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駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

潮被りの集落

季節風の白波が護岸に砕ける
吹きつける潮に冬の近さを知る

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2020年10月 山陰本線 木与

折からの海からの季節風で、沿岸を往く国道は至る所で潮被りになっていた。潮から逃れて、やっと高台に上がることができた。海辺の生活は、優雅なイメージもあるが、塩害の被害はなかなか深刻なものがある。防錆技術もかなり進んでは来ているが、鉄製品はあっと言う間に錆びると思っていた方が間違えがない。車は新車を買うものではないというのは常識だ。ドアに穴が空くくらいは覚悟しておかなければならない。こあらまの本宅は海から平坦の2km程であるが、それでも強い海風の後には、窓ガラスは潮潮だ。その都度、拭いているわけには行かないので、窓は何時でも曇っている。家の外装にはなるべく錆び難い素材を選んでいるが、それも限界がある。徒歩30分で浜辺に行けるというメリットとの兼ね合いになる。

さて、この木与はまさに海辺の集落だ。護岸ブロックに打ち付ける波飛沫を、引っ切り無しに被っている。この地形故にこんな海辺に住む他手がないのだろうが、人間までもがしょっぱくなりそうだ。漁師とサーファーは、塩害などお構いなしに、海に近ければ近いほど良しとする。海の様子を眺めながら、職住接近で暮らすのが彼らの習わしだ。以前、この場所をご紹介した時は海は凪で、美しいマリンブルーの海原と白砂の浜が続いていた。今回は一変して白波の木与となったが、波が荒かったので、再訪したといったところだ。この駅には本線仕様の長い交換設備があり、当駅折り返しの列車もある。現役蒸気の時代には、普通列車であっても長い客車列車が走っていたが、今ではほとんどの列車はご覧の通りの単行気動車だ。


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  1. 2021/02/04(木) 00:00:00|
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青い空と白い雲

白雲が引っ切り無しに通り過ぎて往く
ちょっぴりセンチな旅の時間が流れる

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2020年10月 山陰本線 長門古市

「青い空と白い雲」は、こあらまにとって永遠のテーマだ。何故か、その眺めには開放感が味わえる。抜けるような青空は、頭に閊えるのもが無いわけだから、身も心も伸び気味になるというものだ。流れる白い雲には、悠久の時の流れが感じられ、姑息な自身の生き様が漂泊されるような錯覚にも陥る。虚ろな時の流れに、浮遊感のような不思議な感覚にも誘われる。旅の道すがら、こういう空を眺めて、少々センチメンタルな時間を過ごせるのも、旅を続ける理由のひとつだろう。

さて、写真は夏空ではなく晩秋の空だ。なかなかこの組み合わせの空模様から季節を言い当てるのは難しいものだ。少し前まで、北からの季節風が、冬なら雪雲となる乱層雲を、日本海から引っ切り無しに連れてきていた。折からの冬型が緩んで、翳りのない白い積雲が流れる丁度良い雲量となった。夏なら、ここまで空が青くなることは少ない。そう言えば、晩秋の宗谷北線でもこんな空模様に何度が出くわした。冬間近の日本海が作り出す絶妙なコントラストなのかもしれない。


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  1. 2021/01/21(木) 00:00:00|
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線路伝いの小道を往く

線路伝いの小道のお地蔵さん
今頃はひっそり雪の中だろう

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2020年10月 山陰本線 長門粟野

有名なお立ち台を目指す時などを除けば、兎に角なるべく線路に沿って移動することにしている。俯瞰場所を探す際も、線路端から見えれば向こう側からも見えるはずだ。そんな訳で、年中線路際への小道に分け入ることになる。通り抜けられればラッキーで、行き止まりというのは覚悟の上だ。Uターン場所にも事欠くことも珍しくなく、狭い山道を延々とバックすることもある。そんなことばかりやっているので、ロケ車のステアリング周りの消耗品の減りは著しい。特にパワステのベルトの傷みは普通の車の倍以上だ。小回りが利き、車高が高くて、パートタイム四駆、そして肝心なことは車中泊のためのワゴン車であること。そんな条件の車はそうはなく、未だに三菱の古い四駆ワゴン車を走らせている。どういう訳か、走行に欠かせない部品の殆どが、リビルト品も含めて手に入るので、エンジン回りなどは新車時の部品はエンジン本体くらいのものだ。何時何度き寿命が尽きるかは分らないが、修理ができる限り手放なそうとは思わない。

