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駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

凍てる夜

3月になっても旭川の夜はまだまだ深々と凍てる
国鉄形電機も時流には抗えず北の大地を去った

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1975年3月 函館本線 旭川

午前0時を過ぎ、旭川の夜は深々と冷え込んできた。宗谷本線の撮影を終えて、幌延から314D急行礼文で4時間掛けて23:02に夜中の旭川に着いた。この日の寝床となる517レ急行大雪5号の旭川発は01:02で、ちょうど2時間の待ち時間がある。旭川は夜行列車の関係で、駅舎の灯が消えることはなかった。不夜城の暖かい待合室でうとうとしていたが、一念発起して深夜のバルブ撮影にホームに向かった。貨物ヤードで働くキューロクでも写そうかと、罐を探すが見つからない。ホーム横のちょうどいい場所に停まっていたのは赤い交流電機のED76だった。もちろん車輌的には甚だ不満だったが、手ぶらで戻るわけにはいかなかった。

当時の北海道の電化区間は函館本線の小樽-旭川間のみだった。電気機関車はED75属のED76が投入されていた。外観的には、貫通扉と下枠交差型パンタグラフが北海道仕様の特徴だ。重装備のため、全長も1m程長い。後に海峡線が開通し、専用装備機のED79が導入されている。しかし、電車化が進み、客車列車は減るばかりで、電機の肩身は狭くなるばかりだった。おまけに貨物列車は機関車の付替えが嫌われて、電化区間であってもDD51やDF200が牽くようになった。そして、海峡線は新幹線化して電圧が上げられ、既存機の走行は出来なくなった。かくして、赤い国鉄形交流電機は、北の大地から完全に去ることになった。


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  1. 2019/03/08(金) 00:00:00|
  2. 函館本線
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漂泊の道標 雪晴

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1977年3月 函館本線 銀山


吹雪が去って眩しい程の雪晴れ
木造駅舎の有人駅の在りし日の記憶



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  1. 2019/03/04(月) 00:00:00|
  2. 函館本線
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キ100形の時代

羊蹄山麓に春の兆しが見え始めた
除雪車たちのひと冬も終わりが近い

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1973年3月 函館本線 倶知安

羊蹄山麓の倶知安にも、春の日差しが感じられるようになってきた。除雪車の出番も大分少なくなり、機関区の片隅で屯していることが多くなってきた。キ100形は、国鉄初の単線用鋼製ラッセル除雪車として、1928年から176両が製造された。動力は搭載していないので、自走できない貨車の扱いになる。左右の除雪翼や前頭のプランジャーは、機関車から供給される圧縮空気で動作するため、屋根上には特徴的な6基のエアタンクが装備されている。豪雪地帯である倶知安には、ロータリー式のキ600形やキ620形、マックレー式のキ900形も配備されていた。キ100形の先に留置されているのは、その類ではないだろうか。

この撮影では大きなミスを犯してしまった。写真の右下に、何と自分の三脚が写ってしまっているではないか。どうして気付かなかったのだろうか。当時結構人気のあった、スリックのマスターEV3段で、雲台にはボードが乗っており、間違えなく自分のものだ。三脚はあまり使わなかったが、機関区などでは、薄暗い庫の中の罐を押さえるにはやはり必需品だったので、重たかったが常に持ち歩いていた。奥羽本線の旧客普通列車内に置き忘れて、後続の急行で追いかけたことなどもあったが、現在もロケハン車に積み込んでいる。特に、昔ながらの機能不足の雲台は、いささか使い辛いものがあるが、今も予備として現役を続けている。

三脚で思い出したことがある。昨秋、ある有名撮影地に出向いたが、アマチュアではちょっと手が出せない逸品の三脚が、今回の写真のように無造作に立て掛けられていた。どんな大物氏が持ち主なのかと期待していると、現れたのは何と猪井貴志さんだった。2017年のキャノンギャラリーでの「鉄景漁師」の会場でお会いしているので、見間違うはずもない。相棒だった真島満秀さんともども、スタイルのいいダンディーな方なので尚更だ。厚かましくも、声をお掛けすると、気さくに応じてくれた上に、わざわざ自ら差し入れまで買って来てくれた。長い2時間の列車待ちが、あっという間の楽しいひと時になったことは言うまでもない。


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  1. 2019/02/24(日) 00:00:00|
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稲穂峠の朝

