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駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

駅舎の灯 入広瀬 20時32分 PartⅡ

雪のない雪国にまた夜が来た
雪灯のホームは虚しく空振りに

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2020年3月 只見線 入広瀬

思い描いたイメージは車窓から漏れる雪灯だったが、この時はまんまと期待を裏切られてしまった。夜間撮影の場合、撮れる場所は限られているので、渋々でもやっつける他ない。雪の代わりの氷雨がせめてもの慰みだった。頻繁に登場する只見線小出口だが、サブリミナル効果の様にして、ご覧の方々の無意識の記憶となって、足を運んでみようという好奇心旺盛な方が現れたら、観光地巡りでない旅を推奨する当ブログとしては望外の喜びだ。5年近く前にも、同じ「駅舎の灯」を上梓しているが、時刻が全く変更になっていないのは、限界ダイヤのせいだろう。あの時と同じように、20時32分が最終列車だ。この列車が大白川で回送となって小出に折返して、只見線小出口の一日が終る。


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通学生徒は、大概は一本前の17時45分で帰ってくる。この最終を利用するのは主に社会人で、遅くなった生徒が少々混じっている。素人考えでは、この間に一本ないとまずいんじゃないのと思う。これじゃあ、通勤にも通学にも使えんじゃんということになる。しかし、そこが極貧ローカル線の辛いところで、そんなニーズに応えることすら出来なくなっている。バスよりも定期代が安く、少々窮屈なダイヤでも浮気をしない可愛い生徒達の足となることで精一杯だ。この夜も、終列車に人気は少なく、この駅でその乗客も殆どが降りてしまう。ここから先は、何時ものように、運転士と車掌氏の二人旅だ。どうにも切ないローカル線の毎日が過ぎて行く。


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思うに、並行する国道を走る路線バスと競合しているローカル線なら、バス停並みに駅を増やせば、何とか生き延びる道があるようにも思う。小さな車両に小粒の無人駅を沢山作って、路面電車のような運用をした方が理にかなっているように思う。全国ネットの大量輸送が前提の国鉄時代の車両と駅を使い続けるということが、そもそも行き詰っているような気がする。富山港線が富山ライトレールに化けたような発想も求められる。何としてでも鉄道に生き延びて欲しいという、ファンとしての細やかな願いだ。


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昨冬の驚くほどの少雪に反して、今年は大雪が繰り返されている。雪国に暮らす方々はうんざりされているだろうが、雪国を目指す物好きには好機到来といったところだ。今頃は、入広瀬にもたっぷりの雪が在るはずだ。今度こそ、雪灯の入広瀬をお見せしたい。


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  1. 2021/02/18(木) 00:00:00|
  2. 只見線・小出口
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駅舎の灯 薮神 17時17分

この路線にもコロナ禍が押し寄せた
生徒の消えた通学列車が空しく走る

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2020年3月 只見線 薮神

今年度のJR東日本の営業収支は、コロナ禍で前代未聞の大赤字に陥っているそうだ。あらゆる路線の乗客が激減しているというから救いがない。ドル箱の東京圏でも、外出自粛とテレワークで、終電が繰り上げられたりもしている。好調だった駅中の客商売も大打撃のようだ。ローカル線の乗客が減ったところで、御大には大きな影響はないと思われるが、大黒柱が揺らげばローカル線への風当たりも強くなるだろう。稼ぎ頭の路線では後々集客に動くだろうが、ローカル線では出費を減らす合理化に向かうのは必定だ。実際のその傾向を強めている。期せずしてコロナ禍が、ローカル線の命を奪うということまでは行かなくても、簡素化に火が付くことになるのだろう。

それでは、本題の薮神駅に入ろう。薮神は只見線小出口の最初の駅で、小出からは平野続きのほぼ平坦な道程となる。只見線小出口は1日4往復の超ローカル線で、列車絡みの撮影チャンスは、朝晩の回送を含めても1日10回しかない。どうしてそんな路線に執着するのかは、結局は好みの成せり技だろう。もう少し走ってくれると有難いが、決して少ないからと云って退屈することはない。ただし、早朝や夜間の列車も無駄にはできない。思わず、灯撮影が多くなってしまうことは確かだ。

午後5時を過ぎたばかりだというのに、雨降りも手伝って辺りは真っ暗になった。小出の町灯りが瞬きは始める頃、只見線の上り2426Dのヘッドライトが見えてきた。小出から薮神までは、ひたすら田圃の中を走り抜けることになるので、遠くからその灯りが見えてくる。列車が徐々に薮神駅へと近付いてくる。


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列車は定刻の17時16分に薮神の盛土のホームに到着した。無人の小駅の薮神には駅舎はない。在るのはホーム横の待合所になる。例によって、待合所の中には小さな除雪機が置いてある。暖冬のため殆ど出番がなかったとみえ、気持ち埃が被っていた。当たり前のようにして、この列車に乗車する客はいない。


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到着した2両編成のドアが開いたが、降車する者はいない。車中にも人影を見つけることは出来ない。この列車の役目は高校生の帰宅の足にある。普段なら高校生で座席は埋まっているはずだが、コロナによる休校のため乗客が皆無となった。数えるほどの通勤者には次の2428Dの20時04分が使われる。