さて、今回の写真は、何故か安っぽい昔のカラーネガのプリント写真のような色調の山陰線のキハ40だ。どうしてこうなったのかは分からないが、レタッチで加工した訳ではない。再現性重視のニコンなので、実物がこんな感じということなのか。ここでは春には海が見えていたが、この季節では木々に覆われ、波の音だけだった。


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山陰線のこの区間にも線路伝いの小道が在る。地図上では、小さな集落を通って小道が抜けているが、海岸線を通る側が廃道同然で、障害物が多すぎて通り抜けることは出来ない。大した撮影スポットもなかったが、代わりに二体の仏さんがいることが以前のロケで分っていた。石仏好きとしては通り過ぎるわけには行かず、この時も足早に拝んでいくことにした。気に入っているのは立像のお地蔵さんで、海辺の山の中に人知れず立っている。秋も深まり雪の季節が近いので、集落の誰かが帽子と肩掛けを作ってあげたのだろう。今頃はひっそりと雪に埋もれていることだろう。もう一体は集落の入口の庚申塚に鎮座している。こちらも同じように帽子と肩掛けを纏っている。同じ方の作なのだろう。驚いたことに、お地蔵さんの帽子や前掛けが通販サイトに並んでいる。そんなものまで売っているとは通販の品揃えには舌を巻く。


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  1. 2021/01/11(月) 00:00:00|
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岸壁の太公望

防波堤に守られ朝の港内は波静かだ
岸壁には穏やかな時間が流れていた

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2020年10月 山陰本線 鎌手

なかなか長閑な眺めだ。こういうところで老後の自由時間を満喫するのも悪くはなさそうだ。後姿のお二人はサビキで雑魚を狙っているが、あまりの大物で写真ではよく見えないが、列車の通過に合わせて何かが釣れたようだ。釣りも趣味としているので、釣り人を見つけると、何が釣れているのか気になるところだ。ちょうど列車が絡められそうな港だったので、釣り人のいる漁港の岸壁まで降りてみた。朝間詰めの時間帯も終るところだが、岸壁と堤防は多くの太公望で賑わっていた。さすがにロケ車に釣り竿は積んでいないが、積んでいれば、何時までも家に帰り着けなくなりそうだ。こういう場所なら、列車の待ち時間も楽しいひと時となる。後ろ髪を引かれる思いで、次のスポット探しに向かった。


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  1. 2021/01/07(木) 00:00:00|
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駅舎の灯 御来屋 06時03分

夜明け前のホームにエンジン音が響く
山陰最古の駅舎が早朝の交換を見守る

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2020年10月 山陰本線 御来屋

この御来屋駅については以前の記事で、山陰線最古の駅舎としてご紹介したことがあるが、今回は灯バージョンをお送りしたい。狙い目は朝焼けとしたが、西日本の夜明けは思った以上に遅い。この駅の始発は05時19分発の上り倉吉行だが、時期的にその時刻ではただの闇夜でしかない。次はと言えば、上下ともに06時03分発の交換で、ちょうど夜明け前の朝焼けシーンが狙えそうだ。車で駅前から5分程のところに道の駅があるので、そこからの出撃とした。真っ暗な中起き出して現場に向かうのはロケ中は毎朝のことだが、やはり辛くないといえば噓になる。素早く寝床を片付けて顔を洗って、いざ御来屋駅へと向かう。空模様も味方して、東の空がいい塩梅に焼けてきた。定刻の05時51分、上り鳥取行226Dが1番線に到着した。停車時間は12分もある。ダイヤグラムを持っていれば直ぐに分かることだが、発車時刻しかない時刻表だけだと見落とす危険性がある。狙う列車は必ず前駅の発車時刻もチェックしておくべきだろう。


