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駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

思いっきり鬼太郎列車

境港は呆れるほど妖怪染みた町だ
その不思議の町へ鬼太郎列車が誘う

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2018年4月 境線 高松町(すねこすり駅)

境線に「鬼太郎列車」が走り出したのは、25年も前の1993年のことだ。境港市に「水木しげるロード」の整備が始まった時のことだった。その1993年の水木しげるロードの観光客数は、年間2万1千人だった。2010年に某放送協会の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」が放送されると、年間入込客数は一気に372万4千人にまでに膨らみ絶頂期を迎えた。その後は順減して、2017年は204万1,235人と発表されている。それでも、鳥取県の一大観光地である鳥取砂丘を大きく凌ぐ観光客を呼び込んでいる。

この事業の発端は、元境港市長の黒田哲夫氏の発案による妖怪ブロンズ像の設置だった。86体までいったところで、市の財政難で増設が打ち切られた。その後の、脱行政依存の凄まじい成長の仕掛け人は、民間出身の現境港市観光協会会長の桝田知身氏だ。国や自治体に頼らず、独自の創意工夫で民間資金を集めて、水木しげるロードの発展に尽くしてきた。補助金による箱物づくり観光が軒並み失敗する中、同じ中国地方の、岡山の倉敷美観地区や広島の宮島に匹敵する観光地を創り出した。

「鬼太郎列車」は、観光協会と連携した、JR米子支社の路線活性化の一環として行われている。2015年の輸送密度は2,554人/日であるが、JR発足時の1987年の3,022人/日からは後退したものの、他ローカル線の衰退に比べれば優秀な成績だ。国鉄時代に廃線も囁かれた時期もあったが、イラスト列車は代を重ねながら元気に走り続けている。2005年には各駅に妖怪名の愛称も付けられた。米子はねずみ男駅、境港は鬼太郎駅だ。町と鉄道を一体化させて活性化を狙うという作戦が功を奏している。

成功の要因は、市に縁の深い水木しげるさんという稀有な存在と、氏の全面的なバックアップに依るところも大きいが、「金が出せないなら知恵を出せ」を合言葉に、粘り強い活動を続けてきたことの勝利だろう。全国の自治体から視察が絶えないそうだが、脱行政依存の成功例を行政が視察して何を思うのだろうか。現在、水木しげるロードは新たな仕掛けづくりの最中で、7月14日にリニューアルオープンの予定だ。夜にはロード全線に妖怪の影絵が投射されるそうだ。折に触れて、また立ち寄ってみよう。


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  1. 2018/06/26(火) 00:00:00|
  2. 境線
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プロフィール

こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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