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駅舎の灯

旅の始まりにも、終わりにも、そこには何時も駅舎の灯があった。

夏の思い出

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2016年6月 秩父鉄道 浦山口


ホームで列車を待つのも楽しいだろう
陽炎の線路の向こうに夏が見えたかい
大人になったら、また戻っておいで

おねえちゃん
そんなところに座ったら
お尻が熱くないかい


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  1. 2019/08/21(水) 00:00:00|
  2. 秩父鉄道
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駅舎の灯 浦幌 17時11分

十勝浦幌に夜の帳が降りてきた
おおぞらが北の大地をひた走る

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2018年10月 根室本線 浦幌

8月も後半に入り、少しずつ日の入りが早くなってきたのが感じられる。あまりに暑い日が続いているので、夕暮れ時が近づくとホッとする毎日だ。もう二月もすると、十勝はこんなにも日が短くなる。夜の帳が降りようとする17時過ぎ、2556D新得行きの普通列車が浦幌の待避線に当たる2番線に到着した。運悪くラッピング車の上に何やらヘッドマークまで付いている。間もなく、通過線に札幌行きの4010D Sおおぞら10号が進入してきた。追い越し様に、北海道色のキハ40の白いボディが闇に浮かび上がる算段だったが、何ともグロテスクなラッピングがヘッドライトに照らし出された。まんまと目論見は外れて、”FURICO283”はコマツの直列6気筒エンジンを唸らせて、さっさと遠ざかっていった。

「おおぞら」は、1961年10月1日のサンロクトオにデビューした北海道初の特急列車だ。最初は、当時では珍しい海線経由の函館-旭川間だったが、翌年の1962年には釧路編成が増結され、1967年にお馴染みの函館-釧路間の長大編成の特急列車となった。1997年には、現行のキハ283系のよる「ス―パーおおぞら」が運行を開始した。現在では、「スーパーおおぞら」も「スーパー北斗」もスーパーのみになっている。そろそろ由緒ある二つの列車名を、元に戻してもいいのではないだろうか。北の大地の大きな空をイメージした「おおぞら」は、間もなく58歳の誕生日を迎える。


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  1. 2019/08/19(月) 01:00:00|
  2. 根室本線
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小海線 通風車の頃

高原の朝の冷気の中を野菜列車が往く
通風車の開け放たれた荷扉が印象的だ

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1970年8月 小海線 今は林の中の大門川橋梁

その昔、エアコンが一般的でなかった時代、国鉄には通風車というものがあった。生鮮野菜や果物などの貨物が蒸れないように工夫された貨車のことだ。小海線では、沿線の高原野菜を首都圏に運ぶためにツム1000が活躍していた。屋根上の数多くのベンチレーターをはじめとして、車体の側面や妻側、床面にまで通気口が設けられていた。前夕から早朝にかけて集荷されたレタスが、野菜列車に仕立てられて、小淵沢に向かって高原を降りて往く。最高地点を通過した高原のポニーは、ブレーキ操作のみの絶気の旅路になる。早朝の冷気が貨車内を抜けていくように荷扉は両側とも解放されている。小淵沢で中央本線の貨物列車にバトンタッチされて首都圏へと向かう。

その後、通風車は衛生上の問題などもあり、早々に姿を消していった。そもそも畑に植わっていたものなので衛生上もないものだが、そんな時代へと移って行ったということだ。確かに、汚れた油煙に塗れた町の空気を思えば許せないのだろう。この日の朝も清々しい冷気に一面の露が降りていた。日が高く昇るまで肌寒かったことを覚えている。通風という原始的な方法でも十分に効果があったのだろう。今のような猛暑が訪れるとは、当時想像だにしなかった。近頃の暑さでは熱風に当たってすぐに萎れてしまうだろう。今流行っているハンディ扇風機もあまりの高温では逆効果ということもあるらしい。げに恐ろしい時代になったものだ。通風車の時代のおおらかさが懐かしい。


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  1. 2019/08/17(土) 00:00:00|
  2. 小海線
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軍需路線

鎌倉を強引に横切って横須賀線が往く
路線の起源は軍港の軍需輸送に始まる

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1973年9月 横須賀線 鎌倉

車輛のことを言うとボロが出てしまいそうだが、この電車は目玉がデカいのでスカ色の111系と思われる。111系とその後継形式である113系、115系が国鉄近郊線を席捲していくことになる。列車は北鎌倉から扇ヶ谷隧道を抜けて鎌倉の市街地に入るところだ。鎌倉の寺院の撮影の折に、警報機に反応してしまい、ながらで撮ったものだ。