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サボにあるようにこの列車は只見行になる。こんな時刻だが只見まで行く終列車だ。次の最終の2428Dは大白川止まりで、回送になって小出に戻る。東京圏の終電繰り上げなど比較にならない早仕舞いだ。運転席のスタフは、先日の山陰線御来屋の鳥取行228Dのものと比べると簡潔そのものだ。発着駅を含めても9駅、それも1路線1閉塞のため交換もない。何とも、すっきりしたスタフだ。そして、何といっても新潟のヨンマルの最後の姿となった。敢えてアップ画で有終の美を飾りたい。今頃は、ミャンマーの悪路をガタゴト走っていることだろう。


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大粒の雨の中、乗降もなく空しくドアが閉まった。定刻の17時17分、乗務員だけの列車は次の越後広瀬へと向かった。只見着は、ちょうど1時間後の18時27分となる。この列車が小出行として再び薮神に戻って来るのは2時間半後だ。それまでは、雨に濡れながら、ひっそりと帰りを待つことになる。


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  1. 2021/01/31(日) 00:00:00|
  2. 只見線・小出口
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北魚沼の高嶺より

高嶺の冬も随分と楽になった
それでも住人は減るばかりだ

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2020年3月 只見線 入広瀬

昨冬は異常に雪の少ない魚沼だったが、それでもこの高嶺には1m程の積雪が残っていた。暫く積雪が無かったのか、雪面は調度良い塩梅に固まっていた。用意していたスノーシューもワカンも使うことなく目的地に辿り着けた。しかし、開けた眺望はとても3月初旬とは思えない眺めだった。本来であれば、積雪深が最高になる時期で、道路から雪上にでるのも、雪壁に大いに阻まれるのが、これまでの経験則だった。その昔、この地域のスキー場は、この時期一旦閉鎖になることが多かった。あまりの積雪にリフトが閊えてしまうためだった。そのスキー場も、ブームが去るとともに消えていった。代わりに、地域振興のために大枚を叩いて造られたハーブ園も、どうも期待したほどの集客にはなっていないようだ。


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昔、入広瀬村には入広瀬、横根、大白川の三つの小学校が在った。さらには、横根小学校には芋鞘に分校が存在した。1968年に入広瀬小学校に統合され、魚沼通いを始めたころには、既に横根小学校は廃校になっていたが、施設は残っており、地域の子供たちの遊び場になっていた。土門拳を気取って、雪の中で遊ぶ子供たちにカメラを向けたものだ。今は、守門神社横の空き地でしかないが、当時はそこに使われなくなった小さな校舎があった。無雪期であれば、何とか小学生の足でも本村まで下れないこともないが、積雪期ともなれば遭難の危険すらあった。今でこそ、車社会になり、車道の除雪も滞ることも少ないが、当時は雪国の厳しい冬の生活があった。下界を臨んで並んだ仏さんには、その厳しい集落の歴史が刻まれている。


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  1. 2021/01/17(日) 00:00:00|
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季節外れの雪国

雪の便りが気になる季節になった
今冬はどんな雪国になるのだろう

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2020年3月 只見線 入広瀬

雪の季節となって、今冬も飯山線や只見線小出口のアメダスの積雪深が気になるようになった。積雪のない暖かい12月の入りだったが、先日の大雪で一挙に1m越えの積雪となり、その後徐々に減りはしたものの、現在1m前後の積雪深となっている。思えば、今年3月の入広瀬はご覧の通りだった。3月と云っても、月が変わって直ぐの時期で、月末などではない。長いことこの地に通っているが、こんなに雪の少ないのは初めてのことだった。気象が激化して、降れば大雪ということなのだろうが、全体的な流れは間違えなく温暖化だ。この地域の古い家屋の2階には冬の出入り口があるが、融雪技の進化も手伝って近年は出番がないという。先日クラスの大雪が何度も降らなければ、積雪が2階にまで達することはない。今すぐ向かえばいい雪景色が撮れそうだが、どうにもこの冬はモチベーションが上がらない。写真のヨンマルがJRキハに置き換わった情景を思い浮かべるが、どうもぴんと来ない。


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  1. 2020/12/24(木) 00:00:00|
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雪の降るまちを

北風が白い世界を連れて来た
安全確認の頬に雪が降る

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2020年3月 只見線 入広瀬

「雪の降るまちを」は1952年にヒットした歌だ。山形県鶴岡市の雪景色に触発された中田喜直の曲に、内村直也が歌詞を付けたものだ。音楽の教科書にも載っていたので、合唱した思い出をお持ちの方も居られるだろう。さすがに、この歌が流行った時には生まれてなかったが、「なごり雪」、「外は白い雪の夜」、「雪が降る」などの雪が詠まれた歌のヒットを経験した。

切ない歌によく登場する雪だが、降り過ぎると洒落にならない。突然の年末寒波の大雪で、魚沼地方の交通はマヒ状態に陥ってしまった。長いこと暖冬傾向が続いていたところのドカ雪に、不意打ちを食らってしまった格好だ。例によって、幹線道路が数珠繋ぎで身動きが取れなくなり、自衛隊の派遣と相成った。計画運休だろうか、只見線や飯山線に運休や遅延が生じている。

写真は昨冬のものだが、雪が極端に少ない暖冬で、粘りに粘ってやっとゲットした雪景色だ。今年はというと、コロナ感染拡大で年末年始のGo To は中止となった。首都圏の大晦日の鉄道各社の終夜運転もなくなりそうだ。さらには、大雪で車での帰省も覚束なくなってきた。何ともツキに見放されてしまった状況だが、「この空しさを いつの日か祈らん 新しき光降る鐘の音」だ。


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  1. 2020/12/18(金) 00:00:00|
  2. 只見線・小出口
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プロフィール

こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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