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駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

籾殻焼き

平原は開設以来ずっと無人駅だ
駅脇の田圃には籾殻焼きの煙が流れる

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2017年11月 しなの鉄道 しなの鉄道線 平原

稲わら焼きや籾殻焼きは、風情ある晩秋の風物詩かと思っていたが、米どころの秋田県などでは県条例で原則禁止されている。理由は二つ。煙による視界不良が、交通に重大な事故を引き起こす。煙が目やのどを痛め、特に体が弱い方や病気の方に被害が及ぶ。そう言われればそうだが、何とも世知辛い世の中だ。思うに、米作地帯に住宅地が入り込んだためと、住民の権利意識が高まったためかと。

秋田では、昭和40年代後半には「稲わらスモッグ」が発生し、苦情も絶えなかったらしい。列車が止まるという事態にもなったそうだ。過ぎたるは猶及ばざるが如しといったところだが、晩秋の田園の風物詩も、公害呼ばわりされることになってしまった。多くの地域では、そこまでは目の敵にされてはいないようだが、野焼きは法律で原則禁止だ。農業といえども、苦情が出れば、やはりアウトということだ。

写真は長野県小諸市だが、列車を待っていると、農道に軽トラが停まり、荷台から脱穀機が降りてきた。直ぐに夫婦による二人三脚の脱穀と籾殻焼きが始まった。なかなかの早業だ。点在する小さな田圃を巡回して脱穀を行っているのだろう。まあ、この場所でこのくらいの煙なら、電車にも影響はないだろうし、住民から苦情も出ないだろう。晩秋の田圃から煙が全く無くなってしまうのも、それはそれで問題だ。


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  1. 2018/11/13(火) 00:00:00|
  2. しなの鉄道
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日暮山秋景

月見橋を列車と遊覧船が交差する
日本の美しい鉄道風景のの一つだ

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2017年10月 函館本線 大沼公園

今年の紅葉は台風の塩害のため、どうもパッとしない。今年もこの頂に登ったが、そんな訳で写真は昨年のものから選んだ。手前が小沼、向こうが大沼で、その間を函館本線が走っており、月見橋と呼ばれる赤い橋梁が架かっている。その小沼側の岸辺には、白鳥台セバットという白鳥の観察ポイントもある。特急、貨物と長い編成の列車が多い場所だが、抜けのある月見橋は1両とちょっと分のスペースしかない。自ずと狙い目は、この風景の中で目立つ北海道色のヨンマル単行の普通列車になる。

この眺めは、ご存知の標高303mの日暮山の展望台からのものだ。青春18きっぷのポスターにも登場した鉄道俯瞰の大場所だが、本来は大沼の観光スポットの一つだ。もともとは、「小沼山」とも、持主の名前に因んで「笠原山」とも呼ばれていたらしいが、今は「日暮山(ひぐらしやま)」で通っている。時間を忘れ景色に見とれていると日暮れになってしまうそうだ。

この一帯もヒグマの生息域なのか、今年の北海道入りの直前の9月26日に、この展望台付近でヒグマの目撃情報があり、一時登山道が通行止めとなった。ヒグマを心配してばかりいては、北海道での撮影は儘ならない。余程の山奥でもない限り、そう簡単に遭遇するものではないが、最低限、クマ除けの鈴くらいは携帯しよう。あとは出会わないことを祈る他ない。

もう一つの野生動物の危険は、自動車運転中のエゾシカとの衝突となる。こちらは、確率がグッと高くなる。こあらまも渓流釣りの帰りの夕暮れ時に雌を轢いたことがあるが、幸いにも事なきを得た。平均的な車の修理費用は40万円程で保険があるが、それも命があっての物種だ。宵の口が特に危険な時間帯となるので、見通しの利かないカーブなどでは注意したい。


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  1. 2018/11/11(日) 00:00:00|
  2. 函館本線
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駅舎の灯 豊ヶ岡 16時36分

林の中の小さな駅舎に明りが灯った
夕暮時の不思議な時間が流れだす

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2016年10月 札沼線 豊ヶ岡

石狩の田園地帯を国道275号線と並走しながら北上する札沼線の非電化区間だが、ここ豊ヶ岡だけは国道から離れて、月形町の豊ヶ丘地区を往く。この地は入植時から「豊ヶ丘」という地名だったようだが、何故か駅名は「豊ヶ岡」となっている。地域住民の申し出によって、58年前に設けられた請願駅だが、今は地域の利用者は殆どいない。乗り降りするのは、多くが全国からやって来る乗り鉄諸氏か駅巡りの愛好家だ。

