FC2ブログ

駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

静狩雨情

礼文華の山並みが雨に煙る
彼方から前照灯の光が近づく

70018530.jpg
2018年10月 室蘭本線 静狩

数日のロケなら天候を選べるが、長期のロケでは天気は風任せだ。どんな天候であっても、一喜一憂することなく淡々と撮り続けることにしている。一年に四季があるように、晴れる日もあれば雨の日だってある。その一つ一つが日本の情景を紡ぎ出している。全てを一期一会の出会いと思って受け入れることにしている。とは言っても、やはり雨は曲者だ。人間は長靴と合羽と傘があれば用が足りるが、問題はカメラだ。色々な小道具を作ってカメラを雨から守っている。特に苦慮するのがレンズに付いた雨粒だ。ワイパー付きのフィルターか何かが欲しいところだ。苦心の甲斐なく、しょっちゅうカメラもレンズも濡らしているが、これまでトラブルは経験していない。雨の日には、主に簡易防塵防水のボディーとレンズを使っているが、それなりに機能している。高い金を出して買ったのだから濡らさないではなくて、雨の日にも使うために高い金を出している。もちろん機材は丁寧には扱ってはいるが、使い倒してこそ浮かばれるというものだ。

すっきり晴れたピカピカの編成写真が常道の静狩ストレートだが、雨の日の情景も悪くない。そう、何度となく通った長万部界隈の雨降りの原野はこんなイメージだ。スーパー北斗は礼文華の難所を越えて、長万部に滑り降りてきた。目指す函館までは100km程、80分と少々の旅路だ。


スポンサーサイト



テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2019/07/24(水) 00:00:00|
  2. 室蘭本線
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

ポプラ 北海道の原風景

ポプラは葉のさやめきを意味する
北の大地に煌めきの季節が訪れた

80006145.jpg
2016年7月 室蘭本線 北船岡

今回の「ポプラ」は、広島市に本社を置くコンビニエンスストアのことではなく樹木の方だ。北海道らしい樹木といえば、多くの方がハルニレやポプラを思い浮かべることだろう。このポプラは英語で、双子葉植物綱キントラノオ目ヤナギ科ヤマナラシ属ドロノキ類に分類される植物の呼称だが、日本ではヤマナラシ類も含めてドロノキ、ヤマナラシ、クロヤマナラシの3種のポプラ属が自生する。話はややこしく、日本で一般に「ポプラ」と呼ばれているのは外来種の方だ。

北海道でよく見るポプラは、ヨーロッパ原産の「ヨーロッパクロポプラ」で、明治中期に移入されている。写真の大木がそのポプラだが、少々ずんぐりした樹形の印象だ。しかし、北大のポプラ並木や美瑛の丘のケンメリの木は、もっとスリムにすっくと天に伸びている。細かく言えば、こちらは「ヨーロッパクロポプラ」の亜種である「セイヨウハコヤナギ」という樹種で、別名「イタリアンクロポプラ」とも呼ばれる。イタリアを中心とした南欧地方に見られる地域種になる。

ポプラは成長は早いものの寿命は案外短く、数十年から百年くらいとされる。ヨーロッパ種だけあって台風の強風には弱く、洞爺丸台風では北大ポプラ並木も大きな被害を受けている。1903年に植えられたそのポプラ並木も既に寿命を迎えており、2000年には北大創基125周年記念事業の一環として「平成ポプラ並木」が植樹されている。そんな訳で、北海道開拓の百年の歴史がイメージされるポプラの木々だが、次の百年を代表する樹種になるかは甚だ微妙なところだ。


テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2019/07/08(月) 00:00:00|
  2. 室蘭本線
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

鮮魚列車が往く

鮮魚列車には白い冷蔵車が連なる
スピードが命の列車に機関士の腕が鳴る

08521F16.jpg
1974年8月 室蘭本線 栗山

国鉄時代には、鮮魚輸送のための白い冷蔵車が存在した。勿論、冷凍機が備え付けられているわけではなく、単なる断熱構造があるだけの貨車で、冷却は荷に仕込まれた氷に頼らざるを得なかった。それでも、九州や北海道から、生の魚介類が輸送可能になったのは、当時としては革新的なことだった。日本の主だった漁港から、大消費地の東京や大阪に向けて、盛んに鮮魚専用列車が運行されていた。その生命線はとにかく早く目的地に着くことで、時間との戦いだった。氷の効き目は精々翌日中までで、のんびり走っている場合ではなかった。そのため、室蘭線を往く鮮魚列車でも、調子のいいデゴイチが宛がわれ、腕利きの機関士が乗務していた。道東の根室や釧路、網走、道北の稚内から、停車駅もそこそこに青函連絡船の待つ函館へとひたすら走り続けた。しかし、そんな時代は長くは続かなかった。道路網の整備が進むと、あっと言う間に鮮魚輸送はトラックへと移っていった。かくして、白い冷蔵車は1両もJRへは引き継がれず、国鉄の鮮魚貨物専用列車はその役目を終えた。


テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2019/06/02(日) 00:00:00|
  2. 室蘭本線
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

ナメクジ栗山発進

客レの前位に半流D51が連結された
ナメクジ好きには堪えられないシーンだ

04134F16.jpg
1973年3月 室蘭本線 栗山

当時の室蘭本線は、九州の筑豊本線と並ぶ蒸気列車の稠密路線だった。機関車の遣り繰りのための回送は、多くで定期列車で行われていた。この線区では、重連や変則三重連をよく目にした。旅客列車も例外ではなく、C57の前位にD51が付くことがあった。この時も、待避線で休んでいたD51が連結され重連となった。塒の岩見沢第一への帰路だろう。蒸気列車では、回送と云えども、ぶら下がりで休むことは許されない。きっちり、本務機とタッグを組むことになる。リズムの異なる二つのブラストを響かせての、堂々たる栗山発進となった。

折角のC57の客レだ。前にD51が付いたのでは、普通なら悲しむべき事態だが、この時はデゴイチといってもナメクジだ。ナメクジ好きのこあらまとしては、結構感動的なシーンだ。ナメクジの客レはそうそうは拝めない。煙突前の横置きの給水温メ器がなく、煙室前面にアールが付いた顔付は、標準形のデゴイチとは別形式のようだ。シールドビームの副灯とテンダーの春闘スローガンが少々気になるが、切り詰めデフとスノープラウの北海道形のナメクジもなかなか凛々しいものだ。ちなみに、奥の軌道は夕張鉄道だ。この2年後に廃止になった。

例によって線路内での撮影だが、当時は当たり前の立ち位置だった。2両の罐も、連動するかのようにドレインをサービスしてくれた。今のJR北海道なら、すぐさまパトカーが駆けつけて連行されていることだろう。線路内への立ち入りは、時代的に無理なのは分るが、ファンを敵視するようになったのは、如何なる心境からだろうか。この時代、蒸気ファンは国鉄の大切なお客様だった。本社からもファンに便宜を図るよう通達されていたとか。蒸気も無くなり、鉄道事業者との関係も悪くなった。ナメクジばかりでなく、国鉄との蜜月時代も懐かしい。


テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2019/01/11(金) 00:00:00|
  2. 室蘭本線
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2

勇払原野を渡る風

空のセキを連ねて岩見沢第一のD51が現れた
空荷とはいえ半端ではない長さに、黒煙が原野に流れる

Z01308.jpg
1973年3月 室蘭本線 沼ノ端

線路が3線で左カーブしているので、沼ノ端を出て直ぐのところのはずだ。線路は向こうから千歳線の下り線、室蘭線の下り線、室蘭線の上り線となる。千歳線の上り線は、立ち位置の後ろを走っているが、植苗で下り線と別れて室蘭線とオーバークロスして、沼ノ端直前で再び合流する。昨年、沼ノ端に行ってみたが、線路配置は写真の時代とは何ら変わりはない。違うのは千歳線が電化されていることだが、非電化の室蘭線のレールが錆びていることにも気付く。石炭輸送の大動脈だった室蘭線だが、炭鉱の閉山で沼ノ端・岩見沢間は過疎路線に転落してしまった。赤錆が浮くレールはその証だ。岩見沢や追分のD51が長いセキを引いていたのは、遠い過去物語となってしまった。

現役蒸気時代には多くのファンがこの沼ノ端に降り立ったが、その最大の理由は単に列車本数が多いことだった。峠や絶景が在るわけでもなし、広がるのは勇払原野の果てしのない湿地帯だけだ。遮るもののない長いストレートに、次々と現れる罐を愛でるのが目的なら話しは別だが、その広漠たる原野をどうやって撮るかに腐心すことになる。本数が多いだけに、色々と試すことが出来たが、習作が積み上がるばかりだ。コンテナや冷蔵、石炭の貨物、C57の客レ、千歳線には82系の特急も往復して、車輌的には賑やかではあったが、やはり写真的には的を絞り難い場所だった。そんな習作の中から汽車と煙だけの1枚を。何となく勇払に吹く風が思い出されたので上梓してみた。


テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2017/12/07(木) 00:00:00|
  2. 室蘭本線
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
次のページ

プロフィール

こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

著作権について

拙ブログに掲載する写真、記事に関する著作権は放棄しておりませんので、無断使用、転載等はお控えください。

なお、拙ブログへのリンクは自由です。

最新記事

最新コメント

カテゴリ

小海線 (160)
飯山線 (39)
宗谷本線 (34)
天北線 (4)
興浜北線 (2)
名寄本線 (1)
深名線 (2)
石北本線 (12)
渚滑線 (2)
湧網線 (2)
相生線 (4)
釧網本線 (10)
根室本線 (19)
太平洋石炭販売輸送臨港線 (1)
池北線 (1)
士幌線 (1)
広尾線 (2)
富良野線 (6)
留萌本線 (10)
札沼線 (5)
函館本線 (54)
室蘭本線 (13)
千歳線 (1)
石勝線 (1)
夕張線 (3)
夕張鉄道 (1)
日高本線 (4)
江差線 (11)
函館市電 (2)
大湊線 (9)
津軽線 (1)
津軽鉄道 (3)
五能線 (16)
八戸線 (8)
弘南鉄道 (1)
花輪線 (2)
三陸鉄道 (4)
釜石線 (8)
北上線 (9)
男鹿線 (3)
秋田内陸縦貫鉄道 (5)
由利高原鉄道 (2)
石巻線 (3)
仙石線 (1)
陸羽東線 (2)
陸羽西線 (3)
長井線 (2)
米坂線 (8)
羽越本線 (6)
磐越東線 (1)
磐越西線 (4)
日中線 (3)
只見線 (67)
真岡鐡道 (15)
東北本線 (1)
上越本線 (3)
しなの鉄道 (1)
総武本線 (1)
中央東線 (10)
東海道本線 (2)
東海道新幹線 (1)
横須賀線 (1)
八高線 (16)
秩父鉄道 (10)
東京都電車 (5)
西武鉄道 (2)
小田急電鉄 (2)
江ノ島電鉄 (12)
箱根登山鉄道 (4)
御殿場線 (2)
岳南電車 (6)
中央西線 (2)
明知鉄道 (1)
名古屋鉄道 (1)
樽見鉄道 (1)
関西本線 (3)
小浜線 (2)
宮津線 (3)
山陰本線 (37)
播但線 (3)
姫新線 (5)
若桜鉄道 (2)
因美線 (3)
津山線 (2)
芸備線 (10)
木次線 (7)
福塩線 (1)
境線 (1)
一畑電車 (1)
三江線 (5)
山口線 (7)
鹿児島本線 (2)
日豊本線 (21)
筑豊本線 (10)
日田彦山線 (5)
伊田線 (2)
後藤寺線 (2)
田川線 (2)
唐津線 (4)
松浦線 (4)
佐世保線 (1)
大村線 (3)
長崎本線 (2)
島原鉄道 (1)
久大本線 (6)
宮原線 (1)
豊肥本線 (4)
高森線 (3)
肥薩線 (24)
くま川鉄道 (2)
吉都線 (1)
日南線 (3)
宮之城線 (2)
指宿枕崎線 (4)
鉄道展示館 (1)
写真集・書籍 (4)
鉄道模型 (1)
ご挨拶 (0)
はじめまして (3)
未分類 (0)
海外 (1)
山田線 (1)

月別アーカイブ

最新トラックバック

リンク

写真に写った方々へ

鉄道は人を運び、人に見送られ、人に支えられています。時として人が主役になります。

撮影の際には、なるべくご了解を頂くようにはしておりますが、そうできない場合もあります。写った方々と見る方々が不快に思われないようなものに限っていますが、ご本人やそのご関係者の方で、掲載に不都合がある場合には、メールでご連絡ください。 また、登場する鉄道員の方をご存知でしたら、差し支えがなければご紹介ください。

こあらまへのメール

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム

ご来場者累計

RSSリンクの表示

QRコード

QR