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駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

東浜が壊れる

クルーズが来なくなって静けさが戻った
禿山にICが出来たら瑞風は通過だろうか

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2020年4月 山陰本線 東浜

美しい白砂の浜辺が続く東浜は、こあらまが特に足繁く通っている場所だ。集落の観光地化されていない素朴な生活感の漂う雰囲気も気に入っている。そんな無垢の東浜に目を付けて、豪華クルーズ列車の瑞風が停車するようになって3年が経った。コンクリートの駅舎は、少々不釣り合いとも思えるモダンなガラス張りとなり、駅前には瑞風相手の店も現れた。それでも、相変わらず、駅傍のグループホームの前で、のんびり日向ぼっこするお年寄りの姿には微笑ましいものがある。

その瑞風も新型コロナにやられてしまった。色々あって早くても12月の再開というから、今年は殆ど棒に振ったことになる。東浜のある鳥取県のコロナの感染者数は極めて少ないが、観光業が大きな痛手を負っている。鳥取砂丘もゲゲゲの境港も閑古鳥らしい。県ではコロナ対策ふるさと納税を始めた。ちょっと覗いてみたが、返礼品なしの選択肢もある。相当に県も困っているようだし、これが本当の寄付というものだろう。物欲に浮かれたふるさと納税を考え直すいい機会だろう。

さて、山陰線の向こうでは山肌が醜く削られているが、ここには山陰近畿自動車道の東浜ICが造られている。この道路は、鳥取市から豊岡市、京丹後市を経由して宮津市を繋ぐものだ。例によって、収支が問われない無料一般道路の地方高規格道路の位置付けだが、実は「高規格幹線道路」と同等の仕様になっている。高規格幹線道路は、国土開発幹線自動車道路建設法によって建設路線が決まっており、勝手には造れないはずだが、こんな手口で類似道路がどんどん造られている。

原資の出所はご存じだろう。世間はコロナで超金欠状態だ。需要すら怪しい道路とは如何なものか。どういうことか、鉄道は都市部の方が安いが、道路は逆だ。せめて、国民を欺くような姑息な手段を止めさせるためにも、全国の高規格道路を全て有料化して、全国均一料金を適用すべきだろう。そうすれば、第二の国鉄というわけだ。地方特定交通道路なる新語が生まれるかもしれない。国鉄と同じ轍を踏むようでは、地方も都市も、どちらも浮かばれない。第三の矢は何処へやら。


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  1. 2020/05/24(日) 00:00:00|
  2. 山陰本線
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さくらの日に 鎧の遅咲き桜

トンネルに挟まれた小さな入り江
南に山を背負った駅の桜も満開だ

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2018年4月 山陰本線 鎧

日当たりの良くないこの駅の花の見頃は遅くなる。思いがけない桜の夕日に、下車の乗客がひとり。

★只今、自動更新で「さくらの日に」をお送りしています。


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  1. 2020/04/10(金) 00:00:00|
  2. 山陰本線
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JR西日本 キハ41

春の眩しい陽光に木々の芽吹きが始まった
下りてきたヨンマルの顔付が何やらおかしい

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2018年4月 山陰本線 久谷

鄙びた山陰地方の農村風景に現れた単行タラコのヨンマル一族だが、どうも様子がおかしい車輛だ。向かって左の進行方向側の運転台は、見慣れたヨンマルの顔付だが、右側の運転台は俄作りのぺしゃんこ顔だ。そう、キハ47が単行運転が可能なように両運転台に改造されたキハ41だ。その証拠に、乗降扉は二枚引き戸だ。その増設運転台は、根室本線幾寅のぽっぽやのキハ20を模したキハ40 230の顔をさらに押しつぶしたような容姿だ。つまり、はっきり言って醜いということだ。JR西日本では、時としてこんなゲテモノにぶち当たる。播但線には、さらにラッピングが加わったものまであり、遭遇すればあまりの感動に涙ものだ。たまたま、この写真では真横狙いだったので事なきを得た。この列車はお隣の浜坂で折返しとなるが、当然のことながら、後追いの構図で待ち構えたことは言うまでもない。


