道 西九州線 浦ノ崎

日本人は本当に桜が好きだ。桜に集まるのが好きな方も大勢いる。人混みは苦手なので、今回の旅では桜は終わっているはずだった。ところが、開花直前になって寒い日が続き、開花予報を欺いて見頃が一週間ばかり遅くなってしまった。お蔭で、各地で花見を楽しむことが出来たが、桜の名所はどこも賑わっており、嘉例川などでは撮影どころではなかった。桜に出会えて良かったのか悪かったのか、なかなか複雑なところだ。

ここ松浦鉄道の浦ノ崎は、かなり有名な桜の名所だ。地元の桜の保存会が手入れをしているので、咲きっぷりも見事だ。そもそも予定にはなかった駅だが、この桜を目にして素通りというわけにはいくまい。平日だというのにホームでは10人以上の鉄道ファンやら写真愛好者やらがアングル探しに余念がない。幸いにもこの位置から狙う者は他には無く、暫し望遠で満開の桜と動き回るアングル探しの方々をとくと鑑賞することが出来た。


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2017年4月 松浦鉄道 西九州線 吉井


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  1. 2017/05/07(日) 00:30:00|
  2. 松浦線
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ハチロクの日

一世を風靡したハチロクも、数少ないローカル線だけとなった
松浦線は温暖で穏やかな路線で、花輪線とは対照的だった

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1971年7月 松浦線 江迎

昨年、この界隈で「キューロクの日」が制定されましたが、ハチロクが可哀そうですから、こちらもアップしておきましょう。何せ45年も前の天然色ですから、細かいことは言わないでくださいね。8月6日は、広島原爆忌・広島平和記念日ですから、国内で派手な行事が行われることはありませんが、今年は土曜のため花火大会は数多く行われるようです。ちなみに、「ハムの日」なんていうのもあるんですね。そうそう、トヨタ・AE86型のイベントが行われることも。「豆粒汽車ぽっぽ の日」じゃないですか。私は不人気のTE71でしたけどね。キューロクの日が楽しみです。


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  1. 2016/08/06(土) 00:00:00|
  2. 松浦線
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少年とハチロク

ある夏の日の、西九州の小さな漁村の駅での入替作業。
機関車好きの子が、じっとハチロクを眺めていた。

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1971年7月 松浦線 江迎

この駅での貨物の入れ替えは結構な作業となる。真夏の日差しに照らされて、ハチロクが黒煙を棚引かせて、構内を何往復もして、列車を組成していく。

この松浦線江迎駅は、江迎湾に注ぐ江迎川の河口付近にあり、ご覧の通り、冷蔵車で海産物の積み出しがなされていた。現在この駅は、松浦鉄道西九州線の江迎鹿町駅となっている。

構内の隅から望遠レンズで入れ替え作業を眺めていると、小学生と思われる少年がファインダー内に現れた。半ズボンにランニングシャツ、野球帽。この時代の少年の夏の正装だ。何処に行くにもこの格好だった筈だ。近所の子なのだろう。ハチロクが交換作業をするのを知っているのか、枕木の廃材の柵に座って、一人で静かに、ハチロクを眺めていた。

ふと、ファインダーから目を離した隙に、夏の日の陽炎のように、この少年は消えていた。この子は今でも鉄道好きだろうか。


おしらせ 大木茂さんの 「モノクロームの残照」 が更新されました。冩眞帳に「筑豊本線 C55、D60」が掲載されました。「北辺の機関車たち」で見た雪と氷の世界のC55とは違った、炭鉱地帯ならではの世界が広がっています。写真数が多いので、鑑賞には時間に余裕をもって。

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  1. 2015/05/02(土) 00:52:15|
  2. 松浦線
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プロフィール

こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

著作権について

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