FC2ブログ

駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

日暮山秋景

月見橋を列車と遊覧船が交差する
日本の美しい鉄道風景のの一つだ

80012198.jpg
2017年10月 函館本線 大沼公園

今年の紅葉は台風の塩害のため、どうもパッとしない。今年もこの頂に登ったが、そんな訳で写真は昨年のものから選んだ。手前が小沼、向こうが大沼で、その間を函館本線が走っており、月見橋と呼ばれる赤い橋梁が架かっている。その小沼側の岸辺には、白鳥台セバットという白鳥の観察ポイントもある。特急、貨物と長い編成の列車が多い場所だが、抜けのある月見橋は1両とちょっと分のスペースしかない。自ずと狙い目は、この風景の中で目立つ北海道色のヨンマル単行の普通列車になる。

この眺めは、ご存知の標高303mの日暮山の展望台からのものだ。青春18きっぷのポスターにも登場した鉄道俯瞰の大場所だが、本来は大沼の観光スポットの一つだ。もともとは、「小沼山」とも、持主の名前に因んで「笠原山」とも呼ばれていたらしいが、今は「日暮山(ひぐらしやま)」で通っている。時間を忘れ景色に見とれていると日暮れになってしまうそうだ。

この一帯もヒグマの生息域なのか、今年の北海道入りの直前の9月26日に、この展望台付近でヒグマの目撃情報があり、一時登山道が通行止めとなった。ヒグマを心配してばかりいては、北海道での撮影は儘ならない。余程の山奥でもない限り、そう簡単に遭遇するものではないが、最低限、クマ除けの鈴くらいは携帯しよう。あとは出会わないことを祈る他ない。

もう一つの野生動物の危険は、自動車運転中のエゾシカとの衝突となる。こちらは、確率がグッと高くなる。こあらまも渓流釣りの帰りの夕暮れ時に雌を轢いたことがあるが、幸いにも事なきを得た。平均的な車の修理費用は40万円程で保険があるが、それも命があっての物種だ。宵の口が特に危険な時間帯となるので、見通しの利かないカーブなどでは注意したい。


スポンサーサイト

テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2018/11/11(日) 00:00:00|
  2. 函館本線
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

暁の貨物街道

道南のランドマークの駒ケ岳が朝焼けの空に浮かんだ
秋の早朝の冷たく湿った空気を長距離貨物が切り裂く

80011513.jpg
2017年10月 函館本線 大沼

函館本線の大沼は、夜半から早朝に掛けて、貨物列車街道となる。日付が変わる午前0時を過ぎると、札幌貨物ターミナル行きの下り貨物が相次いで通過する。深夜2時からは、今度は上り貨物のラッシュとなる。先陣を切るのは、日本列島を走り抜ける98レ福岡貨物ターミナル行きだ。続けて、隅田川、宇都宮、名古屋、吹田と、内地の貨物ターミナルに向けてDF200 Red Bear の暁の奮闘が続く。

大沼の東の空が色付き出したころ、静寂の水面を通してDFのエンジン音が聞こえてくる。大阪の百済貨物ターミナル行きの8062レが姿を現し、貨物列車のラッシュが終わる。夜が明ければ、旅客列車が主役の時間帯へと移って行く。この後20分もすれば、ヨンマルの上下の始発列車がこの辺りで擦れ違う。さらに10分後には、1Dスーパー北斗1号札幌行きが通過して、いよいよ旅客列車が始動する。

こあらまは、現役蒸気の時代から人知れず働く貨物列車のファンだ。一般貨物の時代には、荷に合わせて多種多様な貨車が存在した。貨物を見れば、その地の産業構造を窺い知ることができた。石炭列車や鮮魚列車、そうそう野菜列車もあった。荷が、何所から何所へ運ばれていくのかを想像するのも楽しかった。重量級の本線貨物が後補機を従えて峠を越えていく様は、蒸気時代の醍醐味の一つだった。

そして今。やっぱり貨物が好きだ。在来線から長距離列車が次々と姿を消し、今や長距離列車といえば貨物列車だ。荷姿はコンテナに規格化されてしまい、かつてのような多彩な貨車を楽しむことは出来ないが、各地のご当地コンテナや企業コンテナを編成の中に探す楽しみもある。何より、遥か彼方を目指す長距離列車には、たとえ終着が貨物ターミナルであっても、やはり旅への思いを感じるものだ。


テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2018/08/19(日) 00:00:00|
  2. 函館本線
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:8

大沼公園 盛夏の候

爽やかな夏の北海道にも温暖化が迫る
北のヨンマルと青葉のコントラストが涼しげだ

80005367.jpg
2016年7月 函館本線 大沼公園

いよいよ日本列島が湿った暖気に飲み込まれ始めた。関東以西は大変な猛暑に襲われている。西日本の被災地のご苦労は、筆舌に尽くし難いものだろう。こんな時に、都会で大停電が起きたら、人々の生活は一体どうなってしまうのだろうか。何時も、考える度にぞっとする。

