駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

入広瀬秋日

尾花の道を夕日に照らされて列車が去ってゆく
そこには移ろいゆく美しい日本の秋があった

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2016年10月 只見線 入広瀬

この夏もそろそろ終わりに近づいたようだ。一時の蒸し暑さも鳴りを潜め、朝晩は大分過ごし易くなった。今年の立秋は8月7日だが、その翌日からの暑さが残暑となる。暦の上では立秋から11月7日の立冬の前日までが秋となるが、温暖化のせいか、現代人の感覚では、どう見ても秋は1カ月くらいは遅くなった感じだ。二十四節気では、立秋から、処暑、白露、秋分、寒露、霜降と続き、立冬となる。今の時分は、大気が冷えてきて、露ができ始めるころとされる白露ということになるが、確かに山では説明通りの季節感になって来た。晴れた日の朝露に、秋が感じられるようになった。

ちょっと早過ぎるかもしれないが、秋を先取りするような写真を選んでみた。やはり、ススキの鉄路はこの分野では秋の象徴のようなものだ。こういった風景の中で、列車を待つのは貴重な時間だ。鉄道写真を撮る楽しみの一つには待ち時間にもある。日常生活で暮れゆく夕日をゆっくり眺めている余裕などないはずだ。列車の通過時刻を睨み、日の傾き具合をやきもきしながら見守るのことがなければ、もっと素晴らしい時間になるのかもしれないが、これもまた鉄道写真のギャンブル的な醍醐味の一つだろう。そんな他愛のないことを考えつつ、秋の撮影旅行の構想でも練ってみよう。


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テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2017/09/08(金) 00:00:00|
  2. 只見線
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只見川滔滔

滔滔と流れる只見川に逢魔時が訪れた
ふっと引き込まれてしまいそうな水の流れだ

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2017年5月 只見線 二橋

撮影場所に何の説明も要らないのが只見線の凄いところだ。大方のアングルが開発され尽くされた感があり、ただ漫然と撮っていたのでは、何の収穫も得られない。密かな企みをもって、天を仰ぎつつ、通い慣れた場所に向かうことになるが、大概は当てが外れてスカが積み上がる羽目になる。夕方に、この場所に立った目的はお察しの通りだ。おまけに、この数分前には、欲を張って一橋も狙っていた。森の細道を自力で走って間に合うか試してみた。途中で広角系から望遠系にカメラも換えたが、すんでのところで間に合った。ただし、本当は列車はもう少し右にある筈だった。悲しいかな、場所を変えても空は一つだ。目論見は外れて、走りは徒労に近いものとなったが、そんなことでめげる筈もない。今回は、ちょっとだけ色付いた空色でご勘弁を。


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  1. 2017/09/02(土) 00:30:00|
  2. 只見線
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会津川口夜景

只見川に吹く風が止み、きれいな水鏡となった
日暮れたばかりの河畔の駅を、早くも最終の上り列車が折り返す

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2017年5月 只見線 会津川口

会津川口の夜景は、只見方面の出発信号の青が加わると美しいのだが、赤が点灯したままになって6年が過ぎた。今年6月19日にJR東日本と福島県との間で、上下分離方式での復旧が合意され、2021年の運転再開を目指すことになった。復旧費用81億円の三分の一をJR東日本、三分の二を福島県が負担するとのことだ。さらに、運行の赤字の埋め合わせには、沿線自治体の年間2億1千万円の予算出動が必要となる。本当に、福島県と沿線自治体は、限界ダイヤの一日3往復のために、このような大金を只見線に注ぎ込む気なのだろうか。福島県は、鉄道軌道整備法の改正などによる国の負担を期待しているようだが、挫折した場合、この枠組みは維持できるのだろうか。限りなく収入のない線区なので、営業上の収益の悪化などの心配は無用だが、日に30人程の通過人員のために、大金を注ぎ込むコンセンサスが、はたして得られ続けるものなのか。それなら、国でという声が聞こえてきそうだが、1,000兆円を超える負債がどういうものなのかを考えれば、哀しいかな、国もローカル線どころの話じゃなさそうだ。


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  1. 2017/08/23(水) 00:30:00|
  2. 只見線
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大志慕情

徐々に色合いを変化させながら暮れてゆく一日
千変万化の夕暮れの空模様とは一期一会の出会いだ

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2017年5月 只見線

昼間の喧騒は新緑号とともに去って行った。いつもの静けさに戻った大志集落が夕暮れ時を迎えようとしていた頃、川風が止まった。只見川は磨き抜かれた鏡のように紅の空を映し出した。日中の新緑号が罐を愛でる時間なら、この暮れなずむ川面のキハは写真を創作する時間だ。その両方を楽しむのがこあらま流だ。川辺を往くキハは、まもなく終点の川口で折返しとなる。さて、その時、天空はどんな表情を見せてくれるだろうか。


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  1. 2017/06/22(木) 00:30:00|
  2. 只見線
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バランストアーチ橋を愛でる

美しいバランストアーチ橋が青空に浮かんでいる
列車の走行音を聞きながら愛でるのもまた楽しい

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2017年5月 只見線 第一只見川橋梁

九州の鉄道風景をお送りし始めて、あっという間に一月を越えたが、シリーズものも終わっていないので、もう一月くらいは続けさせてもらおうと思う。ただ、季節はどんどん進み、桜の季節だったのが、早くも入梅となり雨の季節になった。九州ばかりではというご諸兄の声も聞こえてきそうだ。これからは、ポツポツと新ネタなども織り込んで進めて行こうと思う。今回は先月の只見線の新緑号の一コマから。写真が撮りたいというよりは、写真仲間との再会が楽しみで出掛けた次第だ。どういうわけか、例年のような人出はなく、試運転初日は本当に汽車が来るのか心配になったくらいだ。

この第一只見川橋梁は、最も有名かつ人気のある鉄道橋梁の一つだろう。或る程度以上の規模であり、美しい構造をもっていること、そして、風光明媚な環境に存在していることが人気の条件だろう。その多くが鋼製橋だが、余部橋梁のようにコンクリート橋に掛け替えられたもあれば、南阿蘇鉄道の第一白川橋梁のように前途多難な状態に陥ってしまったものもある。城東貨物線の淀川橋梁のように、複線化で歩道がなくなるという変わり種もある。只見線の不通区間は、上下分離方式で2020年の復旧を目指すそうだが、失われた橋梁跡には、どんな橋が架けられるのだろうか。


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  1. 2017/06/10(土) 00:30:00|
  2. 只見線
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プロフィール

こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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