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駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

沈下橋のある風景

フルムーンの沈下橋だそうだ
そのポスターの俳優は誰だっけ

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2020年4月 予土線 土佐大正

この写真を見ていて、ふと、沈下橋が本当に沈むのかという、ちょっとした疑問が湧いてきた。これだけデカい川だ、沈下橋が沈むには相当な水量が要るだろう。そこで、ネットで探していくと、この沈下橋が濁流に飲み込まれている写真が見つかった。確かに沈むようだ。こういう時代だ、月並みに普段の川面を写してもインパクトは弱いとばかりに、濁流の沈下橋の写真も結構アップされている。写真は、四万十川本流に架かる通称「茅吹手沈下橋」と呼ばれる新谷橋になる。この橋名を検索してみると、「平成9年のJRのフルムーンのポスターに使われた云々」という説明が、枕詞のようにして書かれている。確かに、橋の袂の説明書きにもそう書いてある。しかし、こあらまには、どうしても「JR」と撮影に訪れた「香山雄三夫妻」というのが引っ掛かる。

まずは「JR」だが、こあらまの直感的な印象では「フルムーン」は国鉄時代だ。1982年の上原謙と高峰三枝子が法師温泉・長寿館の温泉に浸かっているテレビCMのシーンが真っ先に思い浮かぶ。高峰のふくよかさにうっとりとした殿方も多かったのではないだろうか。新しい時代を予感させるセンセーショナルな映像だったが、テーマは「セクシィ」だったようだ。演出は、先日お亡くなりになった尾道のあの大林宜彦監督だが、その話はまた別の機会にしたい。国鉄末期の宣伝広告は、「DISCOVER JAPAN」をはじめ、電通と決まっていた。この「フルムーン」も同じく電通生まれで、アートディレクターであった鈴木八朗のキャッチコピーであることは有名だ。同じく国鉄の「エキゾチックジャパン」も鈴木の作だ。アートなCMの先駆けとなった時代でもあった。

上原・高峰のCMは、1981年に発売された「フルムーン夫婦グリーンパス」のためのものだが、このきっぷはJRに引き継がれ、現在も販売が続けられている。CMキャラクターは、「ふたりの海編」の二谷英明・白川由美の二代目を経て、三代目の加山雄三・松本めぐみへと繋がっていく。そして、加山雄三夫妻の茅吹手沈下橋となるわけだ。どうにか、そのポスターの画像を探し出したが、暗く沈んだ沈下橋の1スパンの画角に、明るい服装のお二人が立つという趣向で、『若い頃は 見えなかった 日本へ。』のコピーが付く。このポスターだけから茅吹手沈下橋を言い当てられるのは、余程の通だろう。それにしても、「フルムーン」は世代を重ねる長期戦となっている。当時20代だったこあらまも、添えられたコピーがすんなり入ってくる年になってしまった。

次は「香山雄三夫妻」だ。どこが始まりだかは判らないが、この沈下橋を検索すると、この誤記が結構見つかる。多分、誰かが変換の間違えに気付かずにアップしてしまい、それを安易にコピペした結果だろう。こういう事態には、SNSの危うさを感じる。伝言ゲームよろしく、悪意のあるなしに拘わらず、誤った情報が拡散していくことになる。こあらまも、記事のチェックはしているつもりだが、間違えはなかなか無くならない。身の引き締まる思いだ。ちょっと見方を変えると、「香山雄三」が増えるのは、本物を知らない人がいかに多くなったかということだろう。茅ケ崎のサザンは知っていても、海の若大将とまではいかない。『幸せだなぁ』と言いながら、鼻の横をこする仕草をして、加山雄三の真似をして遊んだのは、遠い1960年代後半のことだ。


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  1. 2020/06/17(水) 00:00:00|
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走れ「なんちゃって新幹線」

まるでプラレールの0系新幹線だ
果たして予土線の救世主になれるか

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2020年4月 予土線 十川

さてさて、この珍車両をどう評すればいいのか。大分デフォルメされているが、不思議と0系新幹線と直ぐ分かるところが面白い。プラレールをそのまま大きくしてしまったような、ゆるいオモチャ感が結構受けているようだ。警笛と座席は本物譲りというから、バカにしたものでもない。キハ32に、なんちゃって0系マスクを取り付けただけなので、こんな顔になってしまったようだ。宇和島側にはマスク装着はなく、経費削減のためかと思いきや、連結のためらしい。団子っ鼻から連結器が、とはいかないようだ。よくぞ、こんなものを作ってしまったものだ。バカバカしいものが好きなこあらまとしては、その勇気には大きな拍手を送りたい。

予土線には、この「鉄道ホビートレイン」の他に、「しまんトロッコ」と「海洋堂ホビートレインかっぱうようよ号」があり、合わせて「予土線3兄弟」と呼ばれていることは、それなりに世間に広まってはいる。しかし、「四万十川」という大きな観光資源に恵まれはしたものの、予土線の赤字度はJR四国のトップクラスだ。何とかして観光客を呼び込もうと、あの手この手と繰り出しているが、凋落ローカル線の挽回には到底至っていない。乗客の減少は緩やかにはなったが、通過人員は300人/日程で低空で推移している。予土線が無くなると、四国内の3方面の路線は、皆行き止まりになってしまう。JR四国としても何としても存続させたいところだ。

少なくとも、「予土線3兄弟」は、四万十観光の大切なアイテムに成長したことは確かだ。と言っても、予土線を黒字化することは至難の業だ。それでも、これだけ努力しているのだから、救いの手も考えるべきだろう。不採算の道路を山ほど造るくらいなら、予土線の1路線くらい国の力で守っても罰は当たるまい。


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  1. 2020/05/28(木) 00:00:00|
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四万十好日

清流に架かる四万十名物の沈下橋
鉄道のワーレントラス橋とは対照的だ

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2020年4月 予土線 土佐昭和

「沈下橋」と言えば四万十観光の人気アイテムの一つだ。川幅の広い清流に架かる沈下橋は、それ自体が重要文化的景観に指定されている。予土線に絡められる沈下橋も幾つかあるが、今回の写真は特に人気の高い場所だ。確かに、予土線、四万十川、沈下橋の三つが上手く画角に収まり、天気も上々で、如何にも四万十と云う眺めは、見ているだけでも得をした気分になる。列車を待つ間に、その沈下橋を宅急便のトラックが往復して行った。列車と絡められれば良かったのだが、残念無念。

この手の橋は公式には「潜水橋」と云うが、沈下橋は四万十川での呼び名だ。こあらまとも縁の深い神奈川県厚木市と海老名市の市境の相模川にも潜水橋が架かっていた。こちらは、正式には相模小橋だが、通称「もぐり橋」と呼ばれ、増水の度に流されていた。1996年、流されない立派な「あゆみ橋」が完成し、もぐり橋はその役目を終えている。こあらまも時折渡っていたが、なかなかスリリングな橋だった。交通量の多い街中に、事故多発の危険な橋があったこと自体が不思議な位だった。

高知県の四万十川の本支流には47もの沈下橋があるというから、日常の生活には欠かせない。地元の四万十自動車学校では、沈下橋を渡る教習を行っているそうだ。橋上の擦れ違い教習は傍目にも怖そうだ。沈下橋から転落するのは地域外からの来訪者。沈下橋から飛び込んで水死するのも他府県からの観光客。訪れる際には、くれぐれもご用心を。


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  1. 2020/05/14(木) 00:00:00|
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プロフィール

こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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