現代の都会の日本人は、一年中空調に守られて生きている。何時の間にか、自然の気候と調和して生きることを放棄してしまった。そして、その心地よさの代償で、気候そのものが人の生存を脅かすまでになってしまった。今や、葦簀と風鈴と団扇で、暑さを凌げるレベルではない。汗をかきながら西瓜を食べたのが、遥か昔のようだ。

その悪循環がますます早まり、毎年各地で激しい気象現象の記録を塗り替えている。その度に、血と涙と汗が流される。人が最後の一人になるまで、そのサイクルに終止符が打たれることはないのだろうか。


テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2018/07/16(月) 00:00:00|
  2. 函館本線
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

駒ヶ岳を背に

春浅き駒ヶ岳を背に巨漢デゴニが軽やかに発進する
例によって引くのは各停の荷物郵便車付きの客レだ

04705F16.jpg
1973年3月 函館本線 大沼

昔の写真を整理していて、一番のお困りごとは撮影した日時と場所の特定だ。現役蒸気の頃は、撮影データなど記録していなかった。一応それなりに記帳していたのは、どの列車に乗り、どこで下車したかくらいだ。その記録をもとに、当時のダイヤグラムや時刻表を手元に、ネガを時系列的に見ていけば、日時も場所も列車番号もほぼ判別できる。ただ、車窓から撮ったものや停車中に撮ったもの、下車駅が連続したりした場合には、その特定が覚束なくなる。その時は、写真に写ったものの中からヒントになるようなものを探したり、ウェブで地形や過去の駅構造を調べることになる。

ここ大沼のように確たるランドマークがある駅は有難い。同じような景観と構内線路配置を持つ駅に森がある。大沼では仁山経由と藤代線が合わさり、駒ヶ岳廻りと佐原廻りが分かれてゆく。一方、森ではその駒ヶ岳と佐原からの単線の両線が合わさって、複線区間へと導かれる。そのため、大沼と森は共に多くの渡線を持つ複雑な構内線路配置を持っている。おまけにホームの配置や跨線橋までもよく似ている。しかし、ランドマークの駒ヶ岳の表情は大きく異なる。何より、大沼の駒ヶ岳は左、森では右に見える。決定打は、やはり大沼駅構内にある27.0キロポストということになる。

その後は、ポジフィルムとブローニー判に限って、日時と場所に加えて、レンズやシャッタースピード、絞りといった撮影データを記録するようになったが、スナップ的なものは、やはり五里霧中に陥ったりする。今ではデジタル化でデータは自動的に付帯ファイルに記録されるようになった。そこに、後日、撮影場所と列車番号などを、簡単に書き込むことにしている。後からしっかりその時を思い出すためには、撮影時の時刻表を保存しておくことと、きっちりデジカメの時計合わせをしておくことだ。日本の鉄道は極めて時間に正確だ。撮影時刻とダイヤがあれば、多くで場所の特定は容易だ。


テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2018/02/24(土) 00:00:00|
  2. 函館本線
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2

駒ヶ岳の学び舎

駒ヶ岳を仰ぎ見る学び舎が夕日に染まった
現代の貨物列車が力強くサミットを越えて往く

70016034.jpg
2017年10月 函館本線 駒ヶ岳

ここ駒ヶ岳を訪れたのは、駅のすぐそばにある森町立駒ヶ岳小学校の学び舎を観賞するためだ。以前から、この駒ヶ岳を仰ぎ見る木造校舎の佇まいが気に入っている。1883年に宿野辺小学校として開校し、町史には新改築の記載はないが、さすがに築134年は如何なものだろうか。長らく駒ヶ岳中学校が同居していたが森中学校に統合され、今ここに通うのは小学生だけになっている。現在、森町の小学校は森、さわら、駒ヶ岳、石倉、鷲ノ木、尾白内、濁川の7校、中学校は森、佐原の2校、高校は道立森の1校となっている。学校のある場所と廃校になった処を調べることで、その自治体の人口分布と推移が概ね分かるというものだ。隣の赤井川の小中学校は既に廃校になっている。反対隣の姫川の小学校も消えてしまった。つまり、駒ヶ岳西麓の扇状地に残された学校は、この駒ヶ岳小学校ひとつだけということになる。

この駒ヶ岳駅が開業したのは1903年のことで、さすがは本線筋の駅だけあって既に114年の歴史を刻んできた。同時期に赤井川駅も設置されている。この辺りは駒ヶ岳の噴火による堆積物によって形づくられた丘陵地帯であるため、水稲の栽培には向かず、入植者は主に畑作や牧畜で生計を立ててきた。広大な畑の中に農家が点在するが、どうやら通学の児童たちの多くは、国道沿いに新たに開けた農家ではない集落の子供たちのようだ。古い木造校舎の眺めは郷愁を呼び起こすものだが、裏を返せば、先がないので手が入れられなかったとも考えられる。次回来た時には、この建物は学び舎ではなくなっているかもしれない。近隣には移住者を呼び込むための分譲地も開発され、温泉施設などもある土地柄なので、流行りものの工房などになっているかもしれない。何れにしても、壊すにはあまりにも惜しい木造校舎だ。