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到着した226Dは想定以上に長編成だった。ここでは、キハ47の2両編成が1ユニットだと信じ込んでいたので、6両編成だと思って撮っていたが、後で写真の赤い車側灯を数えるとどうも5両編成だ。車両の融通のための回送的な車も付いているのだろうが、ヨンマルの営業運転としては最長クラスの編成といっていい。倉吉を過ぎれば乗客が増えるのだろうが、御来屋では殆ど乗客はいない。ただただ、エンジン音だけが朝焼けのホームに響いていた。


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列車の周りをウロチョロしていると、中間車のため灯が点いた運転台が目が留まった。保安設備の増備などによって、一つまた一つと装置が増えて行ったのだろう。運転台に犇めくアナログスイッチの多さは、この車両が生き長らえてきた歴史のようなものだ。現在の電子化されたスッキリした運転台とは隔世の感がある。


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こちらは先頭車の運転台で、暗がりにスタフが浮かび上がる、まさにこの列車の司令塔として機能している。よく見ると運転台前面に小さなディスプレイがあり、「普通 5」と表示されている。普通列車、5両編成ということだろう。やはり、この列車は5両編成だ。

12分の停車時間ということで、運転士氏も気分転換なのか眠気覚ましなのか、ホームで朝の冷気を浴びていた。ちょうどこちらも撮影がひと段落したので、運転士氏にヨンマルについても少々お話を伺った。その彼が語るには、ヨンマルの運転は2両編成がベストで、車両が増えるほど難しくなるという。駆動系も制御系も車両ごとの個性が強いので、一筋縄にはいかないそうだ。この日の5両編成は相性が全く悪いとのことで、上手く転がせないで苦労しているという。とは言え、蒸気と一緒で、曲者程愛おしくなるようで、新型車よりもよっぽど面白いそうだ。そうこうしているうちに、朝焼けの彼方に交換列車の前照灯が見えてきた。運転士氏は運転台に戻り、こあらまは撮影に戻った。最後に、運転士氏はしっかり、撮ってばかりじゃなくて、たまには乗ってねと言い残していった。会社思いのいい社員さんだ。


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交換となる対向の下り米子行221Dは、キハ47の2両基本編成だ。鳥取行の車内には「境線用IC乗車券乗車用改札機」なるものが設置されている。これはJR西日本初の車載型IC改札機で、交通系ICカードの「ICOCA」が使えるという。この時はまだ境線限定のようで、この車両は境線にも乗り入れているということだろう。


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12分間の停車時間もあっと言う間に過ぎ、出発信号に青が点った。さすがに、5両編成の通勤通学列車はワンマンではなく車掌が乗務している。何が運良くだかはよく分からないが、運良く女性車掌氏の凛々しくもスタイリッシュな安全確認をカメラに収めることが出来た。


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定刻の06時03分、上下の列車はほぼ同時に御来屋のホームから動き出した。空の明るさはかなり増したが、日の出までにはもう少し時間がある。しかし、次の列車ではやはり朝焼けのシーンは無理だっただろう。テールライトが見えなくなるまで各々列車を見送って、この朝焼け狙いの早朝のロケを終えた。


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駅舎に戻ると改札口の時計は06時05分を指していた。無事早朝の撮影を終えた達成感と安堵感に浸っているわけにはいかない。この後、06時30分発、06時56分発と、2本続けて上りの鳥取行がやって来る。どちらもヨンマルの筋で見送るわけにはいかない。朝飯はもう少しの間お預けだ。


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  1. 2021/01/05(火) 00:00:00|
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プロフィール

こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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