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駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

夏の終わりの白煙

8月も月末で早くも秋の気配だ
夏の終わりの白煙がやって来た

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1974年8月 室蘭本線 栗山

8月も最終日になり、この年の夏の北海道の旅もそろそろ終わりが近付いていた。この時は、蒸気撮影は程々に風景写真ばかりを撮っていた。知られた線路端は、何処へ行っても人集りで、無名の場所をほっつき歩いていた。それでも、北海道を去る前に、早朝に鉄分の多い室蘭本線を訪ねている。さすがに、夏休みぎりぎりまで粘る同胞は少なく、ひとりでゆっくり出来たことを覚えている。この後札幌に移動し、「らいでん2号・いぶり」で倶知安に向かい、道内最後の撮影を行っている。そして、「宗谷」で函館、十和田丸で青森、「八甲田」で一ノ関、「もりおか2号」で9月1日の20:34に上野に着いている。自宅には山手線と西武線でその1時間後くらいだろうか。こうしてこあらまの46年前の夏は終わった。翌朝の月曜日にはペダルを漕いで学校へと向かった。

何の変哲もないD51重連の客レだが、朝日を浴びて白煙でやって来た。この時、北海道の朝は早くも秋の気配に包まれていた。何の面白みもない在り来たりの怠慢な構図だが、何となく北海道の空気感が蘇ってくるようで、こあらま的には案外気に入っている。


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  1. 2020/08/26(水) 00:00:00|
  2. 室蘭本線
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夏の思い出

観光客が涼を求めて大沼の水辺に集う
北の大地の短い夏が足早に過ぎて行く

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2016年7月 函館本線 大沼公園

お盆のこの頃、例年であれば、思い思いの旅があったはずだ。故郷への帰省を楽しみにしていた家族はどうしただろう。都会の雑踏から解放されて、大自然を満喫しようと考えていた方々も沢山居られよう。日本を離れて、異国情緒に浸ることが出来るのもこの時期ならではだ。それらがみんな、コロナ禍で狂わされてしまった。しかし、夏の思い出は、すぐ目の前の足元にだって転がっている。我が家の前のお宅では、炎天下にも拘わらず、汗だくになって、親子で職人顔負けの本格的なDIYに挑戦している。旅に出られないことをぶつぶつ言っていても始まらない。何時もとは違うお盆休みを見つけることだ。そうは言っても、旅好きなこあらまにとっても、旅の思い出は掛け替えのないものだ。その楽しみは、もう少し先まで、大切にとっておこう。


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  1. 2020/08/12(水) 00:00:00|
  2. 室蘭本線
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青空が戻る日まで

夏の日が傾き流れる雲に紅が差した
遊楽部山塊を背に北斗が北へと急ぐ

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2016年7月 室蘭本線 静狩

一体何時まで、このじめじめした梅雨が続くのだろうか。毎日のように、ゲリラ的に大雨が降り、日本の何処かで災害が起きている。鉄道ももう何線もで不通になっている。こあらまの畑はと言えば、もう荒れ放題になってしまった。長雨と日照不足で、葉野菜も実野菜も大不作になっている。折しも、ジャガイモの収穫期だが芋が腐っていないか心配なところだ。程度の違いこそあれ、プロの農家も状況は一緒で、野菜の値段が急騰し、家計を直撃している。

一方、新型コロナの方は、これだけの高温と湿気にも拘わらず、日本でも感染拡大が再燃している。どうやら、インフルエンザのようには行かないようだ。もう夜の街だの東京圏だのを悪者にしている場合ではない。今度は経済優先で、感染拡大に呼応するように、某幹事長の選挙対策とも噂される観光業向けのキャンペーンが本当に始まった。アメリカのような状態になってしまったら、果たして生真面目な日本人の精神状態がどうなるのか危惧される。

天候も世相も憂鬱な毎日で、夏の爽やかな北海道の大きな青空が恋しくなる。ところが、その北海道でも今年はおかしなことになっている。帯広では記録的な日照時間の少なさで、今後様々な影響が出てきそうだ。一早くコロナを抑え込んだとされる北海道だが、こちらも相変わらず燻り続けている。おまけに、感染者への誹謗・中傷も表面化している。もう、日本中が苦難の時代に突入したということだ。苦しい時代を明るく過ごす器量が求められている。


