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駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

夕張の攻防

札幌への時間短縮が2線で争われた
北の炭鉱でも官民の凌ぎ合いがあった

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1973年3月 夕張鉄道 栗山

その昔、夕張が炭鉱の町として活況を呈していた頃、道都の札幌との交通で、国鉄と夕張鉄道が張り合っていた。石勝線開通前の当時の国鉄ルートは、夕張線で紅葉山を通って室蘭本線の追分に出て、岩見沢経由の室蘭線・函館線で札幌に向かうというものだった。夕張地区の炭鉱が盛んに稼働していた時代には、夕張線は全線複線だったようで、札幌への直通列車の準急「夕張」が走っていた。一方、夕張鉄道は、夕張本町が起点で、鹿ノ谷で国鉄と別れ、室蘭本線の栗山を経由して、函館本線の野幌へ繋がっていた。国鉄の準急「夕張」に対抗すべく有料の急行列車が運行され、野幌-札幌間は連絡バスで結ばれていた。

両線とも石炭輸送が本分だが、旅客輸送では鍔迫り合いを繰り広げていた。そのため、夕張鉄道は、国鉄の新型車の投入に合わせて、同性能の車両を導入している。キハ07形に合わせてキハ200形、キハ10系に合わせてキハ250形、キハ22形に合わせてキハ300形を自社発注している。キハ250形については、国鉄に先行したため、道内初の液体式気動車となっている。1枚目の写真は、夕張鉄道初の気動車のキハ200形になる。仕様は国鉄キハ07形とほぼ同一だが、後に流体継手が設けられている。この頃までに、国鉄のキハ07形は、キハ10系に全て置き換えられていたので、夕張のキハ250形は貴重な存在だった。

しかし、ヤマの斜陽は著しく、車社会の進展も急速で、夕張鉄道は、写真の翌年の1974年には旅客が廃止され、1975年には鉄道自体が全線廃止になってしまった。そして、JRに引き継がれた夕張支線も風前の灯となった。現在は、バス会社に変身した夕張鉄道のバス便が札幌との間を往復している。両線が競い合った時代は、すでに遠い過去のものとなった。さらには、夕張、赤平、芦別、歌志内、美唄といった炭鉱から集められた石炭は、室蘭本線によって室蘭港などに運ばれたが、その室蘭本線も沼ノ端-岩見沢間は存続が危ぶまれ、かつての過密ダイヤが嘘のようにひっそりとし、名残りの複線跡は宛ら産業遺産のようだ。


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1973年3月 室蘭本線 栗山

列車は苫小牧方面に向かうC57牽引の客レで、室蘭本線を南下中だ。その先で、オーバークロスしているのが夕張鉄道で、写真奥が鹿ノ谷、夕張方面となる。室蘭線を跨いだ夕張鉄道の線路は栗山駅で一旦一緒になり、1枚目の写真のように室蘭線と並行するが、直ぐに東方向に別れ、函館線の野幌へと向かう。


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テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2019/02/06(水) 00:00:00|
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プロフィール

こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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