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駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

入間川橋梁再び

蒸気全廃後、再び八高線に戻ってきた
何をどう撮るか、新たな迷走が始まった

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1976年3月 八高線 東飯能

1976年3月2日、北海道は追分機関区に入換機として残っていた39679、49648、79602の3両のキューロクが火を落とし、現役の蒸気機関車が全廃した。同時に、こあらまの蒸気機関車を追いかけた7年間にも終止符が打たれた。その頃の蒸気ロスの空虚感を胸に、蒸気を最初に撮り始めた思い出の八高線に再び足が向った。早々に無煙化されてしまった八高線を訪れるのは、実に6年振りだった。キハ17やキハ20は影を潜め、不細工な通勤型のキハ30やキハ35が幅を利かせていた。相変わらず、高麗川のセメント工場とを往復するセメント貨物は健在だったが、牽引するのは憎っくき赤ブタDD51だった。

その時のネガには、新たな鉄道写真を模索しようと、どうにもならない写真ばかりが並んでいる。車両の無い写真やゆる鉄風のものも数多く残されている。蒸気の去った鉄道に何を求めるかを探っていたのだろう。機会があれば迷走時代の写真もアップしたいが、今回はそんな中で記録されたオーソドックスな1枚をお届けしよう。何と長閑な入間川橋梁だろうか。その後、この辺りも東京のベットタウンとして開けて行った。この区間の八高線も電化され、架線の無いすっきりとした橋梁の眺めも過去のものとなった。結局、夕日に輝くDD51にも気持ちは動かず、暫しの休眠時代へと突入することになった。


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  1. 2019/02/02(土) 00:00:00|
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初心時代

金子坂にデゴイチ貨物が差しかかった
逸る気持ちをグッと堪えてチャンスを待つ

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1970年2月 八高線 金子

事始めのこの頃使っていたカメラは、オヤジの距離計連動の「PETRI35 F2」だった。レンズはガウス型4群6枚の「Orikkor 45mm/F2.0」というのが付いている。このレンズが「お利口」かどうかは知らないが、面白い命名だと結構気に入っている。当時のネガを見ると、全く引き付けが足りなく、罐が片隅にしか写っていないものや、罐や編成が無残にブチ切れているものなど、惨憺たるものだ。今時の視野率100%などと違って、この手のレンジファインダーカメラは、視野は大雑把なうえに見え方も決して明瞭とは言えないものだが、そんな事情を差し引いても、弁解できるような代物ではない。当時のフィルム事情では、連写などありえず、一列車一枚が原則だった。逸る気持ちを抑えきれず、ついつい早くシャッターを切ってしまっていたのだろう。まさに若気の至りだ。そんな中で、珍しく上手く画角にはまったのがこの写真だ。おまけに盛大なドレインサービスも付いている。今なら何てことない写真だが、当時はちょっと自慢げな心持ちになったことを覚えている。写真の良し悪しはさて置いて、私的には懐かしさいっぱいの事始めの頃の貴重な一枚だ。


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  1. 2017/09/26(火) 00:00:00|
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漂泊の道標 構内踏切

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1977年6月 八高線 明覚


こんなにエコでバリアの小さい渡線路が、どうして減ってしまったのだろうか
ローカル線の跨線橋など、年寄り返しの無用の長物だ


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  1. 2017/09/20(水) 00:00:00|
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漂泊の道標 夕暮れの出発信号機

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1977年5月 八高線 金子


あの「ガシャン」という余韻のある響き
決して薄れることのない音の記憶



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  1. 2017/08/01(火) 00:30:00|
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八高線から蒸気が消えた日 「46年前の“今日”へ」

尾花の咲く頃、一声の汽笛を響かせて、さよなら列車が去って行った
その日、小生の八高線の蒸気時代が終わった

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1970年9月27日 八高線 折原-竹沢

46年前の今日は月曜日だった。通学にせよ通勤にせよ、月曜日の朝はあまり気分のいいものではないが、その日は特別に憂鬱な月曜日だった。前日の日曜日に、八高線で高崎第一機関区のさよなら運転があったからだ。通い慣れた八高線の無煙化は結構堪えた。今でいえば八高線ロスといったところだろうか。普段から不真面目な生徒だったが、この日は尚更だった。もう、日曜日が来ても八高線がないかと思うと、授業など上の空だった。それまでも、小海線や米坂線、中央西線などへの夜行日帰りには出掛けていたが、それはあくまで特別な日であり、西武池袋線一本で日常的に行くことが出来た八高線は本当に有難い存在だった。

この翌週には八高線での八王子機関区のさよなら、翌々週には東京駅までやってきた高島線のさよならと続いたが、この一連のさよならで脳に異変を来したのか、フィールドを全国に広げ、我武者羅な体力任せの無宿撮影旅が始まった。周遊券代と僅かな食費があれば、時間に追われるように旅に出ては、腹を空かせた野良犬のように歩き回った。後から苦しめられることになったが、フィルムはコダックがいいことは分っていたが先立つものがなかった。フィルムの質より旅に出ることが優先された。今となっては、そんな蒸気の追っ掛けに、どれだけの意味があったかを、問うてみてもしょうがないが、少なくとも放浪めいた金欠旅の経験は、その後に大きな影響を与えたことは確かだ。それだけでも、十分に意味があったということにしておこう。

さて、写真の方はさよなら重連客レの高崎への帰りとなる。行きはD51、帰りはC58が先頭に立った。ヘッドマークを付け、熱狂する多くのファンを乗せた旧客を引いている。その日は高崎第一機関区が一般公開されていたので、撮影後、高崎第一まで行ってみた。記憶ではD51、C58、C12が展示され、その日の牽引機のD51631が転車台に乗っていた。高崎操車場で入換をしていたキューロクの姿は見当たらず、巨大な扇形庫の賑わいは既に過去のものとなっていた。現在は、高崎第二機関区がJR貨物の高崎機関区に、第一機関区がJR東日本の高崎車両センター高崎支所になっている。復活蒸気のC6120、D51498、C58363もここの所属だ。かつて八高線の蒸気が屯した機関区は、復活蒸気の基地として再利用されている。

翌週の八王子のさよならは、飾り付けや塗装がけばけばしく、天候にも恵まれず、あまりいいものではなかったので、この日が気持ち的には最後の日となった。小生が最後に撮ったのは、もちろん後追いだ。これだけ見ればイベント列車の騒々しさは無い。蒸気の向こうには茅葺の古民家も見える。尾花の咲く頃、一声の汽笛を響かせて、小生の八高線の蒸気時代が終わった。


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  1. 2016/09/28(水) 00:30:00|
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プロフィール

こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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