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  1. 2020/07/23(木) 00:00:00|
  2. 室蘭本線
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苫小牧の大煙突

ランドマークの大煙突から白煙が流れる
幹線貨物機の屯う機関区との共演だった

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1973年3月 室蘭本線 苫小牧

今月13日に上梓した現役蒸気の記事「製紙工場のある駅」に、高辻烏丸さんからコラボを頂いだ。角度が大きく異なるが、同じ跨線橋からのC57客レのショットで、調度2年後の1975年3月の撮影になる。現役蒸気の団塊世代は、数年の違いはあるが、この頃、大学受験という難題とも向き合わなければならなかった。思う存分撮りに行けないストレスと戦う日々でもあった。晴れて大学生になった時には、蒸気は消えていたという面々も多いのではないだろうか。大学受験を後回しにした、強者がいたかどうかは分からない。

苫小牧でコラボ頂いたので、もう一枚苫小牧をアップしてみたい。苫小牧駅の室蘭側のホームの端になる。王子製紙苫小牧工場の大煙突が目の前に威圧感をもって聳える。右手に広がるのが苫小牧機関区になるが、所属機は日高本線関係と入換用が中心で、気動車の姿も見える。室蘭線のD51は、主に鷲別、追分、岩見沢第一の各機関区に配属され、苫小牧はその休憩場所になっていた。向かい合わせの手前のD51766は、かつての名機関区の鷲別の罐だ。向こうのはカマボコドームの戦時型のD511085で岩見沢第一になる。

苫小牧は太平洋岸の勇払原野にある。日本海側の石狩平野からは遮る高い山脈がなく、比較的なだらかな馬追の丘陵地帯が広がっている。そのため、風の強い場所として知られ、蒸気撮影の場合、風向きを見誤るとひどい目にあった。高辻さんのC57もこあらまのC57も、強い海風に大きく煽られている。風の状態を知るには、やはり王子製紙の大煙突だった。1980年の室蘭-沼ノ端間の電化で、苫小牧にも架線が張り巡らされたが、当時の駅構内の空はこんなにも大きく、只々製紙工場の白煙が勢いよく流れていくのみだった。


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  1. 2020/03/27(金) 00:00:00|
  2. 室蘭本線
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製紙工場のある駅

この駅は製紙工場と共に長きを歩んできた
大煙突との記念撮影で北の大地の旅が始まる

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1973年3月 室蘭本線 苫小牧

北海道を鉄道で旅したことのある方なら、この駅の名前は直ぐに出てくるだろう。駅に隣接する製紙工場の大煙突から吐き出される白煙は、この地のランドマーク的な存在だ。この駅が北海道炭礦鉄道によって開設されたのが1892年。国有化され官営鉄道となったのが1906年。王子製紙苫小牧工場が操業を開始したのが1910年。以来110年にわたって、苫小牧駅と王子製紙は共に歩んできた。官営鉄道は国鉄、JR北海道と名を変えていった。製紙工場の方も離合を繰り返し、王子製紙工業苫小牧工場や新王子製紙苫小牧工場という名の時代もあったが、現在は創業時の名称に戻っている。新聞用紙の生産が主であり、主要施設が経済産業省の「近代化産業遺産」に指定されている。

室蘭線の岩見沢行きの普通客レが、C57144に牽かれて沼ノ端に向け苫小牧を出発した。追い風が強く、煙の方が先にやって来た。危ないところだった。本線を走っているはずだが、何故か線路脇には給水、給炭設備があり、線路にはアッシュピットまである。線路は間違いなく駅ホームから続いているから不思議な本線だ。機関区はホームの右向こうで、大煙突の前辺りにある。写真左手には貨物用のホームが見える。今は、貨物駅は分離されて苫小牧貨物駅の名で沼ノ端寄りにある。この日は北海道初日で、上野からの長旅を終えて、高揚した気分で苫小牧のホームに降り立った。冷たい空気に触れて北の大地に立ったことを実感する。これから始まる蒸気三昧に胸が躍ったものだ。


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  1. 2020/03/13(金) 00:00:00|
  2. 室蘭本線
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プロフィール

こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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