駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

国縫駅3番線

かつて、この国縫駅から西に路線が伸びていた
その記憶を留めるのは、今やこの3番線だけだ

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2016年7月 函館本線 国縫

かつてこの3番線には瀬棚線の列車が発着していた。この先で右に大きくカーブして今別を通り、日本海側の瀬棚へと路線が伸びていた。この国縫から2番目だったと思うが、「美利河」という駅と集落があった。「ぴりか」と読む。アイヌ語で「美しい」という意味らしい。例によって、駅名に惹かれて一度だけ行ってみたことがある。その名の通り、美しい川と背梁山脈を越える25‰の峠があったが、時間を掛けることなく直ぐに撤退している。当時、瀬棚線では長万部のC11が貨物を牽いていたが、撮影効率が悪く、何となくパッとしない、人気のない路線だったように記憶している。ここで時間を費やすより、大型機の走る本線の方が魅力的だったのだろう。

彼の急行ニセコが唯一の優等列車の停車だったが、1986年にニセコが廃止され、無人駅となった。国鉄最後の翌87年に瀬棚線が廃止され、JR北海道に引き継がれた。そんな国縫駅3番線は今も残っていた。レールの配置は変えられているが、錆びてはおらず、出発信号も点灯しているので、現在も上下線の待避線として使われているのだろう。この跨線橋は一見綺麗そうに見えるが、鉄骨木造構造の古いものだ。左手の木立に隠れているが、昔ながらの木造駅舎も残されている。駅だというのに一軒も家屋が見えないのは、集落が海辺の国道沿いにあるためだ。何となく寂しさが漂う広漠とした構内を、スーパー北斗が函館に向けて通過して行く。


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  1. 2017/04/29(土) 00:30:00|
  2. 函館本線
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スーパー北斗が往く

やはり、この車両はコーナリングが美しい
高速気動車が噴火湾を往く

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2015年5月 函館本線 落部

70年代、連絡船が函館に着くと、「おおぞら」、「北斗」、「おおとり」などのキハ82 特急が待っていた。北斗も随分と長生きの列車名だ。

★只今、予約更新で写真を主とした短文記事でお送りしています。


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  1. 2017/04/15(土) 00:30:00|
  2. 函館本線
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北の桟橋

北海道に豊穣の季節が訪れる頃、冬の足音が聞こえてくる
北の味が詰まったコンテナが、鉛色の内浦湾を一路内地へと向かう

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2016年10月 函館本線 石倉

海は空の色を映す鏡だ。北からの雪雲が流れ込んだ噴火湾は、冬の鉛色となった。
時化で人影の消えた小さな華奢な桟橋は、ウミネコたちの休憩所になっている

その日の82レは、定数オーバーなのか、岬の先から2両の赤熊に導かれて現れた。
身をくねらせながら往く、何処までも続くコンテナの長い列が、現代の貨物列車の姿だ。


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  1. 2017/01/05(木) 00:30:00|
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山線の秋 遥かなる鉄路再び

木々の夕日の陰が、徐々に二股の線路を覆ってゆく
すっかり残照が消えたころ、下り3番列車が小樽へと向かう

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2016年10月 函館本線 二股

「山線の秋」の最終回も二股で締めたい。小生はこの眺めがとても好きだ。列車を長く愛でられるからだろう。本当は長い編成の列車の方が楽しめそうだが、今となっては単行でも仕方あるまい。この直線の向こうから列車が現れるのを待つのは楽しい時間だ。北の大地の広さを感じながら、日の傾きに連れて、木々の陰が伸びてゆくのを眺めるのは、気を揉む時間帯でもある。この先には103レの有名撮影ポイントの二股川の橋梁もあり、昔も今も沈みゆく夕日に一喜一憂する場所だ。春編の際には、まだまだ日は残っていたが、11月近くになれば、夕日は山入端に消え、夜の帳が降りてくる。下りの3番列車となってしまった夕暮れ時の単行が、一路小樽へと向けてひた走る。

先日、4か月振りに台風災害による不通が続いていた石勝線・根室本線ルートが復旧し、札幌と帯広・釧路を結ぶスーパーとかち・スーパーおおぞらが運行を再開したが、その傍らで留萌線の海岸部は終焉の日を迎えた。相変わらず路線の集約化が進む北の大地だが、返済不能の山の借金を抱えてしまった日本。国も道も市町村も金がないとなれば、どうしたもんだろう。昨日も東京五輪の開催経費の分担を巡って揉めていた。保存鉄道が生れるほど、役所が柔らか頭でもなし、本当に困ったものだ。

それでも、何時かまたこの場所に立てることを切に祈って、「山線の秋」を終わりたい。


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  1. 2016/12/27(火) 00:30:00|
  2. 函館本線
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山線の秋 ニセコ アンヌプリ

そろそろ紅葉も終わり、冬の気配が忍び寄ってきた
単行のキハが、静々とニセコ連山の裾野を巡って往く

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2016年10月 函館本線 ニセコ

ニセコアンヌプリは、美しい響きの名を持つ標高1308mのニセコ連山の主峰だが、その名が登場するのは明治期のことのようだ。その語源にはいくつかの説があり、和製アイヌ語という説もある。近隣にはワイスホルンといった、アイヌ語とはまったく縁のない名の頂まであり、山々の語源については、謎多き山塊だ。標高がそれ程高くもなく、優美な独立峰もないため、連なる小峰の名前が正確に伝承されることはなかったのだろう。何はともあれ、ニセコアンヌプリは結果オーライの命名だろう。

一方、「ニセコ町」は、細川たかしの出身地である「真狩村」から独立した「狩太村」が改名したものだ。駅名も、北海道鉄道開通時には「真狩駅」であったものが、まず「狩太駅」に改正している。しかし、どうしても、もっと垢抜けた駅名が欲しい観光業者が中心となって、別のアイヌ語起源の地域名を用いた「ニセコ駅」への改称を国鉄に働きかけたが認められず、ついには改正の要件である町名改名にまで至ったという経緯がある。そんな訳で、観光地「ニセコ」の名は漢字表記されることもなく、世界的なスキーリゾート地として、海外にも広く知れ渡ることになった。地名に賭ける地元の執念の勝利だろう。



さて、いよいよ年も押し迫ってきたので、年を越してまで「山線の秋」ではないので、ここらでシリーズを端折ることにしたい。折角用意した写真なので、今回は準備していた二話分の写真のみを追加してみる。どんな記事を書こうとしていたかはご想像にお任せしたい。


[山線の秋 蘭越 跨線橋再び]


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[山線の秋 ニセコひらふ リゾートの秋日]


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  1. 2016/12/23(金) 00:30:00|
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プロフィール

こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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