銀山の山並みに朝日が差し込む頃、上りの始発が現れる
かつてC62重連が通った峠の道は、今も変わらぬ紅葉街道だ

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2018年10月 函館本線 銀山

今年もあと二日を残すばかりとなった。あれ程暖かだったこの冬も、急に寒さが厳しくなった。雪国からは大雪のニュースが届くようになり、暮れの帰省にも影響が出始めた。北の大地も白銀の世界に変わったことだろう。このところ、春と秋に大きなロケを仕掛けているので、春物と秋物の画がどうしても多くなってしまう。暮れも押し詰まっているというのに、紅葉でもないものだが、ここらで今年の秋色は、そろそろ終わりにしようと思うのでご勘弁を。まだまだ在庫が残っているので、続けたいのは山々だが、やはり季節感は大切だ。来秋に機会があれば、またということにしておこう。

そもそも、こういうシフトになったのは、畑作業のためだ。八ヶ岳山麓の春は遅く、ちょうど里の桜が終わった頃の、5月の連休明けくらいから外作業が始まるので、それまでが纏まったロケのシーズンだ。秋はといえば、本当は11月頃までは作業を続けたいのだが、それでは冬になってしまう。そこで、紅葉に間に合わせるため、白菜、大根、玉葱、野沢菜などは、9月中に育てられるだけ育てて、後はほったらかし。花豆、大豆、小豆なども収穫時期は遅らせることにしている。かくして、追肥も虫捕りも出来ず、小振りの虫食いだらけの白菜と野沢菜が出来上がることになってしまった。

さて、問題は冬だ。軟弱にも、冬の間はフィルムスキャンと決め込んでいた。専用スキャナーでのスキャンは、思いのほか時間が掛かる。デジカメによる複写が一番手っ取り早く、一部のツールも手作りしてあるが、ネガの場合は反転が少々厄介だ。幸いにして、coolscan も Dimage scan も Epson scan も支障なく動いているので、第1選択肢は今もスキャナーだ。国鉄時代はほぼ終えたが、JR時代は多くが原板のままだ。ビネガーシンドロームのネオパンは皆終わっているので、緊急性は薄れた。それよりも、忍び寄る体力低下の方が緊急事態だろう。何時までも冬が狙えるはずもない。


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  1. 2018/12/29(土) 00:00:00|
  2. 函館本線
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日暮山秋景

月見橋を列車と遊覧船が交差する
日本の美しい鉄道風景のの一つだ

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2017年10月 函館本線 大沼公園

今年の紅葉は台風の塩害のため、どうもパッとしない。今年もこの頂に登ったが、そんな訳で写真は昨年のものから選んだ。手前が小沼、向こうが大沼で、その間を函館本線が走っており、月見橋と呼ばれる赤い橋梁が架かっている。その小沼側の岸辺には、白鳥台セバットという白鳥の観察ポイントもある。特急、貨物と長い編成の列車が多い場所だが、抜けのある月見橋は1両とちょっと分のスペースしかない。自ずと狙い目は、この風景の中で目立つ北海道色のヨンマル単行の普通列車になる。

この眺めは、ご存知の標高303mの日暮山の展望台からのものだ。青春18きっぷのポスターにも登場した鉄道俯瞰の大場所だが、本来は大沼の観光スポットの一つだ。もともとは、「小沼山」とも、持主の名前に因んで「笠原山」とも呼ばれていたらしいが、今は「日暮山(ひぐらしやま)」で通っている。時間を忘れ景色に見とれていると日暮れになってしまうそうだ。

この一帯もヒグマの生息域なのか、今年の北海道入りの直前の9月26日に、この展望台付近でヒグマの目撃情報があり、一時登山道が通行止めとなった。ヒグマを心配してばかりいては、北海道での撮影は儘ならない。余程の山奥でもない限り、そう簡単に遭遇するものではないが、最低限、クマ除けの鈴くらいは携帯しよう。あとは出会わないことを祈る他ない。

もう一つの野生動物の危険は、自動車運転中のエゾシカとの衝突となる。こちらは、確率がグッと高くなる。こあらまも渓流釣りの帰りの夕暮れ時に雌を轢いたことがあるが、幸いにも事なきを得た。平均的な車の修理費用は40万円程で保険があるが、それも命があっての物種だ。宵の口が特に危険な時間帯となるので、見通しの利かないカーブなどでは注意したい。


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  1. 2018/11/11(日) 00:00:00|
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プロフィール

こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

著作権について

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