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駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

flygskam と tagskryt

欧州では鉄道時代の再来か
鉄道自慢の広がりは如何に

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2005年5月 オランダ鉄道 ハーレム駅 ”Stoptrein”と呼ばれる各駅停車 ”ハーレム”の語源になった町

北欧から始まった『flygskam』が、欧州全体そして北米へと伝播しつつある。語源はスウェーデン語だが、一般的に英訳は「flight shame」、和訳は「フライトの恥」が使われている。ウェブ検索してみると、多くは欧米のサイトで扱われている。先日、某放送協会の朝のワイドショー的番組で、「飛び恥」という名で取り上げられたらしいが、反応は否定的なものが多いと伝えられている。環境技術では世界をリードする日本だが、個人の環境意識は決して高くないことが表れているようだ。

この環境運動は、スウェーデンのグレタ・トゥーンベリさんという現在16歳の女子高校生のたったひとりでの行動に始まる。もちろん温暖化ガスの発生の著しい航空機の使用を自粛する活動だ。今年初めのダボス会議でも発言の場を得ているが、「すぐには受け入れられないだろうが、それでも自分は発信し続ける」という主旨の言葉もあり、なかなかの腹の座りようだ。母親は有名なオペラ歌手のMalena Emmanさんだが、娘の説得で飛行機を使う公演は自粛中だというからこれまた凄い。

この『flygskam』と対をなすのが『tagskryt』だ。こちらの和訳は「列車自慢」とされる。つまり、「飛行機をやめて列車に乗ろう」ということだ。飛行機よりも遥かに環境への負荷の小さい鉄道利用を求めるものだ。女子高校生活動家は、鉄道があれば、飛行機ばかりか自動車にも乗らないという徹底ぶりらしい。最近、フランス政府は新たなフライト税を導入して、その税収を鉄道の整備に充てることを発表した。いやはや、彼女の主張はフランス政府までも動かしており、先の言葉も最早謙遜だ。

この記事を書いたのは、当然のことながら鉄道復権の契機になればと願ってのことだ。勿論、色々と事情の異なる本邦でそう上手くは行く筈もあるまい。逆に土建族の整備新幹線推進の具にでもされたら大変だ。マイルが溜まるのを細やかな楽しみにしている世の飛行機出張族のお父さん、ちょっと彼女の言い分にも耳を傾けてみては・・・。


写真はスウェーデンではなくオランダだ。全国にオランダ国鉄を引き継ぐオランダ鉄道の鉄道網が張り巡らされる鉄道国だ。幹線にはEuro都市間のインターシティ列車が走り、日本と同様に定時運行が板についており、数分の遅れでアナウンスが入る。首都のアムステルダム中央駅の駅舎は東京駅のモデルにもなった逸品だ。アムステルダムはトラムと自転車の街だ。過去にはトラムの地下鉄化も検討されたが、市民の反対で路面電車が残されている。理由は簡単で、短い水平移動の方が人に優しいという路面電車の最大のメリットからだ。自転車はというと殆ど専用レーンを走ることになる。歩行者からは完全に分離されており、自転車にも厳しい規則がある。この街では、人と自転車とトラムが幅を利かせ、自動車は肩身が狭い。便利さと快適さの在り方はそれぞれの街で異なる。自動車ばかりが優先される単一思考は最早時代遅れだろう。


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アムステルダム市街のトラム 後ろはマダムタッソーの蝋人形館

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アムステルダムの運河の風景 運河に浮かぶ大型の船には人が住んでいる 

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ライデンに停車中の全車ハイデッカーの都市間快速の”Intercity”  黄色に青がオランダ鉄道の企業色

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アムステルダムの旧市街 テーマパークではなく本物の町並みだ

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オランダ鉄道の券売機

上の矢印マークがオランダ鉄道のマーク。窓口でも買えるが、ちょっとでももたつくとサービス料が付加される。日本では考えられないことなので要注意。しかし、最も注意を要するのは「乗り越し」という概念がないことで、検札で走行区間の切符を持っていなければ即無賃乗車となり、極めて高い罰金が科せられる。もし、どうしても切符が買えなかった際には、乗車後直ちに車掌を探して事情説明の上、切符を購入すること。入札も改札もないので当たり前といえば当たり前。極端に高い罰金を定めることによって無賃乗車の抑止効果を狙っている。設備や人件費で浮いた分は運賃に反映されるので合理的な考え方だろう。このことは自動車の有料駐車場でも同じで、券売機があるだけ。管理人がダッシュボードにその時間に有効な駐車券を確認できなければ、何十万円もの罰金が待っているので、普通の人間は必ず正しく駐車料金を納めることになる。


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デンハーグのトラム 運転手さんが照れてしまった すいません

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トラムの車内

このトラムでデンハーグからデルフト方面に向かう。途中にあるデルフト焼の工房に行くためだ。トラムにしては長距離で下車が心配だったので、運転手さんに下車駅を告げておいたらご丁寧に停まって降ろしてくれた。田舎の停留所で回りに家がなく、やっと見つけた住民に道を聞いて工房に辿り着けた。お陰で、オランダの田舎の風景を堪能することが出来た。何時だって、旅の楽しみはそんなところにある。


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アムステルダム中央駅の駅前

生憎駅舎の修復中だが、東京駅のモデルとなったレンガ造りのアムステルダム中央駅。駅前にはトラムのターミナルがあり、数多くある路線がここに集まっている。どうやって、行先の違うトラムを捌いているのかは分からないが、次々と発着していく。車輛も低床式で、市民が選択した人にも環境にも優しい交通手段だ。


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こちらは”ICE International”で、ドイツのケルン・フランクフルトとを結んでいる ドイツのシーメンス社製

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ハーレムの駅中の花屋の店先 さすがは花の国だけあってハイセンスでお値段も手頃

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雨上がりの朝のアムステルダム 本当にトラムがよく似合う街だ


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テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2019/08/27(火) 00:00:00|
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プロフィール

こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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