明治末期に日本海軍は、横須賀、舞鶴、呉、佐世保の4港を軍港に指定して、鎮守府と海軍工廠を置いた。また、大湊を軍港に次ぐ要港とし、要港部を設けた。この5港は、海上自衛隊に引き継がれ現在に至っている。横須賀と佐世保については、在日米海軍第七艦隊の拠点ともなっている。

その軍港に繋がる鉄道には当然軍需を目的に敷設されたものがある。呉線にC59やC62が闊歩していたのは、軍需目的の幹線仕様であったからに他ならない。横須賀線も横須賀軍港のための幹線で、かなり強引な手法によって建設されている。円覚寺の参道を横切り、鶴岡八幡宮の段葛を薙ぎ倒して行軍している。鶴岡の段葛は一の鳥居から三の鳥居まで存在していたが、横須賀線敷設のために一の鳥居から二の鳥居の間が撤去されている。以前の記事にも書いたが、戦時中には御殿場線のレールを使って、横須賀から久里浜まで延伸されている。

今日は「終戦の日」だ。日本政府は「戦没者を追悼し平和を祈念する日」としている。追悼と祈念とは国民も随分と甘く見られたものだ。盲目的に為政者に従っていればいいと言わんばかりだ。祈念さえしていれば平和が訪れるのなら何の苦労もない。先の大戦の際、どれだけの国民が開戦を望んでいたというのだろうか。軍国化の兆しは、文化財の保全などお構いなしに強引に軍需路線を敷設することに始まっている。軍国主義は今は金儲けの経済主義にも姿を変えている。前回の東京オリンピックでは都電が廃止され、日本橋の上に首都高が通った。今度は都心上空に航空路が開かれるという。そういう守銭奴の無節操すら阻止できずに、いざという時にどうやって戦争を回避するというのだろうか。やはり、追悼や祈念だけでは何も生まれてこない。


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1977年10月 鎌倉東慶寺 Mamiya RB67 PRO SD Mamiya K/L 127mm F3.5 Ektachrome 64 (EPR)

写真は横須賀線北鎌倉駅近くの松岡山東慶総持禅寺、通称縁切寺と呼ばれる東慶寺の境内に鎮座する石仏になる。墓石の上に載る仏様で、多くの石仏がそうであるように、その出自の詳細は不明だ。とても慈悲深い御尊顔には安らぎを覚える。こあらま的には、鎌倉の石仏で最も気に入っている中の一体だ。今日という日に、まずはこの仏様に、国を思って儚く散っていった多くの若人の御霊を慰めてもらおう。


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  1. 2019/08/15(木) 00:00:00|
  2. 横須賀線
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只見線 盛夏

フェーン現象で猛暑の只見線
炎天下での列車待ちも緩くない

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2018年7月 只見線 上条

世間はお盆休みの真っ只中だ。温暖化で何処に行っても猛暑の日本列島になってしまったが、夏のレジャーの習慣は相変わらずだ。ちっとも涼しくない山の避暑地に、台風の高波で泳げもしない海水浴場。それでも延々と続く渋滞を我慢して、ひたすら目的地を目指す日本国民の忍耐力は大したものだ。そうかと思えば、日本のオタク文化の象徴ともいえる東京はお台場ビックサイトのコミケの炎天下の大行列には、あんたがたホントに大丈夫なのと心配すらしてしまう。そうやって、今年の暑い夏も過ぎていくわけだが、秋風が吹くころにでもなれば、やっぱり過ぎゆく夏を惜しむということになるのだろうか。精々殺人的な日本の夏を思いっきり楽しんで、楽しかったひと夏の記憶として焼付けよう。温暖化がもっと進めば、あの頃の夏はよかったということになるやもしれない。


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  1. 2019/08/13(火) 00:00:00|
  2. 只見線
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プロフィール

こあらま

Author:こあらま
1950年代後半、東京生まれ。少年時代は国鉄現役蒸気を追いかけ、その後は山岳・高山植物・風景・街角等を題材に撮影旅を続けてきました。
2000年代、たまたま小海線のキハにカメラを向けてから俄に鉄道画に復活。ローカル線を中心に、鉄道絡みの画を撮っています。

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