さて、現在、駒ヶ岳から森までの13.0kmには駅は存在しない。この春までは東山、姫川の2駅があったが、ともに廃止されている。この2駅の出発点はどちらも信号場で、姫川と森の間には、かつて森川信号場というのまで存在していた。現在も列車運行上、姫川は信号場として機能しており、駒ヶ岳、赤井川の交換設備も健在だ。勾配区間の最中にあった東山と森川の二つの信号場は、蒸気機関車のためのスイッチバックの加速線を有していた。今は棒線化されているが、その遺構を僅かながら偲ぶことができる。太平洋戦争末期の函館本線は、道内炭を内地に送りだす使命を負っていた。その石炭列車の大増発に対応すべく、時同じくして多くの信号場が増設されたが、終戦と佐原線の開通によって、それらの信号場の多くが役目を終えている。また何時か函館本線に信号場の増設が必要となる日が来ることを期待しよう。


70016022.jpg


70016025.jpg


テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2017/11/17(金) 00:00:00|
  2. 函館本線
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
次のページ

プロフィール

こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

著作権について

拙ブログに掲載する写真、記事に関する著作権は放棄しておりませんので、無断使用、転載等はお控えください。

なお、拙ブログへのリンクは自由です。

最新記事

最新コメント

カテゴリ

小海線 (138)
飯山線 (29)
宗谷本線 (24)
天北線 (2)
興浜北線 (2)
深名線 (2)
石北本線 (10)
渚滑線 (2)
湧網線 (2)
相生線 (3)
釧網本線 (7)
根室本線 (8)
池北線 (1)
士幌線 (1)
広尾線 (2)
富良野線 (5)
留萌本線 (9)
札沼線 (3)
函館本線 (44)
室蘭本線 (9)
千歳線 (1)
石勝線 (1)
夕張線 (3)
日高本線 (4)
江差線 (11)
函館市電 (1)
大湊線 (8)
津軽線 (1)
津軽鉄道 (3)
五能線 (16)
八戸線 (8)
花輪線 (2)
三陸鉄道 (3)
釜石線 (8)
北上線 (5)
男鹿線 (3)
秋田内陸縦貫鉄道 (5)
由利高原鉄道 (2)
陸羽東線 (1)
陸羽西線 (3)
長井線 (2)
米坂線 (7)
羽越本線 (5)
磐越西線 (4)
日中線 (4)
只見線 (59)
真岡鐡道 (14)
東北本線 (1)
上越本線 (3)
しなの鉄道 (1)
総武本線 (1)
中央東線 (9)
東海道本線 (2)
八高線 (11)
秩父鉄道 (8)
東京都電車 (4)
西武鉄道 (2)
小田急電鉄 (2)
江ノ島電鉄 (11)
箱根登山鉄道 (3)
御殿場線 (2)
岳南電車 (6)
中央西線 (2)
関西本線 (3)
小浜線 (1)
宮津線 (1)
山陰本線 (34)
播但線 (2)
姫新線 (4)
若桜鉄道 (1)
因美線 (3)
津山線 (1)
芸備線 (8)
木次線 (4)
福塩線 (1)
境線 (1)
一畑電車 (1)
三江線 (4)
山口線 (5)
鹿児島本線 (2)
日豊本線 (16)
筑豊本線 (9)
日田彦山線 (4)
伊田線 (2)
後藤寺線 (2)
田川線 (2)
唐津線 (3)
松浦線 (3)
佐世保線 (1)
大村線 (2)
長崎本線 (2)
島原鉄道 (1)
久大本線 (6)
豊肥本線 (4)
高森線 (2)
肥薩線 (21)
くま川鉄道 (2)
吉都線 (1)
日南線 (3)
宮之城線 (1)
指宿枕崎線 (3)
鉄道展示館 (1)
写真集・書籍 (4)
鉄道模型 (1)
ご挨拶 (0)
はじめまして (3)
未分類 (0)
太平洋石炭販売輸送臨港線 (1)
石巻線 (1)

月別アーカイブ

最新トラックバック

リンク

写真に写った方々へ

鉄道は人を運び、人に見送られ、人に支えられています。時として人が主役になります。

撮影の際には、なるべくご了解を頂くようにはしておりますが、そうできない場合もあります。写った方々と見る方々が不快に思われないようなものに限っていますが、ご本人やそのご関係者の方で、掲載に不都合がある場合には、メールでご連絡ください。 また、登場する鉄道員の方をご存知でしたら、差し支えがなければご紹介ください。

こあらまへのメール

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム

ご来場者累計

RSSリンクの表示

QRコード

QR