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駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

雨の離合

そぼ降る雨の中、ヨンマルが離合する
特急と貨物を掻い潜って普通列車が往く

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2018年10月 函館本線 大沼

以前、タモリのブラ歩きテレビ番組を発端に、「離合」が九州・山口の方言であることが話題になったことがあるようだ。「車の離合」として使われ、狭い道をやっとのことで車が擦れ違うことを云うそうだ。「離合」は、そもそも鉄道用語のようで、こあらまを含めてその道の関係者には馴染みがあるので、言葉そのものには別段違和感はない。逆に、車社会では九州・山口でしか使われていなかったことに奇異を感じるほどだ。この二文字単語は、「離合集散」という四文字熟語が分離してしまったという説もあるが、そういう観点からすれば「離合」のニュアンスが少々変化してしまっているようだ。

さて、鉄道界の「離合」についてだが、単線区間で列車が擦れ違うことを「交換」または「離合」と呼ぶが、「離合」については、複線区間の上下線で列車が擦れ違うことに限定するとする解釈もある。どれが正しいかは皆目見当がつかないが、最大公約数的には列車の擦れ違いということだろう。ところで、写真の状態はどう呼ぶのだろうか。仁山経由の上り普通列車と藤代線経由の下り普通列車の邂逅であるが、単線でしょうか、複線でしょうか。ここから先の線形のことを考えるとさらに話は複雑に。まあ、細かいことは置いといて、複線的な2本の線路上で擦れ違っているので、「離合」ということで。


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  1. 2019/08/23(金) 00:00:00|
  2. 函館本線
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山崎 夏

不思議と寄ってみたい駅がある
噴火湾沿いのこの駅もその一つだ

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2016年7月 函館本線 山崎

どうしてなのか上手く説明できないが、思わず通り掛かりに寄ってしまう駅がある。この函館本線の山崎もそんな駅の一つだ。八雲の町の片隅の海岸線に位置し、駅傍の海岸には漁業を糧にしていると思われる小さな集落がある。駅横には人家はなくホームから噴火湾を眺めることが出来る。寂れてはいるが、1904年開業で115年の歴史を持つ。駅の近くにある八雲町立山崎小学校も113年の沿革があるが、今年は生徒数が6年生の2人のみで、来年入学者がいなければどうなるのだろうか。


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この駅の魅力は開放感にあるようにも思う。ホームに立てば、遮るもののない視界が広がる。遠くからやって来る列車が眺められるし、海辺の光景も悪くない。といっても、それは季節が良い晴れた日の話だ。冬の荒れた日の山崎にも降り立ったこともあるが、吹きっ晒しのそれはそれは荒涼とした風景だった。駅舎の屋根に載っている風速計とその脇の植木の樹形が冬の厳しさの証だ。その駅舎だが、1987年に改築された二代目になる。サイディングとアルミサッシの新建材の味気ない造りだが、木造と云えば木造だ。


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山崎に停車する普通列車は上下6本ずつになる。人口からして多いか少ないか微妙なところだが、1日乗降人員は一桁で列車の本数より少ない。しかしながら、特急と貨物の通過列車はそれなりにやって来る。場内踏切の警報機が無人の駅に響く様は、少々哀れを感じるところだ。


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ここにも北海道名物の「ホーロー駅名板」がある。JR北海道では、国鉄標準書体の「スミ丸ゴシック」の柱用駅名票が今も継承されている。セットになるのは、こちらも定番のサッポロビールだ。地元産をこよなく愛する道民のビールといえばこれしかない。このホーローの並びは国鉄時代を思い出させる逸品だ。


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  1. 2019/08/11(日) 00:00:00|
  2. 函館本線
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蝦夷梅雨

蝦夷梅雨に入り駒ヶ岳の雲がとれない
それでも夏を迎えた大沼公園は爽やかだ

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2016年7月 函館本線 大沼

梅雨がないとされる北海道にも「蝦夷梅雨」という言葉がある。道南地方で夏本番を迎える前の7月中旬以降に降水量が増える現象を指す。正式な気象用語ではなく、やはり北海道では「梅雨入り」も「梅雨明け」も発表されない。本州とは降雨が多くなるメカニズムが少々異なるが、北海道独自の季節感を表す言葉になっている。ただ、「梅雨のない北海道」というイメージは、梅雨時期の観光客の呼び込みには都合がよい。確かに、今日の週間天気予報でも、九州の大雨を他所に北海道各地には晴れマークが並んでいる。晴れ間が少なく、布団が干せないでいる身としては羨ましい次第ではあるが、雨もまたよし。日本の四季を彩る雨の季節の情景を精々楽しもう。


