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駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

北四線踏切

山線を往く車両は変わっていくが
羊蹄の雄大さには何の変りもない

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2018年10月 函館本線 倶知安

この踏切が有名になったのは、復活C623の「C62ニセコ号」の時代だ。それ以前の現役蒸気の時代には、それほど脚光を浴びる場所ではなかった。その理由の一つに、下りのC62重連の103レ「ニセコ3号」の通過時間が遅過ぎたせいもあったのだろう。1970年1月の時刻表を覗いてみると、103レの倶知安発は18:26、小沢発は18:42とある。現代のデジタル一眼の感度をもってすれば、夏場であれば逢魔時の色付く羊蹄山をバックに、倶知安峠に向けて猛ダッシュするジェット音の巨体を捉えることも出来ただろうが、銀塩時代には到底叶わないことだった。精々倶知安駅の場内灯の下で慌ただしく繰り広げられた火床整理、そして吹雪の中の怒涛の発進を、スローシャッターでフィルムに焼き付けるのが通例だった。

そんなかつての超有名スポットも、今では殆ど人気のない静かな踏切に戻っている。その昔、線路際まで畑だったように記憶しているが、大分農地が後退して視界が狭まったような気がする。それでも羊蹄の姿が見られる際には、ついつい引き込まれてしまう場所だ。山の表情は千差万別で、撮り尽くすことはない。ただし、今や存続すら覚束ないローカル線化した山線だけに、列車が少ないのが最大のネックだ。この日も、ピッカピカなら通過していただろうが、少々雲の湧き出しが気になったので、国道から吸い込まれてしまった。この場所に立つと、なんだかんだと様々な思い出が蘇る。再びここでC62を待つことはもうないだろうが、その残像に導かれて、これからもこの場所に通うことになるような気がする。


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  1. 2019/10/24(木) 00:00:00|
  2. 函館本線
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駅舎の灯 函館 16時56分

市電に夕方のラッシュが訪れる頃
函館山山頂に夜景見学の時間が迫る

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2018年10月 函館本線 函館

このモダンな5代目函館駅舎は、北海道新幹線の乗り入れに備えて、函館市の50億円の財政支援によって2003年に使用開始された。デザインはJR北海道と提携先であるデンマーク国鉄とのコラボよるものだ。しかし、立派な駅舎が出来上がり、新幹線の受け入れ準備が出来たかと思いきや、結局ここには新幹線はやって来なかった。札幌との距離が優先され、新駅は北斗市の畑の中に造られた。駅名は、函館市と北斗市の攻防戦の上、新函館北斗という継ぎ接ぎだらけの美しくない駅名で落着となった。地元の駆け引きを他所に、北海道新幹線は低迷を続けている。2030年に予定されている札幌延伸に漕ぎつけても、業績不振が解消されなかったら、一体誰が責任をとるのだろうか。


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駅舎の正面入口の上には巨大な北海道新幹線の看板が見える。その広告に起用されたのが、今や大リーガーとなった当時の日本ハムファイターズの大谷翔平選手だ。思うに、ファイターズは本拠地を東京から札幌に移して本当に良かったと思う。東京の後楽園ドームでは、常にジャイアンツの裏チームのようだった。ご存知の通り、札幌に移ってからというもの道民の声援を受けて人気度は急上昇だ。


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こちらは駅前から見た函館山になる。そろそろ夜景の時間が近づき、駅前からも函館山の展望台に向かう路線バスが引っ切り無しに出ていく。手前のすぐそこに見えるのが有名な函館朝市であるが、あまりに観光化し過ぎてしまったので、地元民がここで買い物することは珍しくなった。


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代わって、こちらは函館市電の函館駅前停留場だ。こちらも洒落たデザインの停留場で、2015年には「グッドデザイン賞」を受賞している。夕方のラッシュ時間を迎えており、昼間の観光電車の趣とは違った表情を見せている。停車しているのは低床式の「らっくる号」だ。


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その昔、駅の通路が津軽海峡を渡る連絡船の桟橋に繋がっていたころ、この駅は北の玄関口だった。多くの優等列車の始発がここ函館で、連絡船に合わせて道内各地とを結ぶ特急や急行が設定されていた。北海道新幹線の開業で、再び玄関口の威厳を取り戻そうとしたが、そう上手くは行かなかった。最近では、名物のイカが不漁な上に、韓国人旅行客の激減により、特に観光関連業は辛いところだ。しかし、振るわない点を論っているだけでは始まらない。是非とも過去の栄華に縛られない、未来志向の函館であって欲しい。


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  1. 2019/10/16(水) 00:00:00|
  2. 函館本線
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棒線化の線形