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  1. 2019/04/23(火) 00:00:00|
  2. 山陰本線
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鎧の袖

日本海を臨む駅前の桜が満開を迎えた
リアス式海岸を縫って山陰線のキハが往く

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2018年4月 山陰本線 鎧

「鎧」というのはなかなか記憶に残る地名であり駅名だ。香住海岸にある「鎧の袖」と呼ばれる景勝地からきている。柱状節理と板状節理からなる大海食崖で、武士の鎧の縅のように見えることからこの名がある。1938年に国の天然記念物に指定され、日本百景にも選定されている。この断崖の全貌は、遊覧船からしか眺めることが出来ず、香住港の遊覧船かすみ丸が事業を行っていたが、2016年12月1日に67年間の営業を終了している。残念ながら代わりの遊覧船はないようだ。

「なんでだろう、涙がでた」。2001年冬の鎧駅の「青春18きっぷ」ポスターのキャッチコピーだ。ホームに佇み夕焼けの日本海を眺める若者一人が描かれている。以前「「青春18きっぷ」ポスター紀行」とうい書籍を紹介したことがあったが、その腰巻には「あの一枚が、あなたを旅人にした。」とある。都会の雑踏に暮らす若者の非日常的でセンチメンタルなワンシーンと云ったところだろう。ただ、田舎に暮らすこあらまにとっては日常そのもので、毎夕泣いているわけにはいかない。

鎧駅の開業は1912年で、107年の歴史がある。餘部橋梁で有名なお隣の餘部駅は1959年開業と、鎧に遅れること47年と半世紀近く後だ。その間、鉄道利用の余部の住民は、この鎧まで線路を歩いて来ていた。駅間距離は1.8kmと短めだが、道程の大半は餘部橋梁と長短2本の隧道だ。今も餘部と鎧を繋ぐ道は山側を大きく迂回している。鉄道が公の歩道の役割も負っていた時代のことだ。写真奥の隧道が短い方の隧道で、このトンネルを脱した時にはほっとしていたに違いない。


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  1. 2019/04/05(金) 00:00:00|
  2. 山陰本線
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朱色5号

海辺には石州瓦の民家が犇めく
傍らの橋梁には瓦色のキハが往く

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2017年4月 山陰本線 宇田郷

朱色5号。いわゆるタラコのキハが登場したのは、1975年の大宮工場だった。相模線を皮切りに、川越線や八高線へ、そして房総の非電化路線へと増殖して行った。そのため首都圏色とも呼ばれる。財政難に陥った国鉄の倹約策の一つで、塗装工程の簡略化を狙っている。ヨンマルことキハ40は、製造当初から朱色5号のタラコ色だった。ちょうど現役蒸気にとって代わって現れたため、蒸気撮影時には目にしていない。

国鉄が分割民営化され、JRに引き継がれたキハは、所属のJR会社のイメージカラーにカラーリングされていった。キハ40の継承が最も多かったJR西日本でも、色々な塗装の車が登場したが、結局近年タラコに戻されている。理由はこの塗装がお目見えした時と同じ塗装の簡略化だった。時代は繰り返されるもののようだ。かくして山陰本線は、タラコ色のヨンマル一族が集う長大路線へと先祖帰りすることになった。

初めてタラコを見た時、ああこれで国鉄も終わったかと思った。何と下品な塗装を思いついたものだとがっかりもした。ところが、登場から44年が経ってみると、不思議なことに見慣れてくるものだ。さらには、国鉄の遺伝子を受け継ぐこいつが来ると嬉しくなったりもする。山陰道には赤褐色の石州瓦の民家が多いが、何故か朱色5号の色調はそっくりだ。ひょっとすると、タラコは日本の伝統色なのかもしれない。


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  1. 2019/03/26(火) 00:00:00|
  2. 山陰本線
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プロフィール

こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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