路線は決して人里離れた場所を走っているわけではないが、ここに限っては鬱蒼とした鉄道林の中にあり秘境駅の風情がある。駅には見付け難い細い砂利道がつながっているだけだ。浦臼側にある車道の跨線橋が無かったら、見通しが効かず、この駅がここまで有名にはならなかったはずだ。小さな下見板張りの木造駅舎があるが、何と言ってもその佇まいが素晴らしく、明かりが灯るのが待ち遠しくなるような建屋だ。

どうしても駅舎の裸電球に明りが灯るのを見たくて、朝方の撮影の後、夕暮時に再びこの駅に戻って来た。薄暗くなった林の中の駅舎の灯は、想像を裏切るものではなかった。手彫りの駅名標がなんともいい雰囲気だ。ここ3年ほど毎年この駅を訪れているが、ホームが徐々に谷側に落ちてきているように感じる。残念なことに、もう修繕する必要もなくなったようだ。この不思議な時間が流れる妖精の駅も風前の灯となった。


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  1. 2018/11/09(金) 00:00:00|
  2. 札沼線
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蒸気暖房の時代

列車に暖房の蒸気が絡み付く
古き良き時代の冬の鉄道風景だ

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1975年3月 石北本線 緋牛内

札幌発北見行の夜行急行517レ「大雪5号」は、北見からは牽引機をC58に換えて、普通列車1527レとなって終着の網走を目指す。ファンの間からは「大雪くずれ」と呼ばれ、石北線網走口の人気列車だった。C58に続いてマニ、スユニと2両の荷物・郵便車両を挟んで、寝台車のオハネフ12、スハネ16、オロハネ10が、そしてグリーン車のスロ54が続く。さらに、普通車の3両のスハ45、そして最後部はスハフ44となる。北見で普通車2両が切り離されているが、堂々の寝台急行10両編成が、ゆっくりと緋牛内を06:37に出発する。次の停車駅の美幌までには小さな峠が待ち受ける。中型機のC58には厳しい道中だ。懸命に蒸気圧を上げて加速態勢に入るが、なかなか速度は上がらない。黒煙ばかりが空へと立ち昇った。

旧型客車が謳歌していた時代、客車から漏れ出す蒸気暖房の湯気は冬の鉄道の風物詩だった。旅の記憶というのは、そんな他愛もない当地のごく日常的な眺めの積み重ねにあるように思う。眠気眼で眺めた車窓の外に漂う蒸気は、紛れもない北辺の地での思い出だ。そして、電気暖房が主流になった今、蒸気暖房は観光用の復活蒸気の牽く旧型客車や専用車両だけになってしまった。かつて、暖給車やDL、ELに搭載されていたSGこと蒸気発生装置も忘れ去られようとしている。蒸気機関車在っての蒸気暖房だろうかから、運命を共にするのも道理だろう。暖かさが一番のおもてなしとされる冬の北海道だが、蒸気に包まれて、如何にも暖房が効いていそうな寝台車の眺めも、蒸気機関車と一緒にもう遠い過去となった。


長らく自動更新を続けてきましたが、今回から通常運行に戻ります。自動更新の期間中は、北海道に滞在して道内を巡っていました。何時消えてもおかしくない根室本線、石北本線、宗谷本線の小駅を訪ねる旅でした。現役蒸気時代以来となる駅も多くありましたが、その凋落ぶりには驚かされます。既に廃駅をなってしまった駅跡を探したりもしました。確実に過疎化が進む現実に直面するばかりでした。この緋牛内にも再訪しましたが、もう一度撮ってみたいと思っていたオハネフの後方の丘からの眺望は、残念ながら失われていました。とても全ての駅をご紹介することは出来ませんが、なるべく沢山の実態をお送りできればと考えています。画像はまだコンパクトフラッシュの中ですが、整理がつき次第お送りします。


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  1. 2018/11/07(水) 00:00:00|
  2. 石北本線
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錦秋湖の湯の町

湖と湯の町に錦秋の秋が訪れた
今は町を沈めたダム湖と共に生きる

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2017年10月 北上線 ほっとゆだ 

かつての湯田町の中心の川尻はダムの湖底に沈んだ。町並みと鉄路は錦秋湖の湖畔へと移された。

★只今、自動更新で「東北の秋 2017」をお送りしています。


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  1. 2018/11/05(月) 00:00:00|
  2. 北上線
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プロフィール

こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

著作権について

拙ブログに掲載する写真、記事に関する著作権は放棄しておりませんので、無断使用、転載等はお控えください。

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