ポイントを外しただけの線形
かつての交換駅の確かな痕跡だ

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2018年10月 函館本線 比羅夫

こんな線形の駅が増えてしまった。現在の山線しか知らない方々には信じられないだろうが、半世紀前の現役蒸気の時代には、ここ比羅夫でも日に何度も列車交換が行われていた。優等列車が行き交っていたので交換設備もそれなりの長さがあった。相対式ホームに退避用の中線を有する2面3線に、貨物用の引込み線とホームまで在った。そんな比羅夫も1985年に現在の棒線となった。駅が在るだけまだマシだろうか。廃駅を探し出す時に、この線形が手掛かりになることがあるから悲しい。

正午過ぎに、104レ急行ニセコ1号がC62重連に牽かれて倶知安を出発する。怒涛の加速が終わり、最高速度に達して間もなくすると比羅夫の通過となる。駅向こうの林から、絶気の薄煙の巨漢が姿を現す。C62のジェット音とスハの軽快なジョイント音とともに、身をくねらせてニセコ1号が通過していく。過ぎ去った時のちょっとした心地良い脱力感と微かに漂う石炭の臭いが蘇る。妄想とも思い出ともつかないそんな光景が瞼に浮かぶ。線形は変わっても、今も変わらぬ比羅夫の佇まいだ。


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  1. 2019/10/10(木) 00:00:00|
  2. 函館本線
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雨の離合

そぼ降る雨の中、ヨンマルが離合する
特急と貨物を掻い潜って普通列車が往く

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2018年10月 函館本線 大沼

以前、タモリのブラ歩きテレビ番組を発端に、「離合」が九州・山口の方言であることが話題になったことがあるようだ。「車の離合」として使われ、狭い道をやっとのことで車が擦れ違うことを云うそうだ。「離合」は、そもそも鉄道用語のようで、こあらまを含めてその道の関係者には馴染みがあるので、言葉そのものには別段違和感はない。逆に、車社会では九州・山口でしか使われていなかったことに奇異を感じるほどだ。この二文字単語は、「離合集散」という四文字熟語が分離してしまったという説もあるが、そういう観点からすれば「離合」のニュアンスが少々変化してしまっているようだ。

さて、鉄道界の「離合」についてだが、単線区間で列車が擦れ違うことを「交換」または「離合」と呼ぶが、「離合」については、複線区間の上下線で列車が擦れ違うことに限定するとする解釈もある。どれが正しいかは皆目見当がつかないが、最大公約数的には列車の擦れ違いということだろう。ところで、写真の状態はどう呼ぶのだろうか。仁山経由の上り普通列車と藤代線経由の下り普通列車の邂逅であるが、単線でしょうか、複線でしょうか。ここから先の線形のことを考えるとさらに話は複雑に。まあ、細かいことは置いといて、複線的な2本の線路上で擦れ違っているので、「離合」ということで。


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  1. 2019/08/23(金) 00:00:00|
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山崎 夏

不思議と寄ってみたい駅がある
噴火湾沿いのこの駅もその一つだ

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2016年7月 函館本線 山崎

どうしてなのか上手く説明できないが、思わず通り掛かりに寄ってしまう駅がある。この函館本線の山崎もそんな駅の一つだ。八雲の町の片隅の海岸線に位置し、駅傍の海岸には漁業を糧にしていると思われる小さな集落がある。駅横には人家はなくホームから噴火湾を眺めることが出来る。寂れてはいるが、1904年開業で115年の歴史を持つ。駅の近くにある八雲町立山崎小学校も113年の沿革があるが、今年は生徒数が6年生の2人のみで、来年入学者がいなければどうなるのだろうか。


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この駅の魅力は開放感にあるようにも思う。ホームに立てば、遮るもののない視界が広がる。遠くからやって来る列車が眺められるし、海辺の光景も悪くない。といっても、それは季節が良い晴れた日の話だ。冬の荒れた日の山崎にも降り立ったこともあるが、吹きっ晒しのそれはそれは荒涼とした風景だった。駅舎の屋根に載っている風速計とその脇の植木の樹形が冬の厳しさの証だ。その駅舎だが、1987年に改築された二代目になる。サイディングとアルミサッシの新建材の味気ない造りだが、木造と云えば木造だ。


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山崎に停車する普通列車は上下6本ずつになる。人口からして多いか少ないか微妙なところだが、1日乗降人員は一桁で列車の本数より少ない。しかしながら、特急と貨物の通過列車はそれなりにやって来る。場内踏切の警報機が無人の駅に響く様は、少々哀れを感じるところだ。


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ここにも北海道名物の「ホーロー駅名板」がある。JR北海道では、国鉄標準書体の「スミ丸ゴシック」の柱用駅名票が今も継承されている。セットになるのは、こちらも定番のサッポロビールだ。地元産をこよなく愛する道民のビールといえばこれしかない。このホーローの並びは国鉄時代を思い出させる逸品だ。


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  1. 2019/08/11(日) 00:00:00|
  2. 函館本線
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プロフィール

こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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