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駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

雪国の小さな駅

白い季節を乗り切り、春の気配がしてきた
行き来する雪国街道のキハも安堵の表情だ

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2017年2月 飯山線

雪国や北国で生きる人々は、春の気配にはとても敏感だ。まだまだ積雪は2m近くあるが、2月も終わりに近づいて、日差しが柔らかくなり、集落の雰囲気も明るさを増してきた。線路を覆っていた氷雪も大分解けて、道床が現れだした。行き来するキハも、春めいた日差しを浴びて心持暖かそうだ。厳しい冬を、肩寄せ合って乗り切った雪国の小さな集落に、待ちわびた春の気配が漂う。

この冬は暖冬傾向で始まったが、その後の寒波で冬らしい冬になった。新潟県津南のアメダスでは、今夜は雪で、積雪深は180cm近くになったようだ。この地域では、これから一月ほどが降雪のピークとなる。今頃は、飯山線のキハが雪ダルマになって、人々の生活を支えていることだろう。そろそろ、安穏と炬燵に何ぞ当たっていないで、雪深いのローカル線の活躍を応援しに行こう。


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  1. 2019/01/19(土) 00:00:00|
  2. 飯山線
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或る冬の日の大カーブ

この築堤との付き合いも半世紀になった
築堤と南アは今も変わらず迎えてくれる

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2018年11月 小海線

原画が思いっきりモノトーンなので、久し振りにモノクロームで仕立ててみた。こうして見ると、この眺めは高原のポニーが走っていた頃とあまり変わらない。大きな築堤と、バックの南アルプス。どちらも変わりようがない。カーブの内側も外側も、圃場整備は入ったものの相変わらず一面の田圃だ。蒸気が去って、築堤の草刈が少々疎かにはなっているが、それは時代の趨勢だ。初冬の築堤をキハ110がゆっくりと登ってきた。といっても、C56の鈍足に比べれば、いかにも軽快な足取りだ。キハから流れる2条の排気が、何となくあの日のポニーを思い出させる。


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  1. 2019/01/17(木) 00:00:00|
  2. 小海線
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最後の凸型DD街道

天井川気味の出来川橋梁に差し掛かった
列車は路線唯一の鳥谷坂隧道を抜けて往く

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2018年11月 石巻線 前谷地

国鉄の動力近代化計画、つまりは蒸気機関車を淘汰する無煙化の作業が1960年に始まった。手段は電化とディーゼル化の二通りがある。この計画によって、まず主要幹線の電化が急ピッチで進められ、大型旅客用蒸気があっと言う間に消えて行った。次のステップは、非電化として残る幹線、亜幹線のディーゼル化だった。この時代、ディーゼル機関車としては、既にDF50が導入されていたが、D51よりも非力という頼りなさだった。そこで開発されたのがDD51ということで、1962年に量産化が始まった。同時に客車から気動車への転換も進められた。さらに、亜幹線、ローカル線、入換の無煙化のためにDE10が1966年に投入された。仕上げは、1971年に導入された簡易線用のDD16だった。計画開始から17年目の1976年3月2日、追分のキューロクを最後に、国鉄から蒸気機関車が姿を消した。

蒸気機関車を追いやった憎き凸型DDは、蒸気ファンの目の敵にされたが、あれから半世紀が経ち、当時共存していた鉄道車両の殆どが姿を消し、今や最も古い部類となった。廿浦浦に張り巡らされていた鉄道貨物網は、幹線のコンテナ輸送に限定された。手荷物や郵便の輸送も無くなった。機関車を要する客車列車も風前の灯だ。ディーゼル機関車の用途が減っていったことが、逆にこの凸型一門の寿命を伸ばしたのかもしれない。ペラペラな車両ばかりになった昨今、仇であっても国鉄時代の重厚な凸型DDの方がまだマシかと、貴重な本線仕業の残る石巻線に立ち寄ってみた。もちろん貨物列車好きの好奇心もある。現在JRに残っているのは、高出力タイプの機関を搭載した1000番台以降の車になる。平坦な路線のため10両編成とそこそこの長さだ。やはり貨物は面白い。機会があれば再訪してみたい。


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  1. 2019/01/15(火) 00:00:00|
  2. 石巻線
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宗谷の牧草地を駆ける

刈り取りの終わった牧草地の緑が綺麗だ
風雪の季節を前に穏やかな時間が流れる

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2018年10月 宗谷本線 抜海

宗谷地方の農業と云えば酪農が中心だ。それも、広大な牧草地を使った放牧型の酪農となる。年間を通して気温が低く、夏の日照時間も少ない宗谷では、小麦などの農作物の栽培には適さない。何とか育てられるのは牧草くらいだというから、取捨選択的に残ったのが酪農ということだろう。道内各地のセイコーマートの店先に並んでいるセイコーマート牛乳は、お隣の豊富町の牛乳公社で生産されファンも多いという。

ここ抜海周辺にも広大な牧草地が広がり、酪農農家が点在する。隣家に行くにも車が必要となる土地柄だ。遮るもののない一面の牧草地の丘陵地帯を列車が行き来する。冬ともなれば、海から吹き付ける北東の季節風が、駅や鉄路に容赦なく襲い掛かる。風雪をじっと耐え忍ぶ厳冬の抜海駅の様子は印象的だ。冬を前に、刈り取りの終わった牧草地の緑が綺麗だ。氷雪の季節が近づく宗谷に流れる一時の穏やかな時間だ。


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  1. 2019/01/13(日) 00:00:00|
  2. 宗谷本線
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ナメクジ栗山発進

客レの前位に半流D51が連結された
ナメクジ好きには堪えられないシーンだ

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1973年3月 室蘭本線 栗山

当時の室蘭本線は、九州の筑豊本線と並ぶ蒸気列車の稠密路線だった。機関車の遣り繰りのための回送は、多くで定期列車で行われていた。この線区では、重連や変則三重連をよく目にした。旅客列車も例外ではなく、C57の前位にD51が付くことがあった。この時も、待避線で休んでいたD51が連結され重連となった。塒の岩見沢第一への帰路だろう。蒸気列車では、回送と云えども、ぶら下がりで休むことは許されない。きっちり、本務機とタッグを組むことになる。リズムの異なる二つのブラストを響かせての、堂々たる栗山発進となった。

折角のC57の客レだ。前にD51が付いたのでは、普通なら悲しむべき事態だが、この時はデゴイチといってもナメクジだ。ナメクジ好きのこあらまとしては、結構感動的なシーンだ。ナメクジの客レはそうそうは拝めない。煙突前の横置きの給水温メ器がなく、煙室前面にアールが付いた顔付は、標準形のデゴイチとは別形式のようだ。シールドビームの副灯とテンダーの春闘スローガンが少々気になるが、切り詰めデフとスノープラウの北海道形のナメクジもなかなか凛々しいものだ。ちなみに、奥の軌道は夕張鉄道だ。この2年後に廃止になった。

例によって線路内での撮影だが、当時は当たり前の立ち位置だった。2両の罐も、連動するかのようにドレインをサービスしてくれた。今のJR北海道なら、すぐさまパトカーが駆けつけて連行されていることだろう。線路内への立ち入りは、時代的に無理なのは分るが、ファンを敵視するようになったのは、如何なる心境からだろうか。この時代、蒸気ファンは国鉄の大切なお客様だった。本社からもファンに便宜を図るよう通達されていたとか。蒸気も無くなり、鉄道事業者との関係も悪くなった。ナメクジばかりでなく、国鉄との蜜月時代も懐かしい。


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  1. 2019/01/11(金) 00:00:00|
  2. 室蘭本線
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プロフィール

こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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