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駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

稲穂峠の朝

銀山の山並みに朝日が差し込む頃、上りの始発が現れる
かつてC62重連が通った峠の道は、今も変わらぬ紅葉街道だ

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2018年10月 函館本線 銀山

今年もあと二日を残すばかりとなった。あれ程暖かだったこの冬も、急に寒さが厳しくなった。雪国からは大雪のニュースが届くようになり、暮れの帰省にも影響が出始めた。北の大地も白銀の世界に変わったことだろう。このところ、春と秋に大きなロケを仕掛けているので、春物と秋物の画がどうしても多くなってしまう。暮れも押し詰まっているというのに、紅葉でもないものだが、ここらで今年の秋色は、そろそろ終わりにしようと思うのでご勘弁を。まだまだ在庫が残っているので、続けたいのは山々だが、やはり季節感は大切だ。来秋に機会があれば、またということにしておこう。

そもそも、こういうシフトになったのは、畑作業のためだ。八ヶ岳山麓の春は遅く、ちょうど里の桜が終わった頃の、5月の連休明けくらいから外作業が始まるので、それまでが纏まったロケのシーズンだ。秋はといえば、本当は11月頃までは作業を続けたいのだが、それでは冬になってしまう。そこで、紅葉に間に合わせるため、白菜、大根、玉葱、野沢菜などは、9月中に育てられるだけ育てて、後はほったらかし。花豆、大豆、小豆なども収穫時期は遅らせることにしている。かくして、追肥も虫捕りも出来ず、小振りの虫食いだらけの白菜と野沢菜が出来上がることになってしまった。

さて、問題は冬だ。軟弱にも、冬の間はフィルムスキャンと決め込んでいた。専用スキャナーでのスキャンは、思いのほか時間が掛かる。デジカメによる複写が一番手っ取り早く、一部のツールも手作りしてあるが、ネガの場合は反転が少々厄介だ。幸いにして、coolscan も Dimage scan も Epson scan も支障なく動いているので、第1選択肢は今もスキャナーだ。国鉄時代はほぼ終えたが、JR時代は多くが原板のままだ。ビネガーシンドロームのネオパンは皆終わっているので、緊急性は薄れた。それよりも、忍び寄る体力低下の方が緊急事態だろう。何時までも冬が狙えるはずもない。


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  1. 2018/12/29(土) 00:00:00|
  2. 函館本線
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日暮山秋景

月見橋を列車と遊覧船が交差する
日本の美しい鉄道風景のの一つだ

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2017年10月 函館本線 大沼公園

今年の紅葉は台風の塩害のため、どうもパッとしない。今年もこの頂に登ったが、そんな訳で写真は昨年のものから選んだ。手前が小沼、向こうが大沼で、その間を函館本線が走っており、月見橋と呼ばれる赤い橋梁が架かっている。その小沼側の岸辺には、白鳥台セバットという白鳥の観察ポイントもある。特急、貨物と長い編成の列車が多い場所だが、抜けのある月見橋は1両とちょっと分のスペースしかない。自ずと狙い目は、この風景の中で目立つ北海道色のヨンマル単行の普通列車になる。

この眺めは、ご存知の標高303mの日暮山の展望台からのものだ。青春18きっぷのポスターにも登場した鉄道俯瞰の大場所だが、本来は大沼の観光スポットの一つだ。もともとは、「小沼山」とも、持主の名前に因んで「笠原山」とも呼ばれていたらしいが、今は「日暮山(ひぐらしやま)」で通っている。時間を忘れ景色に見とれていると日暮れになってしまうそうだ。

この一帯もヒグマの生息域なのか、今年の北海道入りの直前の9月26日に、この展望台付近でヒグマの目撃情報があり、一時登山道が通行止めとなった。ヒグマを心配してばかりいては、北海道での撮影は儘ならない。余程の山奥でもない限り、そう簡単に遭遇するものではないが、最低限、クマ除けの鈴くらいは携帯しよう。あとは出会わないことを祈る他ない。

もう一つの野生動物の危険は、自動車運転中のエゾシカとの衝突となる。こちらは、確率がグッと高くなる。こあらまも渓流釣りの帰りの夕暮れ時に雌を轢いたことがあるが、幸いにも事なきを得た。平均的な車の修理費用は40万円程で保険があるが、それも命があっての物種だ。宵の口が特に危険な時間帯となるので、見通しの利かないカーブなどでは注意したい。


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  1. 2018/11/11(日) 00:00:00|
  2. 函館本線
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暁の貨物街道

道南のランドマークの駒ケ岳が朝焼けの空に浮かんだ
秋の早朝の冷たく湿った空気を長距離貨物が切り裂く

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2017年10月 函館本線 大沼

函館本線の大沼は、夜半から早朝に掛けて、貨物列車街道となる。日付が変わる午前0時を過ぎると、札幌貨物ターミナル行きの下り貨物が相次いで通過する。深夜2時からは、今度は上り貨物のラッシュとなる。先陣を切るのは、日本列島を走り抜ける98レ福岡貨物ターミナル行きだ。続けて、隅田川、宇都宮、名古屋、吹田と、内地の貨物ターミナルに向けてDF200 Red Bear の暁の奮闘が続く。

