駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

篠目の春

畔が緑に覆われる頃、田圃に水が張られる
この駅を見守る給水塔が、早春の柔らかい光に包まれる

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2016年4月 山口線 篠目

かつては峠越えの蒸気のオアシスだった篠目だが、残されたのが給水塔だけというのも、何か物足りないような、寂しいような眺めだ。

★只今、予約更新で写真を主とした短文記事でお送りしています。


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  1. 2017/04/03(月) 00:30:00|
  2. 山口線
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渡川の眺め

ぽつりぽつりと雨が落ち出し、集落が霞の中に沈んでゆく
3年前に大暴れした阿武川は、普段は静かな川面の緩やかな流れだ

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2016年4月 山口線 渡川

気が付けば復活蒸気がご無沙汰なので、ここらで一つアップしておこう。今年は本当に久し振りにSLやまぐち号に再会した。何といっても山口県というのは、我が家では北海道よりも遥かに遠いところで、なかなか出向く機会がない。やっと辿り着いたものの、天気は下り坂で視界があまり良くないが、ここでの後追いなら一人で楽しめるだろうと賭けをしてみた。煙が暴れれば全ては木阿弥なので、風向には注意していたつもりだったが、この半切り通し内の風が読めなかった。辛うじてC57は煙幕を脱したが、客車はご覧の通りだ。どうせ大した煙など出さないだろうと高をくくっていた天罰だった。


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  1. 2016/10/20(木) 00:30:00|
  2. 山口線
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汽車を待つ 篠目

蒸気の気配がする鄙びた駅に、朝の汽車を待つ人の姿があった
気動車は峠を目指してゆっくりと走り去り、また山間の小集落に静けさが戻った

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写真 2016年4月 山口線 篠目

昔、伊勢正三の作ったフォークソングに「なごり雪」というのがあった。その歌詞は「♪汽車を待つ君の横で・・・」と始まる。やって来るのが、電車であっても、気動車であっても、どんな機関車であっても、この歌詞は「汽車」でなければならない。「汽車」という言葉は、物の実態ではなく、いつしか列車の総称となった。現役の蒸気の客レなどとうに消えてしまった。もう決して現れることはない。それでも、ローカル線の長閑なホームで待つのは、いつの日も「汽車」で在り続ける。

篠目は、現役蒸気の時代に峠越えの休息場所だったため、今でも蒸気の気配を感じられる駅だ。青春18きっぷのポスターにも登場している。色灯式の出発信号機の傍には腕木式の信号機も残されているが、面白いことにどちらも出発を指示している。ご多聞に漏れず、この地も過疎化が進み、乗車人員は一桁台まで減っている。やまぐち号が連れてくる蒸気ファンや観光客の方がはるかに多いだろう。

長閑な篠目のホームに、上りの山口方面行きの広島色のキハ47が静かに滑り込んだ。何人かの汽車待ちの方がホームにおられる。何時の日も、駅のホームには人の出会いや別れがある。時として、旅立つ方の人生の節目の一幕となったりもする。この方々のこの日がいい一日になることを、そしていい旅立ちになることを、レンズ越しに細やかながら祈ろう。


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  1. 2016/05/10(火) 01:35:24|
  2. 山口線
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長門峡の朝

山霧が漂う早朝の街道をキハが足早に登ってきた
まもなく蒸気ファンがやまぐち号を求めて詰めかけるはずだ

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2016年4月 山口線 長門峡

ここでちょっと山陰線を中断して山口線を覗いてみよう。現役蒸気時代に一度だけ訪れたことのある路線だ。現役末期は津和野のD51の路線だったが、SL全廃3年半後の1979年にC571で復活蒸気の運行を開始している。復活蒸気ファンの皆さんのテリトリーなので、多くの秀作が発表されている。今回は広く浅くの旅なので、篠目、長門峡、徳佐辺りがどうなったかを見届けて、さらっと通り過ぎることにした。次回は、蒸気の走らない津和野-益田間なども探ってみたい。

この日はやまぐち号の運転日だが、C57が長門峡にやって来るのは正午で、蒸気ファンの活動にはまだ早い。早朝にキハにカメラを向けているのは小生ぐらいのものだ。視界の良い晴天の朝だったが、列車が現れる時間になり山霧が降りて来た。お蔭で霧に滲む前照灯を撮ることが出来たが、この直後、辺りがホワイトアウト状態になり、危ないところだった。霧は直ぐに晴れて、新緑のきれいな朝の山間風景に戻った。何時だって気まぐれな天気には冷や冷やさせられるものだ。

名勝「長門峡」は、山口線の長門峡駅から山間に少し分け入ったところにあり、12km程の阿武川の渓谷を指す。駅から谷間の遊歩道を辿って行くと、渓谷の中程に長門峡温泉がある。温泉で新緑でも愛でながらゆっくり湯にでもつかり、やまぐち号を撮るのもいいかもしれないが、撮影貧乏性の身にはその日は遠いかもしれない。鉄道写真は思いのほか忙しいものだ。灯や朝夕のゴールデンタイムを捨てるつもりなら、のんびりできるかもしれないが、精神衛生上それは無理な話だ。


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  1. 2016/05/08(日) 00:30:08|
  2. 山口線
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給水塔の現役時代

この給水塔は、蒸気の復活運転で残されたのかもしれない。
93歳のレンガ塔は、現役だった頃と同じように、今も蒸気送り迎えしている。

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1972年7月 山口線 篠目

今では、この給水塔が山口線篠目駅のものだと、誰もが直に判る。SL「やまぐち」号の運行で、一躍有名な鉄道遺構となった。多くの方々が、長閑な土地柄に立つレンガ造りの給水塔を絡めて、C571号機を撮影されている。竣工は1922年で、山口線が開通した1923年(大正12年)の前年だ。現93歳ということになる。仁保-篠目間の仁保地峠を越えてきた罐のために、この給水設備は設けられた。レンガ作りの美しい姿のためか、やまぐち号を引き立てるオブジェとしてなのか、取り壊されることなく遺産化した。

さて、停車しているのは、C571号機でも、C56160号機でもない。山口線管理所津和野運転支所の長野工場式デフのD51405だ。このレンガ塔から給水を受けている。給水塔にとっても現役時代だ。山口線管理所津和野運転支所は、通称で津和野機関区と呼ばれ、区名札は「山」だった。転車台、扇形機関庫、給炭・給水設備等の蒸気運行設備一式を有し、一見すればコンパクトな機関区といったところだ。小郡機関区とこの設備が、SL「やまぐち」号が、この路線で運行されるようになった理由のひとつだ。過去配属された戦後の主力蒸気は、勾配区間が多いためD60とD51で、C57の投入実績はない。トンネルも多数存在していたる為、集煙装置が装備されていた。そういった点では、この線区にC57を走らせるには無理があるのかもしれない。

当時山口線は、蒸気本数も少なく、D51のみであったため、そう人気の高い路線ではなかった。風景重視なら山陰線、本数や煙ならば美祢線あたりが良かった。小生は、この日の午前中は秋芳洞を見物していた。中国ワイド周遊券には国鉄バス路線の秋芳洞が入っており、追加料金なしで行けた。連日の炎天下の撮影に疲れたのか、半日鍾乳洞の中で涼んでいた。午後は山口線篠目での撮影に充てたが、山陰線のネガの中に紛れ込んで、つい最近まで撮影したことを失念していた。気がついたのは、やはりこの給水塔からだ。

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  1. 2015/03/16(月) 02:37:25|
  2. 山口線
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プロフィール

こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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