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  1. 2019/07/06(土) 01:00:00|
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睡蓮の咲くころ

小沼に白い睡蓮の花が揺れる
青いキハは今頃白無垢なのか

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2016年7月 函館本線 大沼公園

ちょっと前に掲載した、飯山線の「蓮」という記事で、日本に自生するスイレンは、ヒツジグサただ1種のみとご説明したが、今回の写真は、大沼公園の小沼に咲くそのヒツジグサだ。紛らわしいことに、北海道にはエゾノヒツジグサやエゾベニヒツジグサと呼ばれるものがあるが、分類学上は異種として認められていない。小沼の西には絶景お立ち台の日暮山を挟んで蓴菜沼がある。もちろん蓴菜が採れることでその名がある。6月下旬ころから収穫が始まり、大沼公園の土産物屋の店先に瓶詰や袋詰めが並ぶことになる。ジュンサイはスイレンに似て葉を水面に漂わせるが、ハゴロモモ科ジュンサイ属の植物だ。花が小さく貧相で、スイレンのような優雅さはない。さらには、この地でも見られるが、黄色い花のコウホネという水生植物もあるが、こちらは水中葉と水上葉を併せ持つスイレン科コウホネ属となる。やはり、モネの描いた「睡蓮」は、日本ではスイレン科スイレン属のヒツジグサだけになる。

大沼と小沼の水路に掛かる初夏の月見橋を、「スーパー北斗」が通過して行く。全く車輛に詳しくないため少々調べてみたが、この車はどうやらキハ261系1000番台で、通称「HET車」というものらしい。基本番台が「スーパー宗谷」だ。この形式が、今後のJR北海道の都市間輸送の主軸になるそうで、旧式のキハ183系や、振子機構のキハ281系やキハ283系の「FURICO車」を更新していくようだ。この3形式は青い頭がトレードマークだが、キハ261系1000番台については、JR北海道の再起の象徴とすべく、白を基調としたエクステリアに変更され、旧塗装車も塗替えが済んだようだ。JR北海道の青い特急は皆同じかと思っていたが、さにあらず。忘備録を兼ねて整理してみた。ちなみに、現在、札幌-函館間では定期列車から「北斗」が消滅して「スーパー北斗」のみに。一方、馴染みの「スーパーあずさ」は「あずさ」に統一。どちらも由緒ある列車名だが対応の違いは何処から。ひょっとしてあの歌の影響か。


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  1. 2019/06/10(月) 00:00:00|
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凍てる夜

3月になっても旭川の夜はまだまだ深々と凍てる
国鉄形電機も時流には抗えず北の大地を去った

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1975年3月 函館本線 旭川

午前0時を過ぎ、旭川の夜は深々と冷え込んできた。宗谷本線の撮影を終えて、幌延から314D急行礼文で4時間掛けて23:02に夜中の旭川に着いた。この日の寝床となる517レ急行大雪5号の旭川発は01:02で、ちょうど2時間の待ち時間がある。旭川は夜行列車の関係で、駅舎の灯が消えることはなかった。不夜城の暖かい待合室でうとうとしていたが、一念発起して深夜のバルブ撮影にホームに向かった。貨物ヤードで働くキューロクでも写そうかと、罐を探すが見つからない。ホーム横のちょうどいい場所に停まっていたのは赤い交流電機のED76だった。もちろん車輌的には甚だ不満だったが、手ぶらで戻るわけにはいかなかった。

当時の北海道の電化区間は函館本線の小樽-旭川間のみだった。電気機関車はED75属のED76が投入されていた。外観的には、貫通扉と下枠交差型パンタグラフが北海道仕様の特徴だ。重装備のため、全長も1m程長い。後に海峡線が開通し、専用装備機のED79が導入されている。しかし、電車化が進み、客車列車は減るばかりで、電機の肩身は狭くなるばかりだった。おまけに貨物列車は機関車の付替えが嫌われて、電化区間であってもDD51やDF200が牽くようになった。そして、海峡線は新幹線化して電圧が上げられ、既存機の走行は出来なくなった。かくして、赤い国鉄形交流電機は、北の大地から完全に去ることになった。


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  1. 2019/03/08(金) 00:00:00|
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プロフィール

こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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