大沼の東の空が色付き出したころ、静寂の水面を通してDFのエンジン音が聞こえてくる。大阪の百済貨物ターミナル行きの8062レが姿を現し、貨物列車のラッシュが終わる。夜が明ければ、旅客列車が主役の時間帯へと移って行く。この後20分もすれば、ヨンマルの上下の始発列車がこの辺りで擦れ違う。さらに10分後には、1Dスーパー北斗1号札幌行きが通過して、いよいよ旅客列車が始動する。

こあらまは、現役蒸気の時代から人知れず働く貨物列車のファンだ。一般貨物の時代には、荷に合わせて多種多様な貨車が存在した。貨物を見れば、その地の産業構造を窺い知ることができた。石炭列車や鮮魚列車、そうそう野菜列車もあった。荷が、何所から何所へ運ばれていくのかを想像するのも楽しかった。重量級の本線貨物が後補機を従えて峠を越えていく様は、蒸気時代の醍醐味の一つだった。

そして今。やっぱり貨物が好きだ。在来線から長距離列車が次々と姿を消し、今や長距離列車といえば貨物列車だ。荷姿はコンテナに規格化されてしまい、かつてのような多彩な貨車を楽しむことは出来ないが、各地のご当地コンテナや企業コンテナを編成の中に探す楽しみもある。何より、遥か彼方を目指す長距離列車には、たとえ終着が貨物ターミナルであっても、やはり旅への思いを感じるものだ。


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  1. 2018/08/19(日) 00:00:00|
  2. 函館本線
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大沼公園 盛夏の候

爽やかな夏の北海道にも温暖化が迫る
北のヨンマルと青葉のコントラストが涼しげだ

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2016年7月 函館本線 大沼公園

いよいよ日本列島が湿った暖気に飲み込まれ始めた。関東以西は大変な猛暑に襲われている。西日本の被災地のご苦労は、筆舌に尽くし難いものだろう。こんな時に、都会で大停電が起きたら、人々の生活は一体どうなってしまうのだろうか。何時も、考える度にぞっとする。

現代の都会の日本人は、一年中空調に守られて生きている。何時の間にか、自然の気候と調和して生きることを放棄してしまった。そして、その心地よさの代償で、気候そのものが人の生存を脅かすまでになってしまった。今や、葦簀と風鈴と団扇で、暑さを凌げるレベルではない。汗をかきながら西瓜を食べたのが、遥か昔のようだ。

その悪循環がますます早まり、毎年各地で激しい気象現象の記録を塗り替えている。その度に、血と涙と汗が流される。人が最後の一人になるまで、そのサイクルに終止符が打たれることはないのだろうか。


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  1. 2018/07/16(月) 00:00:00|
  2. 函館本線
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駒ヶ岳を背に

春浅き駒ヶ岳を背に巨漢デゴニが軽やかに発進する
例によって引くのは各停の荷物郵便車付きの客レだ

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1973年3月 函館本線 大沼

昔の写真を整理していて、一番のお困りごとは撮影した日時と場所の特定だ。現役蒸気の頃は、撮影データなど記録していなかった。一応それなりに記帳していたのは、どの列車に乗り、どこで下車したかくらいだ。その記録をもとに、当時のダイヤグラムや時刻表を手元に、ネガを時系列的に見ていけば、日時も場所も列車番号もほぼ判別できる。ただ、車窓から撮ったものや停車中に撮ったもの、下車駅が連続したりした場合には、その特定が覚束なくなる。その時は、写真に写ったものの中からヒントになるようなものを探したり、ウェブで地形や過去の駅構造を調べることになる。

ここ大沼のように確たるランドマークがある駅は有難い。同じような景観と構内線路配置を持つ駅に森がある。大沼では仁山経由と藤代線が合わさり、駒ヶ岳廻りと佐原廻りが分かれてゆく。一方、森ではその駒ヶ岳と佐原からの単線の両線が合わさって、複線区間へと導かれる。そのため、大沼と森は共に多くの渡線を持つ複雑な構内線路配置を持っている。おまけにホームの配置や跨線橋までもよく似ている。しかし、ランドマークの駒ヶ岳の表情は大きく異なる。何より、大沼の駒ヶ岳は左、森では右に見える。決定打は、やはり大沼駅構内にある27.0キロポストということになる。

その後は、ポジフィルムとブローニー判に限って、日時と場所に加えて、レンズやシャッタースピード、絞りといった撮影データを記録するようになったが、スナップ的なものは、やはり五里霧中に陥ったりする。今ではデジタル化でデータは自動的に付帯ファイルに記録されるようになった。そこに、後日、撮影場所と列車番号などを、簡単に書き込むことにしている。後からしっかりその時を思い出すためには、撮影時の時刻表を保存しておくことと、きっちりデジカメの時計合わせをしておくことだ。日本の鉄道は極めて時間に正確だ。撮影時刻とダイヤがあれば、多くで場所の特定は容易だ。


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  1. 2018/02/24(土) 00:00:00|
  2. 函館本線
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プロフィール

こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

著作権について

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